渋谷のJBSへ行きました。
いろいろ書くことが多かったため書くのが遅れていましたが、5月31日に行ってきた渋谷の喫茶店「JBS」(ジャズ、ブルース、ソウルの略)についてレポートします。
tommyさんと雲さんからお店の話を聞いて是非行ってみたいと思ってました。ビルの2階、ウッディーなドアをあけるとそこはレコード保管庫です(笑)。入口側の壁を除いた3面の壁にレコード棚が作りつけられていて、物凄い枚数のレコードが収められています。壁とレコード棚が木なのでログハウスのような内装ですね。
入口を入って左側にカウンターがあり6席くらい、右側にテーブルが2個くらいあって4席くらいあります。中央は空きスペースがあるので店内はゆったりしています。天井はむき出しのコンクリートで倉庫風、そこから笠の付いた裸電球が8個くらい下がっていて、程よい暗さの落着いた雰囲気を作っています。カウンターの一部はレコード置き場とかし、20枚くらいづつ2山積んでありました。
奥の壁のレコード棚は3段でその上にアルテックのスピーカー「カーメル」が置かれています。レコードプレーヤーはトーレンスTD-124が2台、プリアンプは何と!伝説の名機マークレビンソンのLNP-2Lです。パワーアンプは多分真空管?レコード棚には予備の真空管も置いてありました。
黒いジャズが合うそのサウンドは「コクがあるのにキレがある」あのビールのコピーのような感じです。イイ音ですよ!ただしスピーカーが古いタイプのものなので、今時のシンセ系の低音が入ったソースは合わないと思います。CDが出る以前のレコードを鳴らしているのだからこれで良いのです。
お店の説明はこれくらいにしてっと、実はマスターが個性的な方なのです。お店に入ったっ時マスターは黙ったままでした。これは無愛想ということではなく、店内で聴いているお客さんにゆっくり聴いてもらいたいとの配慮からではないかと思います。そんな感じですからこのお店はおしゃべりするより黙って聴くのがカッコイイと思います。
それからメニューがありません(笑)!私は無難にコーヒーを注文しました。話には聞いていましたがとても丁寧に淹れてくれます。まずコーヒー豆を挽くことから始まりました。ドリップの濾紙をお湯で湿した後、挽いたコーヒー豆を入れて、お湯を1滴1滴そっと入れながら豆を蒸らします。しばらく蒸らしてからお湯を少しずつ注いで出来上がり。
(注)マスターはコーヒーを淹れながら音に合わせて時々体をかるくゆすっていました。ファンキー!
コーヒーカップはシルバーの厚手の金属製なのが異色ですがとっても良い感じです。コーヒーは濃厚でまろやかですごくおいしい! 私がこれまでに行ったジャズ喫茶の中で一番おいしいと思いました。なんと値段が¥500!渋谷でこんなに安くていいの?
コーヒーを淹れてくれるのを待つ間、私が持っていたジャズ本を読んでいたら、コーヒーを出した後にマスターがその本を興味深げにのぞいていました。そうそうお店に入った時はソニー・レッドのレコード(タイトル未確認)がかかっていました。そのレコードが終り、次は何がかかるかな~と思っていたら、サム・ジョーンズでした。
マスターが私の読んでいたジャズ本を見て、「こいつジャズ聴くのか。それならオレがイイジャズを教えてやろうじゃないか。」と思ったかどうかは知りませんが、そこから熱い濃いジャスがかかり続けるのでした。ではそのラインナップを。
●サム・ジョーンズ(b)のアルバム(タイトル失念)。フロントは、ブルー・ミッチェル(tp)、スライド・ハンプトン(tb)、ボブ・バーグ(ts)です。このメンバー見ればわかりますよね。
●クリフォード・ジョーダン(ts)&ザ・マジック・トライアングル『ザ・ハイエスト・マウンテン』。
●ビリー・ヒギンズ(ds)『ワンス・モア』。テナーはボブ・バーグ。熱い!
●エディ・ハリス(as)『ザ・イン・サウンド』。
●ジョー・ヘンダーソン(ts)『ザ・キッカー』。
どうです。同じような感じの熱い濃いジャズばかり、私としては大満足なのでした。
写真はジョー・ヘンダーソン『ザ・キッカー』。私のはOJC盤ですが、お店でかかったのは当然オリジナル盤でした。
お店に入った時先客が1人いました。私よりちょっと上の感じのオジサマです。チラ見すると聴きながら少し体をゆすっているではありませんか。そうくるか!「私だってノリはいいんだよっ」と少しノリながら聴くことにしました。
マスターはというと、レコードがかかっている間はカウンタの入口側の流しがある奥まったところ(つまりスピーカーから一番離れたところ)で、私達の様子をうかがいながら音にのって体をゆすって聴いているのでした。別に私はマスターの様子をガン見したわけではなく、視野の端で感じていただけです。
次にかけるレコードは早めに選んで空いている方のプレーヤーにセットされます。レコードが終わりに近づくとマスターはおもむろにプレーヤーのところに行き、レコードをかけかえてかけ終わったレコードを丁寧にクリーナーで掃除してからジャケットへしまいます。レコード管理は完璧です。さすがはレコード保管庫の番人(笑)!
途中で先客が帰ってしまったので、お店の中は私とマスターの2人だけになってしまい、ノリノリ度は少々UPしてしまいました。はたから見れば変なオジサンの図。その後お客さんが2人入ってきたので、異常事態は解除されるのでした(笑)。
途中でバーボンの水割りを注文したのですが、これも¥500!ホントにこんなに安くていいのでしょうか?心配になってきました。 結局2時間弱お店にいました。帰りにお金を払った時「ありがとうございました。」と控えめな声で丁寧に言ってくれました。
いい音。おいしいコーヒー。個性的なマスター。シックなインテリア。とてもきれいなトイレ。お気に入りのお店がまた1軒増えてしまいました。また行こう!
長文失礼致しました。写真もなくってゴメンナサイ!
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コメント
JBSのレコード番頭のマスターは絶対!ベジタリアンだと思います(笑)。それからタバコは吸わない。レコードに匂いが着くから・・・それぐらい潔癖症。でも、ヴードゥなのは間違いありません(笑)。ねっ、それくらい想像が膨らんだでしょう?
マスターは絶対、客のレコードはかけないと思うよ。オリジナル盤すぐに出してくるからね(笑)。選曲は「黒い!がモットー」時々爽やかなのをかけてくれるのですが・・・黒くて爽やか(笑)。コーヒーの美味さはピカイチです。
投稿: tommy | 2008年6月13日 (金) 03時19分
tommyさん。
JBSのマスターは何かミステリアスですよね。確かにタバコは吸わなそう。潔癖症でもありそう。ヴードゥ感も漂っています。カウンター後ろの「マルカムX」本も気になります。いろいろ妄想すると楽しい(笑)!
「黒くて爽やか」も聴きたいのでまた行きます。コーヒーは本当においしいですよね。
投稿: いっき | 2008年6月13日 (金) 19時31分
いかれたんですね!
詳細レポート興味深く読みました。
ディープなところでしょ?(笑)
投稿: 雲 | 2008年6月14日 (土) 11時26分
雲さん。tommyさん。
先程はありがとうございました。いや~ディープですよね(笑)。
投稿: いっき | 2008年6月15日 (日) 01時40分