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2008年6月

「PCMジャズ喫茶」を聞いて(その2)

「PCMジャズ喫茶」を聴いてツッコミまくる!(笑) その2

寺島さんが言った「音が立っているとか芯があるとか全然わからない」について、実は私ちょっとショックを受けました。

だってそうでしょう!パウエルのピアノから奏でられる音って「音の立ち方、芯、粒立ち」とかで表現できるような、明らかに心に”グサッ”とくる重みがありますよ。ある程度いろいろなピアノニストを聴きこめばわかることです。

私は一時期真面目にジャズを聴いていなかったこともあって、そのあたりがわかるまでに20年くらいかかっているから偉そうなことは言えないんですが・・・。

多分寺島さんも本気で言っているわけでなく、「寺島流聴き方」につなげるための寺島さんお得意のインパクト発言だとは思うのですが・・・。本気でこんなことを言っているとしたら、これまで寺島さんが書いた本をほとんど買って読んだ「寺島ファンの私」がカワイソ過ぎます。

(注)私は決してアンチ寺島ではありませんので誤解なきようお願いします。寺島さんが好むメロディのツボはそっくりそのまま私の好みです。だからジャズ・ファンに誤解を招くようなことは言ってほしくないのです。

話はかわって2人のレギュラー・ゲストについて。 どうやらジャズ・オーディオ寺島さんのジャズの部分の相棒が岩浪さんで、オーディオの部分の相棒が長澤さんなのですね。本来これによってバランスの良いお話が展開されそうなのですがそうでもないらしいのです。

最近の寺島さんはオーディオ重視なので、どうも岩浪さんには分が悪かったようですねところが今回はジャス・サイドの雲さんが加わったことで、岩浪さんも俄然元気になり丁々発止のトークが展開されることになったらしいです。

「雲さん、これからもどんどん「PCMジャズ喫茶」にゲスト出演して下さい!」と思っていたら、どうやら次の出演オファーもあるらしいので楽しみです。

それでは「PCMジャズ喫茶」の続きです。

岩浪さんがフランチェスコ・カフィーソの新作から「あなたと夜と音楽」をかけます。カフィーソはスイングジャーナル誌でも取り上げられる期待の若手アルト・サックス奏者です。選曲が秀逸でした。

この曲、寺島さんの著書「新しいJAZZを聴け」の中で「テーマの処理がどうとか、アドリブにおいしいメロディーが出るので有名とか」書いていた曲ですよ。岩浪さんはよりによってこの曲を選んじゃったのです(笑)。 岩浪さんナイス!

寺島さんが「私は「あなたと夜と音楽」評論家だ」と言いつつ、「これほどつまらない演奏はない」とバッサリ、更にソロの時に寺島さんがいなかったらしいのです。

そうでしょうそうでしょう。 だって雲さんが言うようにテーマの処理がギミックくさいので、ここで既に寺島さんは勘弁してくれだったのでしょう。ソロを聴いても寺島さん好みの「おいしいメロディー」は出て来ないのでそれでよし(笑)。

このあとはいつもの「アドリブとテーマ論」が展開されていくのでした。 ちなみにカフィーソはまだまだ未熟なところがありますが、雲さんと岩浪さんが言うようにアドリブに勢いがあり、生きが良くて元気なところが良いですね。まだまだこれからの成長に期待すべき人でしょう。

ちなみに私は、アルト奏者ではデヴィッド・ビニーとかミゲル・セノーンが注目株だと思うのですが、寺島さんは絶対に聴かない人達ですよね(笑)。

次に長澤さんのかけたスコット・ハミルトンは、録音技師ヴァン・ゲルダーが最近録ったもので、デジタル録音機が上手く録ったヴァン・ゲルダーらしさがない没個性録音とのこと。今後に期待とのことだが、私は今更ヴァン・ゲルダーに期待はしないです。それにデジタルこそ、やろうと思えばなんでも出来るんじゃないかと思います。

長くなりそうなので続きはまた明日。雲さんがかけたミシェル・ペトルチアーニでまたまたひと騒動。

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「PCMジャズ喫茶」を聞いて(その1)

「PCMジャズ喫茶」の公開録音 http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_eb60.html を一緒に見に行ったジャズ・ライターの高野雲さん http://ameblo.jp/jazzy-life/ が、今度は「PCMジャズ喫茶」にゲスト出演しちゃったというので放送を聞きました。

雲さん、「公開録音の時にかかった曲が心地良かったので眠っちゃった」とか数回挑発発言をしていましたね(笑)。でも寺島さんの受け方もうまいもので、なかなか和気あいあいと進んでいました。

その「公開録音」の話から始まって30分くらいは曲もかけずにおしゃべりだけ、いや~ほんとにボソボソしゃべるので、ボーッと聞いていると何を言ったのかわからないことがあります。ボソボソしゃべりでもリアルに分離して再現するオーディオで聞けってことかな~あ(笑)。

30分のおしゃべりの中で寺島さんが「四谷一派は聴かずに評論とか読むのが好き」とか言って、雲さんがそれは違うとすぐに否定しているんですが、これは私も否定すべきだと思いました。「いーぐる」に集う四谷派(一部でそういう言い方をされる)の人達はとにかくよく聴いていますよ。「なんでそこまで聴くの?」っと言いたいくらいです。

その後寺島さんが「さっきのはちょっとオーバーで、読む・書く・言うことに聴くのと同じかそれ以上の喜びがあるんでしょ」と言い直したら、雲さんも切り返せず・・・、私もそれを聞いて、フムフムッと・・・(苦笑)。岩浪さんが「それも好き嫌いで勝手でしょっ」とフォロー。さすが大人です!(笑)

P74 さて問題は、雲さんがかけたバド・パウエルの『ジャズ・ジャイアント』から「シリア」を聴いたあとの会話です。

寺島さんは「緊張感が感じられない、それはベースとドラムが聴こえないからだ」と、つまりピアノ・ベース・ドラムの間でのインター・プレーの緊張感がないと言うことらしく、まあこれはその通りなのでした。

岩浪さんは「パウエルが弾いていればそれだけで良い」「ベース・ドラムはオマケだ」と言うのですが、これまたごもっとも。寺島さんは「それはパウエルというジャズ・ジャイアントの先入観によるものだ」と言うのですが、岩浪さんは「先入観なんてない。」とキッパリ否定します。  寺島さん。勝手に決め付けないで!

いよいよ核心に迫ります。雲さんがパウエルは「ピアノの音の立ち方、音の芯が違う」と言い、長澤さんは「それはオーディオ装置によっても違う」と言いますが、岩浪さんは「それはオーディオの差ではない」と言います。  いいぞ!岩浪さん。

そこで寺島さん「音が立っているとか芯があるとか全然わからない」と、長澤さんも「オーディオ的に言う以外はね」と続けます。さらに寺島さんは先入観やパウエルの神格化による思い込みがそう聴こえさせるのだと言ます。  だからそれは決め付けですって!

次に雲さんが「音の粒立ちが違う」と言うと、岩浪さんは同意するのですが、長澤さんは「そこまで想像力がない」「出た音そのものしか聴かない」と言います。  アレッ?

