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アバンギャルド

「アバンギャルド」と言ってもスピーカー・メーカーではありません。最近はスピーカー・メーカーとしてのほうが多く使われる気がするのは私だけでしょうか?「前衛」のほうです。

さて、私にとっての「アバンギャルド」体験とは?昨日のブログにでてきたオーネット・コールマンの「プライム・タイム・バンド」を聴いた時のことなのです。

P97_2 私がジャズを聴き始めたころ、当時のスイングジャーナル誌でも話題になていたアルバムがありました。それはオーネット・コールマン『オブ・ヒューマン・フィーリングス』(1979年rec. POLYSTAR/ANTILLES)です。発売は1982年です。

メンバーは、オーネット・コールマン(as)、プライム・タイム・バンド:デナード・コールマン(オーネットの息子)(ds)、チャーリー・エラビー(g)、バーン・ニックス(g)、ジャマラディーン・タクーマ(b)、カルビン・ウエストン(ds)です。

ライナーノーツを書いているのはやっぱりこの人青木和富さんです。当時青木さんはフリー、アバンギャルドの評論を積極的に展開していて、私はこの人の評論を結構信頼していました。

一聴して「なんだこりゃっ」でした。本で読んでなんとなくイメージがありましたが、オーネットの吹くメロディーには想像以上の違和感がありました。当時はウェザー・リポートのメロディーでさえちょっと変だと思っていたくらいですからね。

私が言う変なメロディーというのは、それまでポピュラー音楽で聴きなれた、こういう風にメロディーがすすむとこういう方向に落着く(ハ調ならドで終わるみたいな)だろうという予測をまったく裏切るという意味です。私の頭の中の予測を裏切るメロディーが出てくるんです。

オーネットのメロディーは全く予測不能。とにかくメロディーが空中に浮遊している感じです。落着かないんです。普通なら嫌気がさしそうなんですがそうでもなかったのは、バックのリズムが躍動的なファンク・リズムだったからだと思います。

タクーマの「ベンベン」エレクトリック・ベースを中心として、左右でドラムがチャカチャカ叩き、ギターが小気味良いカッティングとオーネットに呼応したメロディを弾くというサウンドが気に入ったんですね。オーネットに言わせればこれぞ「ハーモロディック理論」によるサウンドなのでしょうが。そんな理論はどうでもよいことです。

当時なぜか愛聴していました。そしたらオーネットの不可思議メロディーが気持ちよくなっちゃったんだから、人間の感覚なんていいかげんなものですよ。この体験があるから今はアバンギャルドというものに対してあんまり嫌悪感は抱かなくなっています。

この感覚は最初嫌いだったものが美味しく食べられるようになった感覚に近いと思っています。私の場合を例にとれば、小学4年頃まで脂身がいやで(吐き気がした)肉が嫌いだったのに、ある時食べた「豚肉のケチャップ炒め」でそれが和らぎ、あとは全然平気になっちゃったというのがあります。

とにかく「プライム・タイム・バンド」体験が私の中では「アバンギャルド」という言葉に直結しているのです。

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コメント

はじめまして。僕は、Mizrockさんという
女性ポップロック・シンガーの方を応援する
サイトを運営しているJ(じぇい)という者ですが、
実は今回の3rdシングルでピンクレディーさんの
ペッパー警部をジャジーにカバーしているので、
よろしければYouTubeなどで試聴してみて
ください。ちなみに、彼女はユニバーサル所属で
アメブロもやっています。

Mizrock公式ブログ
http://ameblo.jp/mizrock/

投稿: J(じぇい) | 2008年7月23日 (水) 01時26分

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