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「PCMジャズ喫茶」を聴いてツッコミまくる!その3です。 ん、ツッコミまくってはいないか。 んでっ、ミシェル・ペトルチアーニでひと騒動です。
雲さんが次にかけたのはエディ・ルイスとミシェル・ペトルチアーニのデュオ・アルバム『デュオ・イン・パリ』から「枯葉」です。このアルバムは私も以前ブログで紹介しています。
雲さんとしては黒いオルガン好きな岩浪さんに、フランス人エディ・ルイスの弾くオルガンを聴いて感想が聞きたかったということです。
このアルバムはライブ録音なので曲が終わったところで拍手と「ブラボー!」の掛け声がかかります。 曲が終わると間髪いれず寺島さんは>「全然ブラボーじゃないですね」「寒々しいし、どこをとっても金太郎飴のように同じなんんですよ。最後のシングル・トーンようにやればリスナーがなつくんですけどね」と言います。 あ~あ、そう言っちゃいますか?
「この人達はリスナーにサービスをするとか考えないで芸術家気取りなんですよ。オルガンとピアノ2人で9分もやるなんて我々には考えられないよ」と、寺島さんはけなしまくりです(笑)。
岩浪さんはエディ・ルイスがペトルチアーニに押されているのがちょっと気になったようですね。それにオルガンにはもっとゆったりやってほしいようです。音はきれいでそれを生かせる演奏があると言っています。
そこで寺島さんが一言「ペトルチアーニは一部で神格化されている。」と。 出ましたパウエルをけなした時と同じ構図! 「歌心がないんですよ。技術を評価する人はいるけど、スタンダードを懐かしく人情で表現してほしいんですよ」 と続けます。 長澤さんはペトルチアーニの良さがわからないから聴かないそうです。
さすがに雲さんもこれにはツッコミましたね。「ペトルチアーニに人情を求めてもしょうがないと思いますけどね」と。 雲さんの言うとおり! 雲さん更に「寺島さんは「エスターテ」がいいって以前書いていませんでしたっけ?」と質問をぶつけます。 これ、私も全く同じ質問が浮かびました。(雲さんも私も寺島本のファンですからね)
寺島さん、「あれは「エスターテ」がいいんですよ。曲がいいんですよ」と。ペトルチアーニの演奏が良いのではないということです。ここで終了!次の曲になります。 あ~あっ!それを言っちゃーお終いよ(笑)。
名誉挽回のために言っておきますが、この曲は、キレと粒立ちの良い音でダイナミックなペトルチアーニのピアノと、暖かくコシがある音でスムーズなルイスのオルガンが、お互いの良さを理解しつつガンガンにインタープレイの応酬をしているんですよ。
寺島さんはリスナーへのサービスを考えていないと言うけど、私はむしろ逆で聴衆にいい演奏を見せようと張り切っちゃているところがあって、ペトルチアーニにそれが顕著だからルイスが押されぎみに聴こえるんだと思うんですよ。
寺島さんは自分の好みに合わないと、「神格化しているから良く聴こえるんでしょ。」「歌心がないからダメなんですよ。」とか言ってけなします。こういうのってどうなんでしょ?
今時、私も含めほとんどの人が「神格化」なんてしていませんよ。それにジャスは歌心だけじゃない良さがあるんだけどなあ~。ペトルチアーニだって、寺島さん好みの歌心じゃないだけで、私からすれば歌心はあると思いますよ。
「好き嫌いで聴けばいいんだ」と言いますが、私は偏食をしている人と同じなのではないかと思うんですよね。そのうえ食わず嫌いを大々的に人に勧めているんですから・・・。
好き嫌いなくいろいろなものを食べる人からすれば、もったいないという話なんですよね。 まあ、余計なお世話なのかもしれません・・・。
長くなりますが続けます。
次に寺島さんがかけたのは、最近の素晴しい男性ボーカルということで、エリック・バードです。ここでかかったのはエリック・バードと女性のデュエット曲ですね。なかなかいい声で雰囲気のある歌でした。雲さんが「これは歳がいってから楽しむ内容だ」と言ってます。 私もそう思いますね。
エリック・バードはもともとはピアニストで、私も「レア本」掲載の『ザ・エリック・バード・トリオ』は持っています。なかなか歌心に溢れノリの良いピアノ・トリオで、ボーナス・トラックはなぜかピアノ・トリオによるヒップホップで本人が歌っています。私はこのトラックが好きです。
次は岩浪さんがウータン鈴木の新譜からかけました。最初に「種明かしはしたくないけど」と言いつつ、「まあいいか」とメンバーを紹介するのですが、私が思うに、今時の日本人はアメリカ人となんら変わらないこういう演奏が出来るんだといいたかったのだと思います。なかなか洗練された良い演奏なんですよ。
寺島さんは「ジャスが力を失ったある流れに入った過渡期の演奏で、平坦で最初から最後まで同じような感じ」と言います。 まあ、そんな感じですが私はこういうのも好きです。 岩浪さんは「洗練されていてこういうショーターのようなサウンドが一番好き、ショーター、ハンコックのようなのがブルーノートのベストだと思う」と言います。 私、これは意外でしたね。でもこういう最近のものをちゃんと聴いている岩浪さんはエライ!
寺島さんは「60年代新主流派(ショーター、ハンコックのサウンド)が出てきて、50年代のホットから冷たくなって失望した」「岩浪さんがモード、モードって言うからなんでそういうことをいうのかと思っていた」と言います。 寺島さん、モード(新主流派)も嫌いでしたよね! つまりモードのメロディーがダメと言うことなんです。 あくまでも美メロの人!(笑)
評論家はある程度時代に迎合せざるを得ないなんて話になった後で、寺島さんが「雲さんはいかがでしたか?」とふったので、雲さんは「スタイルはあまり気にしないし、若い人は同じだと思うが教条主義でもない、今はいろいろなものが目の前に並列にあるのでチョイスは自由、新主流派のサウンドは好きで、トランペットがなめらかで良かった」と答えます。 雲さん冷静!
寺島さんは「トランペットがきれいに流れすぎて熱気がない」と、岩浪さん「この曲は洗練されたサウンドなんだからいいんだ」と言います。 寺島さんは新主流派のサウンドが嫌いだからって、それに則して演奏しているトランペットまでけなしちゃう・・・。 どうなんでしょっ、これ大人気ないんじゃないでしょうか?
それにしてもこの回は、雲さんと岩浪さんの選曲がことごとく寺島さんに嫌われたことにより、寺島さん自身が見事にあぶりだされていましたね。 寺島さん本人も、岩浪さんも言いたいことが言えて楽しかったんではないでしょうか?
やっぱりたまには雲さんがゲスト参加して盛り上げるべきだと思いますよ(笑)。
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