ここで一言、長澤さんはジャズの魅力の一つであるジャズ・マン固有の音の佇まいと凄味を聴いていないんですよ。やっぱりオーディオの人なのでした。

その後話しが少し変わっていき、先ほどの「音の立ち方、芯、粒立ち」を聴くというのは、パウエル個人を聴いているのだが、寺島さんはそうじゃなくて「パウエル・トリオ」を聴くんだと、ピアノ・ベース・ドラムの3人のからみを聴くんだということです。  まっそれもあり!

2つの聴き方はどっちが良い・悪いのではないと言っています。そりゃそうだっ。でも寺島さんの場合、3人のからみを聴くと言っても、そこにオーディオ的な「音」聴きがからんでくるからややこしいのです。

一方雲さんは上記のどちらかの聴き方だけでなく、両方の聴き方をしますと言います。私は雲さんの意見に共感しますね。どちらもジャズにとって重要な聴き方なのですから。

寺島さんのように聴き方を固定するのは一向に構わないのですが、私はそういうことはある程度ジャズを聴いてきた人がやることだと思います。聴き始めたばかりの人にそういう聴き方を勧めると、聴く範囲が狭くなってしまってすぐに飽きられてしまうので良くないと、私は思っています。

次にかかった曲は寺島レコードの松尾明の新譜『ベサメ・ムーチョ』から同タイトル曲。ピアニストにはかわいそうですがパウエルの後ではちょっと辛いものがあります。お話が盛り上がったのでかなり間が空いたのですが、それでも・・・。岩浪さんはベースをもう少し抑えてほしいと言ってましたが、全くそのとおりですね。まあ自分のレーベルだから好きにやって良いとも言っています(笑)。

さて、3人のインター・プレーを聴くのは良いのですが、各人の表現の深みと幅が伴っていないと面白くないんですよね。どうも今の寺島さんはオーディオの音重視で、表現のクオリティーなどに甘いところがあるのが、私は気にかかります。

寺島さん!オーディオ・ファンの方ばかり向かないで、ジャズ・ファンの方も向いてあげて下さいよ。吉祥寺派のジャス・ファンが泣きますよ!(笑)

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ウェザー・リポート

私のジャズの最初のアイドルはマイルスとウェザー・リポートです。それまで聴いたことのない音楽をやっていて、とにかくカッコイイと思いました。ジャスを聴いて良かった。こんなのを聴いているオレもカッコイイ(笑)。

当時ウェザー・リポートに在籍していたジャコ・パストリアスにも惚れましたね。こんなベースは聴いたことがありませんでした。当時は「ジャズにはこんなとんでもないやつがゴロゴロいるのか?」と思っていましたが、そんなやつはゴロゴロいませんでした(笑)。

さて最初に買ったウェザー・リポートのアルバムはというと『スウィートナイター』(1972年rec. CBS SONY)です。 当時、「ビッグ・ジャズ・フュージョン23」という廉価盤が発売されていて、このブログの2回目に書いたマイルスの『パンゲア』、ハービー・ハンコックの『マン・チャイルド』と一緒に買いました。この3枚、今考えると黒くて濃いものばかりです(笑)。

P73 『スウィートナイター』のメンバーは、ジョー・ザビヌル(key)、ウェイン・ショーター(ss, ts)、ミロスラフ・ビトウス(b)、エリック・グラバット(ds)、ドン・ウン・ロマン(per)、ムルガ(per)、ハーシェル・ドゥエリンガム(ds)、アンドリュー・ホワイトⅢ(el-b, English Horn)です。

このアルバムはA面1曲目のザビヌル作曲「ブギ・ウギ・ワルツ」(13分)が肝ですね。ツイン・エレクトリック・ベースとドラム・パーカッションが作り出す躍動的なリズムが気持ち良いです。ライナーノーツは岩浪洋三さん(当時のウェザーのライナーノーツは岩浪さんが多い)が書いているんですが、それによるとマイルスの「オン・ザ・コーナー」の影響だとか、なるほどね。

その躍動的なリズムの上で、ザビヌルのエレピ、ショーターのソプラノ・サックス、ビトウスのベースが自由に動き回ります。今で言うところのワールド・ミュージックのもつ力強さがあって、終盤はご存知のフレーズが繰り返され、ちょっと陶酔感を誘う気持ち良さがあります。最後は感動のビック・バンで終了って感じです(笑)。

A面2曲目「マノレート」はショーター作曲でお得意のミステリアス・ナンバー。これもパーカッションが大活躍で、その上を浮遊するショーターのソプラノがとっても美しいです。ビトウスの力強いアコースティック・ベースもアクセントになっていますね。ザビヌルはそれらの間に音を埋めてゆき全体をまとめあげます。この辺りの手際はさすがザビヌル。

A面3曲目「アディオス」はザビヌル作曲で「イン・ア・サイレント・ウェイ」にとても似た従来どおりのウェザー・サウンド。3分弱の短い曲ですね。

このアルバムはB面も同じような構成の曲になっています。でもB面3曲目はちょと面白いですね。ドラムがせせこましいリズムをずっと刻んでいて、その上にザビヌルのエレピとショーターのソプラノが抽象的なフレーズをのせるという、ちょっと不思議なナンバーです。

このアルバムのポイントは、アンドリュー・ホワイトⅢのエレクトリック・ベースによるファンク・グルーヴとマルチ・パーカッションの作りだす躍動感だと思います。それらがルーズな感じを出していて、ザビヌルとショーターも比較的ラフにやっているようなので、きちんと構成されがちなウェザーのサウンドの中ではちょっと異端であり、そこが良いところです。

ブログデザインは変わったけど、内容は全然変化なしですね(笑)。

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デザイン変更!

アクセスしてビックリされた方も多いと思います。
デザインを変更しました。

然るところから今までのデザインだと少々マズイという情報を得ましたので、かなり傾向が違うものを採用しました。

「金魚」がかわいいでしょっ! エッ、内容と合わないって、イインデス!

う~ん、内容も金魚のイメージに合うように少しずつ変わっていくかも?(笑)

ということで、乞うご期待! 今後も応援よろしくお願いしま~す。

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最初に買ったオリジナル盤

今から15年くらい前に始めてオリジナル盤というものを買いました。オリジナル盤に最初に興味を持ったのは寺島さん著「辛口JAZZノート」を読んだときです。オリジナル盤がらみで「トニイ・レコード」「コレクターズ」「ジャロ」「月光社」という4件のレコード屋さんの訪問記事が書かれていて、それに心惹かれたのです。

正確に言えばオリジナル盤そのものよりオリジナル盤を売っているお店に興味が湧いたんですね。その時はお金もなかったので想像を膨らますだけでした。それから数年後、何かのきっかけで新宿東口にあった「コレクターズ」へ行ったのです。ちなみに「コレクターズ」は数年前に閉店して今はありません。

「コレクターズ」は古い雑居ビル1階のラーメン屋の横を入っていって、これまた古くて動作が荒っぽい(今のコンピュータ制御のスムーズなエレベータしか乗ったことのない人は想像し難い)怖いエレベターで上がった3階か4階にありました。お店に入るときはかなりドキドキしました。

入って右側の壁には高額のオリジナル盤が並んでいて、お店の中は結構広くてレコードも棚に余裕を持って入れてありました。入ってすぐ左側がレジカウンターで、店主がそこにいてお店を見つつレコードをかけたり入荷レコードの値付けなどをしていました。

オーディオは、プレーヤーがテクニクスのSP10Ⅱ、アンプがマッキンのトランジスタ初期タイプ、スピーカーがJBLのL77というものでした。たしかアームはSMEでカートリッジはオルトフォンのSPUともう一つ別なのがあったような・・・。

このとき初めてだったにもかかわらず、会計の時に私は店主としばらくオリジナル盤の話をしました。勝手に店主は怖いものだと思っていたのが、これで一挙に親しみが湧いたことを覚えています。その後ここへは何度か買いに行きました。

P72 ここで最初に買ったのが今日紹介するケニー・ドーハムの『ウナ・マス』(1963年rec. Blue Note)です。stereo盤で7,8千円でした。最初ですから到底1万円以上は出せませんでした。盤質は良好です。

メンバーはケニー・ドーハム(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ブッチ・ウォーレン(b)、トニー・ウィリアムス(ds)です。ジョーヘンの実質的な初レコーディングとかマイルス前夜のハービー、トニーの初期の共演とか話題が多いアルバムです。

タイトル曲「ウナ・マス」(A面はこの1曲のみ)はラテン・リズムの曲で、ケニー・ドーハムがリー・モーガンのようにカッコイイ・フレーズでいつになくバリバリ吹きまくり、ジョーヘンはもうこのときから個性的で、少しかすれたスモーキーな音でブリブリうねったソロを展開しています。

ハービーはファンキーから新主流派的なクールへ行く過渡期の演奏で、それまでにない斬新な響きが感じられます。凄いのはやっぱりトニーで後ろから容赦なくガンガン煽ります。この頃はシンバル・レガートの凄さより、カウベル(珍しいのでは)やスネアのリム・ショットやタムのロールを効果的に使っているのが目立ちます。

B面の2曲も熱くてカッコイイ演奏になっています。これは今でもかなり好きなアルバムですね。時々引っ張り出してきて聴いています。

このレコードを聴いて音の違いにビックリしました。噂には聞いていましたが日本盤と全然違うキレの良さ。オリジナル盤恐るべし!ということになったわけです。それからオリジナル盤を少しずつあつめることになって今日に至ります。

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デクスターの『ゲッティン・アラウンド』

カレル・ボエリの『スイッチ』ですが、Amazonを検索したらTIMELESSのCDは倍くらいの価格でした。しかしポニーキャニオンから『ミスティ』というタイトルで同ジャケット(スイッチと記されています)のCDが出ていて¥1,895です。なんといいかげんな再発!CDはジャケットがあまりにもダサイのでレコードを買って正解でした。

「ジャロ」から通販リストが来た時は1枚くらいはオリジナル盤を買おうということにしています。最近はオリジナル盤がどんどん値上がりしていくので、私の懐具合に見合うものを探すのはなかなか大変です。

P71 そこで今日の1枚。デクスター・ゴードンの『ゲッティン・アラウンド』(1965年rsc. Blue Note)です。NY.レーベル、mono、溝なし、VAN GELDER刻印、コーティング・インナースリブ無、コンディション良好です。最近ブルーノート盤は有名なものは高くて手が出せません。ちょっと知名度が落ちるここらあたりが狙い目です。とは言えブルーノートですから内容は問題なしです。

これはブルーノートにおけるデクスターのラスト作です。メンバーは、デクスター・ゴードン(ts)、ボビー・ハッチャーソン(vib)、バリー・ハリス(p)、ボブ・クランショウ(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)です。ヴァイブのハッチャーソンが珍しい顔合わせで、演奏に洒落た色合いを添えています。

内容はブリブリではなく、ボサノバや歌ものを取り上げた寛いだ雰囲気のものになっています。ミディアム、スロー・テンポの曲だけで、とにかく朗々と良く歌うデクスターのソロ満載で気持ちがイイ!ダレ感はもちろんありません。テーマのアンサンブルではハッチャーソンのヴァイブがオシャレ感を演出しているところがニクイですね。

ハッチャーソンのソロも新主流派のアルバムのような硬質なものでなく、デクスターに合わせて小粋にブルージーにやっています。ハリス以下リズム陣もデクスターをきっちりバック・アップ。派手さは無く気軽に聴けてでもしっかり味わいが残る。さすがのブルーノート!これは今までノー・チェックだったのですが、今回聴いて愛聴盤になりそうです。

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渋谷のレコード店「ジャロ」の通販

先週渋谷のレコード店「ジャロ(discland JARO)」から恒例の通販リストが届きました。早速めぼしいものを発注して今日レコードが届きました。その中から1枚紹介します。

まず「ジャロ」のホームページが最近できたようなので、http://music.geocities.jp/disclandjaro/ のぞいてあげて下さい。通販もできますよ。今のところは電話とFAXにしか対応していませんが、E-mailについても準備しているみたいです。狙っているレコードが他人に買われてしまうかもしれないので、本当はあんまり教えたくないんですけど、同好の士であるジャズ・ファンに買われるんだからよしとしましょう。

P69 それでは今日の1枚。カレル・ボエリの『スイッチ』(1984年rec. TIMELESS)です。メンバーは、カエル・ボヘリ(p)、フランス・ブーメスタ(b)、ハンス・アイケナー(ds)のピアノ・トリオです。これは前にジャズ喫茶「ジニアス」で聴いて気に入ったものです。その時のことは以前ブログ http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_2e29.html に書きました。

P70_2 前にもらった「ジャロ」の通販リストにも掲載されていたので目をつけていたのですが、今回他のレコードと一緒に購入する運びとなりました。これはCD化されていないようで、値段もちょっと高かったです。 

この「スイッチ」はMOONKS本「JAZZとびっきり新定盤500+500」にも掲載されています。 MOONKS本は新定盤とうたっていますがちょっと?です。これらを定番にするというのはちょっと偏っています。俗に言うレア盤が多く、ジャズ・ファンというよりレコード・コレクター色が強く出ています。70年代以降のジャズのいろんな領域もかなり抜け落ちていますしね。

それはさておき『スイッチ』はヨーロッパ・ピアノ・トリオとしては満足できる内容になっています。カレル・ボエリ自作曲はタイトル曲「スイッチ」のみで、哀愁のメロディーと時々現れる躍動的なリズムがアクセントになって良い演奏になっています。哀愁とガッツがあり吉祥寺方面では絶対うけますね(笑)。

他は有名スタンダード「枯葉」「ミスティ」「サマータイム」、ジャズマン・オリジナルの「フォレスト・フラワー」「リコーダ・ミー」などを演奏しています。ライル・メイズの「J.E.S.T.」なんて曲も取り上げています。さっきあげた「スイッチ」が「枯葉」と「ミスティ」に挟まれている曲順なんかもなかなかニクイところです。

注文するにあたって電話で在庫確認した時、私が「『スイッチ』はジャズ喫茶「ジニアス」で聴いて気に入ったんですよ。」なんて話したら、店主は「多分うちで買ったんだよ。」と言っていました。

「ジニアス」にしても「いーぐる」にしても当時のヨーロッパ盤はここ「ジャロ」が発信源なんですよね。凄いお店なのです! 今でもリストにはたくさんのヨーロッパ盤が掲載されているので、興味のある方はリストをチェックしてみて下さい。ちなみにここで「ジャロ」の宣伝をしたからといて私には何も報酬はありません(笑)。

<追伸> 
コメント欄で「JAZZきち」さんから『スイッチ』に関する情報をいただきました。CD化されているそうで、CD番号は「TIMELESS CD SJP 206」だそうです。ジャケットがまったく変わってしまっているとのことでした。ただもう廃盤かもしれないとのことです。
「JAZZきち」さんどうもありがとうございました。またいろいろ教えて下さ~い。

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アンプが壊れました。

今日オーディオを聴こうと思って電源を入れたんですけど音が出ませんでした。ウンともスンとも言わないんです。う~ん何か壊れたみたい!なんだ、なんだ、としばらくいろいろやって壊れている箇所がわかりました。

パワーアンプとして使っていたサンスイのAU-D907が壊れたみたいです。一度バラシテ電解コンデンサー全部と保護リレーを交換して半田も全部やりなおしたのに・・・(涙)。でも煙とかが出たわけではないし保護回路も解除されているので、信号系の接触不良程度なのかも?

メイン部とプリ部を分離するスイッチがよく接触不良になったから、今回もそうかと思って何度かガチャガチャやってみたんですが治りませんでした。もう一度バラシテ異常箇所を探して修理するしかないようです。バラスのは結構大変なので今は修理する気になりません。もう充分楽しんだので処分しようかな~。

P66 音が無いのはつらいので控えのアンプを使うことにしました。ラジオ技術誌に記事を投稿している安井さんが設計した回路の自作MOS-FETアンプです。写真の下の方のやつです。上は相棒の自作プリアンプです。フロントパネルはシルク文字もないシンプルなもので自照式電源スイッチしかありません。上に鉛インゴットを載せているのはプチ長岡教徒だからです(笑)。

P67 裏パネルもシンプルそのものです。スピーカー端子はバナナプラグがさせるものにしています。電源コネクタは自作真空管アンプと全て共通のものにしています。左右対称配置なのは中身がそうなっているからです。

P68 中身はほとんど電源部(電源トランスとフィルターコンデンサーと整流素子)で占められています。電源トランスから左右完全分離されています。出力は30W/CH(8Ω)なので、電源トランスは1個で左右分をまかなえる容量なのですが、敢えてそれを左右で1個づつ使っています。完全にオーバースペックの電源重視なんですが効果の程は?おかげで質量20kgオーバーです。

アンプ基板と保護回路基板は秋葉原の若松通商で売っていた部品実装済みのものを利用しています。保護回路基板も1枚で左右分に対応しているのですが、敢えて左右でそれぞれ使用していてリレー接点は2ch分を並列接続しています。

そうそう、このアンプの良いところは前段がプッシュプルで出力段もシングルプッシュプルの2段増幅だということ、つまり信号を増幅素子MOS-FETたった4個で増幅していることです。その上無帰還(NO-NFB)アンプです。こんなシンプルな増幅回路は素敵だと思います。

前に使用していた時は低音のパワー感が不足していたように思っていたのですが、今日聴いてみるとそうでもないんです。パワーは少ないですがもともとあまり大きい音で聴ける環境ではないので充分です。当分このアンプで聴いてこの次は新しいアンプを買うことにしようと思っています。

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久々にスリー・ブラインド・マイスから1枚

tommyさんからのリクエスト?(笑)があるので、久々にスリー・ブラインド・マイス(TBM)レーベルから1枚紹介します。

以前ブログに書きましたがオーディオ的な興味から集めだしたんですが、いざ聴いてみると演奏も良いものが多いんですよ。今ではほとんど過去のものになってしまっているのが残念です。

P65 中村誠一の『アドヴェンチャー・イン・マイ・ドリーム』(1975年rec. TBM)です。メンバーは中村誠一(ts)、杉本喜代志(g)、板橋文夫(p)、成重幸紀(b)、楠本卓司(ds)です。録音エンジニアはいつもの神成芳彦、カッティングはあの小鉄さんじゃなくて中村進。TBMは知る人ぞ知る日本が誇るジャズ・サウンドなんです。

これは中村2枚目のリーダー・アルバムです。ご存知とは思いますが中村は山下洋輔トリオでフリー・ジャズをやっていた人です。これは山下トリオ脱退後のハード・バップ路線のアルバムです。テナーの音色はコルトレーン系の高域重視型ですね。キレが良くて楽器を良く鳴らしているのが気持ち良いです。

これ聴いてビックリなんですが今時の若手のサックス奏者のアルバムと比較しても違和感ゼロです。最近の新譜といってもわからないのではないかと思います。33年前の録音ですよ!とってもクールで時にちょっとアブストラクトな感じもあるんです。”ビエ~”なところもあります(笑)。全4曲中3曲が中村作なんですがこれがまた今時の曲なんですよね。中村誠一恐るべし!

このギタリスト、私はよく知らないんですがなかなか今時のフレージングでバッキングとソロをカッコ良くこなします。 板橋のピアノがクールで熱いのが良いですね。なんかハービーやチックかと思うようなクールなフレーズを弾いていると思ったら、時にガーンと鍵盤を叩いたりします。板橋らしいですね。 ベースとドラムも中村のサウンドを理解して良いプレーをしています。

スタンダードの「ラバー・マン」はベースとドラムのトリオで演奏しています。スローテンポでじっくりとストレートに、コルトレーンのバラード演奏に近いのではないかと思います。コルトレーンの『ラッシュライフ』のような感じです。でも途中で抑えきれずにアチー・シェップのようなブリブリになっちゃうところがあるのもカワイイ。

70年代の日本のジャズは盲点だと思いますが、こんな熱くてカッコイイジャズもあるんですよ。でもこれCD化されていないみたいです・・・残念!

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フージョン系ピアノ・トリオその2

今日もフージョン系ピアノ・トリオを1枚紹介します。その前に昨日の続きを少々書かせていただきます。

P63 昨日紹介した『ア・メッセージ・イン・ア・ボトル...』なんですが裏ジャケにちょっとした趣向があります。写真をクリックして開いて見てください。左が表ジャケで右が裏ジャケです。

表ジャケのビンの中に「ザ・ミュージック・オブ・・・」とサブ・タイトルが書かれた紙が入っていますよね。これがつまりアルバムタイトル「ビンの中のメッセージ」ってことです。裏ジャケではビンのコルクの蓋が開けられていてこの紙が広げてあります。この紙の上に収録曲目が書いてあるという仕掛けです。

「ビンの中のメッセージ」は収録曲。蓋を開けると音楽が聴こえてきそうな気がしませんか?私はこの小粋な趣向に参りました。皆さんはいかがでしょう?

P64 さて今日紹介するのは、ユージン・マスロフの『ホェン・アイ・ニード・トゥ・スマイル』(1998年rec. Mack Avenue records)です。メンバーは、ユージン・マスロフ(p)、エディ・ゴメス(b)、オマー・ハキム(ds)のピアノ・トリオです。Amazonで購入できます。

ユージン・マスロフは『オータム・イン・ニューイングランド』が「幻のCD廃盤/レア盤掘り起こしコレクション」に掲載されています。これは最近再発されてディスクユニオンで売っています。私はまだ未聴です。

さて今日紹介するアルバム。何で買ったかというと私の好きなドラマーのオマー・ハキムが入っているからです。ウェザーに加入した時は、前任者ピーター・アースキンよりリズムが躍動的になって良いと思いました。今はアースキンのフレキシブルなリズムと甲乙つけ難いと思っています。

このアルバムはオマーが大活躍です。ちょっと叩きすぎかもしれないけれど私はO.K.この人の叩き出すリズムはどうしてこんなに躍動感があるんだろう。前ノリなんだけどのめらずネバリもあるのが心地良いです。このアルバムは8ビートがほとんどですが4ビートを叩いても独特な味があるところが凄い。

ゴメスはオマーに押され気味というか一歩控えたというか落着いたプレーをしているのが良い感じです。この人けっこう落着かないベースを弾く時があるんですよ。

最後にマスロフのピアノ。このアルバムは自作曲とスタンダードなどが半分づつですが、自作曲は軽快なメロディーのなかなか良い曲です。とてもメロディアスなアドリブを弾く人なので美メロ好きにはたまらないでしょう。甘さが適度なのが良いですね。

リズムが重いとつまらない抽象的なピアノになる可能性がありそうなんですが、ここではオマーに煽られて休む暇もなく心地良いメロディーを紡ぎだしています。「ザ・マン・アイ・ラブ」の8ビートと4ビートを交互に交えたリズムや「マイルストーン」の斬新な4ビートにのってちょっと熱いアドリブを弾くマスロフはなかなかグ~ッ!です。

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フージョン系ピアノ・トリオ

今日は軽く聴くのに良いフージョン系ピアノ・トリオのアルバムを紹介します。これを買った人がいったい日本に何人いるのでしょう?

P61 クリストフ・ブッセ・トリオの『ア・メッセージ・イン・ア・ボトル...』(2004年rec. LAIKA)です。サブ・タイトルが『ザ・ミュージック・オブ・スティング,ザ・ポリス&ドナルド・フェーゲン』です。メンバーはクリストフ・ブッセ(p)、セバスチャン・ホフマン(e-b)、トーマス・ヘンペル(ds)です。ジャケットがとっても洒落ていると思いませんか? ヴィーナスのエロジャケ担当者に見てほしい!(笑) Amazonで\4,362で購入可。う~ん、ちょっと高い!私はディスクユニオンで中古品を安く入手しました。

ポリスが1曲、スティングが6曲、ドナルド・フェイゲンが2曲の計9曲で、この人達を聴いたことがあればわかると思いますが、大人の都会の夜に似合う洒落た曲ばかりです。ちなみにすべて8ビートです。念のため!

ブッセが全曲アレンジをやっていて原曲を生かした良いアレンジになっています。なんともカッコイイのです。ピアノはアコースティックに専念していて、エレピを弾いていないところが良いですね。タッチのくっきりした粒立ちの良いピアノを弾きます。

ベースはスティーブ・スワロー系のエレベで、押し付けがましさのないグルーブが曲にマッチしています。チョッパーとかはやりませんよ。ソロもステディにこなします。ドラムは落着いた感じで必要にして充分なビートを叩いています。ブラシを使っても擦るより叩くほうが多かったり、パーカッションのようなプレイをしていたりとなかなかです。

録音が良く、上から下までしっかり録れています。バスドラとかエレベの低音は重心が低くてとても気持ち良く、シンバルもなかなかの金物感が出ています。でも中域の粒立ちの良いピアノを邪魔することはない範囲にとどめたセンスの良いものです。

曲と音が私好みなのでつい度々聴いてしまいます。軽く聴けますが内容はなかなか濃いのでヨロシクネ!

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また渋谷の喫茶店「JBS」へ行きました。

また渋谷の喫茶店「JBS」へ行ってきました。今回はこのお店を教えてもらった皆さんと一緒に行きました。またこのネタかよって、スイマセン!

お店に入ってビックリ!某ジャズ喫茶の店員さんがいたからです。軽いご挨拶の会話をしただけですが、いつものカワイイ笑顔が見られたので幸せです(笑)。

さて、今回は皆さんとお話しをしながらかかったレコードを聴いていたのですが、結構押し出しの強いクッキリした音にもかかわらず、会話の邪魔にならなくてかつレコードの音もよく聴きとれるということがわかりました。多分ボリューム設定が絶妙なんでしょうね。グレイト!

使っているパワーアンプがわかりました。マッキントッシュの比較的新しいトランジスタアンプでした。前回来た時はその音かから勝手に真空管式だと思ったのですが違っていました。

古めのMMカートリッジ(機種は未確認)にプレーヤー:トーレンスTD-124+SME3009、レビンソンのLNP-2Lプリ、マッキンのトランジスタパワー、アルテックのカーメルというバラバラな時代やメーカーのオーディオ機器を黒く鳴らすそのテクニックとセンスはかなりのものです。

今回の選曲は以下のとおり

●ハービー・ハンコック『ザ・プリズナー』。 お店に入ったらかかっていました。ジョーヘンtsが入っている黒い1枚。1969年録音。この後ハンコックはファンク路線へ突き進むのであります。
●タイトル未確認。黒い!
●デクスター・ゴードン『ア・デイ・イン・コペンハーゲン』。 スライド・ハンプトンtb、ディジー・リースtp参加。デクスターも黒いね~。
●スライド・ハンプトン『ルーツ』。 あれ前回も含めてスライド・ハンプトン率が高いぞ! ブログで取り上げた『ライフ・ミュージック』が好きなんだけど、次はリクエストしてみようかしら。
●クリフォード・ジョーダン(ts)&ザ・マジック・トライアングル『ザ・ハイエスト・マウンテン』。 これ前回もかかりましたよ。マスター! まあ堅いこと言いっこなしです(笑)。

P60 こちらは私所有のクリフォード・ジョーダン『ファーム・ルーツ』(1975年rec. SteepleChase)です。メンバーは、クリフォード・ジョーダン(ts,fl)、ザ・マジック・トライアングル:シダー・ウォルトン(p)、サム・ジョーンズ(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)です。ある意味この頃の定番メンバー。

これは「いーぐる」後藤さん著「ジャズ・レーベル完全入門」を見て購入しました。私は一度ディスクユニオンで状態「A」盤を買ったのですが、プチノイズが多かったので買いなおしました。これはセンター・レーベルが金色のオーディオファイル・エディションです。

ジョーダンが少しかすれた渋い音でちょっとうねったフレーズを吹くのが気持ち良いんです。珍しく1曲だけフルートで演奏していますが、リーブマンに通じるスピリチュアル系ですね。ウォルトンのピアノが程よい黒さとコクで相性ピッタリです。私はウォルトン作「ヴォイセス・ディープ・ウィズイン・ミー」がミディアム・バウンスの佳曲で好きですね。

話は盛り上がったし、音はイイし、コーヒーは美味いし、楽しかったなあ~。

それから今回一緒に行った皆さんとは「マスターとお話厳禁!」てことになりました。だってマスターにはミステリアスなままでいてほしいんだもん!

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「いーぐる」の連続講演に行ってきました。

昨日「いーぐる」の連続講演に行ってきました。今回の「モダン/ポストモダン問題討議」は、前回の「ジャズジャーナリズムの現状を考える」の中で出た同問題を音源をかけながら討議するというものでした。パネリストは前回同様、後藤さん、村井康司さん、益子博之さんの3人です。

内容の詳細については簡単に説明できないのでここには書きません。普通の人はこの問題に興味も無いと思いますからね。ただこういうことはジャズ・ジャーナリストの皆さんにも少しは考えてもらっても良いのではないかと思っています?

興味がある方は「いーぐる」後藤さんのブログ http://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html を参照願います。

私はと言えば、これまでこれらの問題に対して考えがまとまらずもやもやしていたのが、昨日の討議を聞いてだいぶスッキリしてきました。

時代(世代)によるポストモダン感の変遷(進行度合い)、その時代にとられた表現手法とそれらの受取られ方、録音演奏技術の進歩、背景にある現代思想など、私の中で今までバラバラに存在していたものがつながりをおびて形が見えてきました。それに伴いNYのジャズ・シーンの流れもわかってきました。

まあ、私が何を言っているかわからないと思いますがご容赦願います。オジサンの独り言だと思って無視してください(笑)。

そうそう、当時は聴いて違和感を感じていた清水靖晃の「JAZZ Live!」を約25年ぶりに聴きました。実はこれを聴くのが楽しみだったのです。んで、どうだったかって? 違和感「0」! あらためて聴く側の感覚の変化を痛感しました。まあ今回聴いたのは数分だけなんですけど・・・。

討議終了後にKirkさんとお話して、いろいろ教えてもらったことも楽しかったです。エイフェックス・ツインとオウテカも聴いてみようかな~?

私の次の興味は7月12日の「新譜特集」ですね。益子さん、原田さんがニューヨークへ行っての報告も兼ねているそうなので、どんなことになるか楽しみです。

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最後の1枚パー”テキサス”ヨハンソン

P30 前に報告したとおり、「ジャズ選曲指南」アルバム蒐集の最後の1枚『パー”テキサス”ヨハンソン』をAmazonで予約したんですが、発送予定日を10日過ぎてもまだ発送されません。

おとといAmazonからメールがきました。商品の調達ができていないんだとか・・・。入手できるのかどうか不安になってきました。「いーぐる」の後藤さんにはお祝いしてもらちゃったのに・・・、まあ調達できないものはしょうがないか。気長に待ちましょう。

P59 ちなみに彼らの2作目『ALLA MINA KOMPISAR』(1998年rec. KAZA)は持っています。メンバーは、パー”テキサス”ヨハンソン(ts,bs,cl,b-cl,cb-cl)、フレドリク・ルンクヴィスト(ss,as,ts,bs)、ダン・バーグルンド(b)、ミケル・ウルフバーグ(ds)、ジョアン・リンドストローム(pedal steel guitar)です。2サックス・カルテットに数曲でギターがゲスト参加しています。ジャケット右から2人目の方がヨハンソンです。なかなか不敵な面構えのオニイサンですね~。

もう1人のサックス奏者フレドリク・ルンクビストは、最近人気のグループ「アトミック」に在籍しています。メンバーからフリーぽい感じを受けるかもしれませんがそんなことはなく、メロディーと定型リズムがあって、2人のサックスがあるときは豪快にまたあるときは和やかに掛け合い、ちょっと変わった独特の響きでどこか「のほほん」とした感じを出しているのが面白いです。

バス・クラリネットとバリトン・サックスがとぼけた感じで真面目にアンサンブルやソロをとる曲、クラリネットとソプラノ・サックスのバトル曲、スティール・ギターがまるでビル・フリゼールなバックをしている曲、2人がバリトン・サックでスインギーかつしなやかなバトルをする曲などいろいろな趣向があって聴いていて飽きないアルバムになっています。

明日は「いーぐる」で例のモダン/ポスト・モダンの講演があり、後藤さんからお呼びがかかっているので行くことにします。

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渋谷のJBSへ行きました。

いろいろ書くことが多かったため書くのが遅れていましたが、5月31日に行ってきた渋谷の喫茶店「JBS」(ジャズ、ブルース、ソウルの略)についてレポートします。

tommyさんと雲さんからお店の話を聞いて是非行ってみたいと思ってました。ビルの2階、ウッディーなドアをあけるとそこはレコード保管庫です(笑)。入口側の壁を除いた3面の壁にレコード棚が作りつけられていて、物凄い枚数のレコードが収められています。壁とレコード棚が木なのでログハウスのような内装ですね。

入口を入って左側にカウンターがあり6席くらい、右側にテーブルが2個くらいあって4席くらいあります。中央は空きスペースがあるので店内はゆったりしています。天井はむき出しのコンクリートで倉庫風、そこから笠の付いた裸電球が8個くらい下がっていて、程よい暗さの落着いた雰囲気を作っています。カウンターの一部はレコード置き場とかし、20枚くらいづつ2山積んでありました。

奥の壁のレコード棚は3段でその上にアルテックのスピーカー「カーメル」が置かれています。レコードプレーヤーはトーレンスTD-124が2台、プリアンプは何と!伝説の名機マークレビンソンのLNP-2Lです。パワーアンプは多分真空管?レコード棚には予備の真空管も置いてありました。

黒いジャズが合うそのサウンドは「コクがあるのにキレがある」あのビールのコピーのような感じです。イイ音ですよ!ただしスピーカーが古いタイプのものなので、今時のシンセ系の低音が入ったソースは合わないと思います。CDが出る以前のレコードを鳴らしているのだからこれで良いのです。

お店の説明はこれくらいにしてっと、実はマスターが個性的な方なのです。お店に入ったっ時マスターは黙ったままでした。これは無愛想ということではなく、店内で聴いているお客さんにゆっくり聴いてもらいたいとの配慮からではないかと思います。そんな感じですからこのお店はおしゃべりするより黙って聴くのがカッコイイと思います。

それからメニューがありません(笑)!私は無難にコーヒーを注文しました。話には聞いていましたがとても丁寧に淹れてくれます。まずコーヒー豆を挽くことから始まりました。ドリップの濾紙をお湯で湿した後、挽いたコーヒー豆を入れて、お湯を1滴1滴そっと入れながら豆を蒸らします。しばらく蒸らしてからお湯を少しずつ注いで出来上がり。
(注)マスターはコーヒーを淹れながら音に合わせて時々体をかるくゆすっていました。ファンキー!

コーヒーカップはシルバーの厚手の金属製なのが異色ですがとっても良い感じです。コーヒーは濃厚でまろやかですごくおいしい! 私がこれまでに行ったジャズ喫茶の中で一番おいしいと思いました。なんと値段が¥500!渋谷でこんなに安くていいの?

コーヒーを淹れてくれるのを待つ間、私が持っていたジャズ本を読んでいたら、コーヒーを出した後にマスターがその本を興味深げにのぞいていました。そうそうお店に入った時はソニー・レッドのレコード(タイトル未確認)がかかっていました。そのレコードが終り、次は何がかかるかな~と思っていたら、サム・ジョーンズでした。

マスターが私の読んでいたジャズ本を見て、「こいつジャズ聴くのか。それならオレがイイジャズを教えてやろうじゃないか。」と思ったかどうかは知りませんが、そこから熱い濃いジャスがかかり続けるのでした。ではそのラインナップを。

●サム・ジョーンズ(b)のアルバム(タイトル失念)。フロントは、ブルー・ミッチェル(tp)、スライド・ハンプトン(tb)、ボブ・バーグ(ts)です。このメンバー見ればわかりますよね。
●クリフォード・ジョーダン(ts)&ザ・マジック・トライアングル『ザ・ハイエスト・マウンテン』。
●ビリー・ヒギンズ(ds)『ワンス・モア』。テナーはボブ・バーグ。熱い!
●エディ・ハリス(as)『ザ・イン・サウンド』。
●ジョー・ヘンダーソン(ts)『ザ・キッカー』。

P58 どうです。同じような感じの熱い濃いジャズばかり、私としては大満足なのでした。
写真はジョー・ヘンダーソン『ザ・キッカー』。私のはOJC盤ですが、お店でかかったのは当然オリジナル盤でした。


お店に入った時先客が1人いました。私よりちょっと上の感じのオジサマです。チラ見すると聴きながら少し体をゆすっているではありませんか。そうくるか!「私だってノリはいいんだよっ」と少しノリながら聴くことにしました。

マスターはというと、レコードがかかっている間はカウンタの入口側の流しがある奥まったところ(つまりスピーカーから一番離れたところ)で、私達の様子をうかがいながら音にのって体をゆすって聴いているのでした。別に私はマスターの様子をガン見したわけではなく、視野の端で感じていただけです。

次にかけるレコードは早めに選んで空いている方のプレーヤーにセットされます。レコードが終わりに近づくとマスターはおもむろにプレーヤーのところに行き、レコードをかけかえてかけ終わったレコードを丁寧にクリーナーで掃除してからジャケットへしまいます。レコード管理は完璧です。さすがはレコード保管庫の番人(笑)!

途中で先客が帰ってしまったので、お店の中は私とマスターの2人だけになってしまい、ノリノリ度は少々UPしてしまいました。はたから見れば変なオジサンの図。その後お客さんが2人入ってきたので、異常事態は解除されるのでした(笑)。

途中でバーボンの水割りを注文したのですが、これも¥500!ホントにこんなに安くていいのでしょうか?心配になってきました。 結局2時間弱お店にいました。帰りにお金を払った時「ありがとうございました。」と控えめな声で丁寧に言ってくれました。

いい音。おいしいコーヒー。個性的なマスター。シックなインテリア。とてもきれいなトイレ。お気に入りのお店がまた1軒増えてしまいました。また行こう!
長文失礼致しました。写真もなくってゴメンナサイ!

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今時の若手のジャズ

今時の日本の若手のジャズはなかなか凄いんだけど、これで良いのかなあ?と思ってしまうこの1枚を紹介します。

P57_2 「ワッツ・アップ?」という名のグループの『ミュージック・イズ・リアル』(2006年、コモド・デポ)です。ディスクユニオンの新譜紹介文を読んで気になっていたもので、例によってディスクユニオンのアウトレットで買いました。

メンバーは、福原巖(b)リーダー、田中洋一(tp)、河村英樹(ts)、堀秀彰(p)、安藤正則(ds)です。トランペットとテナーサックスをフロントに据えたオーソドックスなクインテットです。このグループとしては2枚目のアルバムで1枚目は自主制作だそうです。ライブ活動を中心にやってきたグループですね。

これを一聴してビックリしたのはとても上手いこと。ほとんど無名の人達でこれまでアルバムが制作できなかったグループだというのが信じ難いです。アルバム・ジャケットは何だかわかりませんが、音楽の方向性としては数年前に話題となった人気トランペッター:ファブリツィオ・ボッソがいるイタリアのグループ:ハイファイブ・クインテットと同じだと思います。

クラブ受けもするモダンなハード・バップでかなりセンスが良いものです。案の定このアルバムはイタリアなどのヨーロッパで、ジャズファンやDJの間で大人気だったそうです。今や日本のジャズも世界レベルです。このアルバムもメジャーなレコード会社から出てもっと宣伝されていれば、日本でも間違いなく人気が出たはずです。

今回新しいアルバム『ロスト・アンド・ファウンド』が出ました。ディスクユニオンの新譜紹介文によるとイタリアのジャズフェスであの「イディア6」と出演が決定しているとのことです。DJ須永辰緒さんもコメントを寄せていて「オレの好きなジャズに間違いない」と書いています。

これらのことからこのグループの音楽はだいたいわかってもらえると思いますので、細かいことは書かきません。8/2にはジャズ喫茶「メグ」でアルバム発売イベントがあるそうなので、そっち方面から今度はかなり人気が出るものと思います。

私も楽しく聴いていて文句なく心地良いです。でもそれだけかな。「それでいいじゃないか?」と言われればそうなんですが・・・。私としてはこれはこれで良しとしたうえで、ジャズを長く聴きいてゆきたいという人には、あえて少しひっかかりがあったり凄味があったりするジャズも聴いてほしと思う今日この頃なのでありました。

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サブスピーカーを替えました。

サブスピーカーを替えました。時々オーディオ機器を無性に変更したくなってしまうのですが、メインシステムには最近あまり不満がないし、これを変更しようとするとかなりお金がかかりそうなので、サブシステムの方を変更して変更欲求を満たしています。

前に使っていたスピーカーはDENON「SC-101」でこれについては前にブログに書きました。http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_8748.html 今回入手したのはサーウィン・ヴェガ社「D-1」で、Yahooオークションを物色していて落札したものです。

P55 前にも書きましたがサブスピーカーは真空管アンプで鳴らしているためインピーダンスは8Ωが良いのです。なぜかというと自作した真空管アンプの出力インピーダンスが全て8Ωになっていてこれを変更するのが面倒だからです。最近のスピーカーはインピーダンス6Ωのものが多いためこの8Ωが結構難関です。

それからメインスピーカー(タンノイ・スターリングTWW)の上にのせるのでサイズ的な制限があり、低音再生能力的には16cm以上のウーファーがほしいとか、出力が少ない真空管アンプで鳴らすので能率が高いほうが良いとかの条件があります。

P56 今回このスピーカーが気に入ったのは、上記の条件を満たしていたことは当然として、サーウィン・ヴェガというあまり有名ではないメーカー(一時期はオーディオ雑誌にも載っていたが、日本での販売台数はあまり多くないと思います)であるとか、新品未使用だったとか、ウ-ファーの赤いエッジががカッコイイとか、ツイーターがホーン型であるとか、オーソドックスな形状とかいろいろあります。もちろん価格がリーズナブルだったことがあります。

あとは直感が重要で、これは良さそうだと感じるとだいたいはずさないものなのです。

手元に届いてわかったのですが、ボックスがかなりしっかり作られているのが気に入りました。前面保護ネットの枠も木製でがっちりできています。ある意味70年代末の日本製的なつくりが良いです。

音については新品未使用だったこともあり、鳴らし始めはちょっと寝ぼけ気味でしたが、感じとしてはだいたい思っていたような音で鳴ってくれました。適度に元気で明快な音です。そろそろ1ヶ月経ちますが、やっと音が落着いてきた感じです。でも半年くらいは鳴らさないと本領ははっきしないと思います。

このスピーカーは長く使うことになりそうな予感がします。

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Studio K'sの音楽喫茶

この時期、近くの田んぼに水がはられて田植えも済んだのですが、夜になるとカエルの大合唱。うるさいほどではないのでなかなか心地良いですよ。

5/31の土曜日は前日のイベントで疲れていたのですが、東京泊だったこともあって別のイベントへ行ってきました。 その一つがStudio K's http://studio-ks.net/audio/index.html で月に一度催される「音楽喫茶」です。その日は「麻薬的な音楽」と題して行われました。

秋葉原の駅からStudio K'sの方へ歩いて行く途中、神田明神をふらりとお参りしてみるとなかでは結婚式をやっていました。神社でやる結婚式を初めてみましたがなかなか良いものですね。ロボットアームに獅子舞を着せ、その獅子がおみくじをひくというおみくじ機があったのでひいてみることにしました。おみくじの中身はなるほどなるほど・・・。

さてStudio K'sに入るとお客さんはあまりいませんでした。確か4人いたかな。雨が降っていましたからね。 それで「麻薬的な音楽」はどんなものか?古楽器の独奏や小編成での合奏とか小人数の声楽などでした。普段なじみのない音楽なので誰なのか忘れてしましましたが、声楽でなかなか気持ちの良いものがありました。

前日の疲れと心地良い響きでだんだん眠気が・・・1時間半ほど聴いて出ることにしました。次のイベント「いーぐる」のメル・トーメ特集の時間もせまっていましたから。

ここでは音楽よりオーディオの音を聴いてきます。今回の注目はパソコンによるCD再生ですね。上記のようなほとんど加工なしの音源を聴いたわけですが、非常にナチュラルに鳴っていました。特にパソコンを意識する必要はないと思いました。まあこのように鳴らすためには色々な仕掛けがあるんですけど、そのあたりのノウハウはStudio K'sのホームページを見て下さい。

LPもかけたのですが、こちらはCDよりも色艶が増した感じで、更に良い音で鳴っているように感じました。ちなみにStudio K'sのオーディオは、スピーカーがJBLのL65という古いタイプのもので、プリアンプがマランツ#7、パワーアンプが真空管OTL、プレーヤーはガラード401、アームはダイナベクターという組み合わせで、全く古さを感じさせない音で鳴らしています。要はセンスの問題ですね。

もちろんパソコンCD再生も同システムで鳴らしています。それほど背の高くないスピーカーを高さ5cmくらいのボードをかまして床に直置きして、椅子に座って聴くというのも異色です。でも特に問題は感じないのです。凝り固まらず柔軟に物事に対処するセンスは好きですね。また聴きに行きたいと思います。

そうそうStudio K'sに行ったら主宰者の山本さんが作るシフォンケーキを食べてみることをオススメします。なんとも優しく上品な味はイイですよ!

秋葉原の事件にはビックリしました。
あのあたりは私も時々通る場所でしたからね。上記のとおり私も先週近くを通ったんですから。わざわざ静岡から出てきて・・・、最近の秋葉原の状況がテレビで度々放送されましたが、今回の事件との因果関係が全くないとは言えないのではないかと思いました。

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上原ひろみ

上原ひろみは2作目『ブレイン』から聴いているのですが、これまで今一良さがわかりませんでした。それが前作『タイム・コントロール』を聴いたあたりから「うん、これは・・・」みたいな感じになり、最近やっと良さがわかって楽しめるようになった気がするのです。

別に演奏のテクニックがどうとかリズムがどうとかメロディーがどうとか言うのではなく、狙いが見えてきたのです。それは何かと言うと、上原の中には何か表現したい強い想いがあって、それを演奏に色濃く出しているようだということです。その思いに少し翳りがあり、現代の社会情勢に抱く不安を反映しているようで興味深いです。

私が今まで上原をなんとなくダメだと思ったのは、思いが強く出た音楽を好まなかったからのようで、簡単に言うと「うざい」感じ(笑)がしていました。それが別のところで聴いた新しいタイプのジャズにも似たようなタイプのものがあり、そういうものを多く聴くうちに自分の感覚が慣れて、最近楽しめるようになったようです。

P54 そこで今回の新作『ビヨンド・スタンダード』(2008年,TELARC)、今回もプロデュースは上原とマイケル・ビショップです。マイケル・ビショップは録音エンジニアということもあるので、音楽に関しては上原が主体でやっているものと思われ、そう考えるとたいしたものです。

メンバーは、ヒロミズ・ソニックブルーム:上原ひろみ(p,key)、デビッド・フュージンスキー(g)、トニー・グレイ(b)、マーティン・ヴァリホラ(ds)です。前作と同メンバーですね。グループとしてのまとまりはかなりのものに達していると思います。

このグループはあくまで上原がリーダーで、フュージンスキーも上原の音楽を表現する一メンバーだと思います。ただしフュージンスキーが入ってからは、トリオの時に飽和しかかっていた表現の幅が広がったのが良いと思います。

今回は皆が知っている曲を主体に演奏しているので、前作より聴きやすくなっていると思いますがあくまで上原サウンドです。この若さで上原サウンドと呼べるものを作ってしまったところには才能を感じます。ピアノはハービー・ハンコックやチック・コリアからの影響が見られますがそんなことはしょうがないでしょう。

各曲のアレンジは上原流で私は結構好きですね。「キャラバン」の途中でラテンが入るところなんかの手際はスマートですよね。あれ、ドラム・ソロの後はスティーブ・ガットしてませんか(笑)? 「レッド・ブーツ」は文句なくカッコイイ!私好きです。最近この手の硬派フージョンが少ないですよね。

最後の「アイブ・ゴット・リズム」はこれだけとってつけたような感じですが、上原が亡くなったオスカー・ピーターソンに捧げたということなので「あり」としましょう。テクニックは凄いですね。これだけ速弾きして一音一音の粒立ちが確保されているのはピーターソン並みか?

最後にボーナス・トラック。私はあんまり歓迎しないのですが今回は◎。何が◎かと言うとその録音ですね。まるでコンサート会場の客席にいて聴いているかのような音で録れています。客席の場所はというと、そうライブ・レコーディングの時にミキシング・コンソールが置かれている中央の辺り。レコーディング・エンジニアになった気分です。さすがのテラーク録音!ただし大きめの音で聴いて下さいね。

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ラベル・ブリューのCDが買える

音楽ジャーナリスト横井一江さんのブログ【音楽のながいしっぽ】 http://kazueyokoi.exblog.jp/ を見ていたら、おもしろそうなオンラインCDショップのことが書かれていました。そのショップは Medium Rare で、フランスのラベル・ブリュ・レーベルを中心に扱っています。魅力は価格の安さですかね。

P113_2 前に私が紹介したアンリ・テキシェの 『粘土の城壁』 が\1,000(送料別途要)で購入できます。この価格なら試しに買ってみるというのもありかなっと思うのですがいかがでしょう? 2曲目「サクリファイス」におけるセバスチャン・テキシェのアルト・サックスの凄い音響と鮮明な録音を聴いていただきたいです。これは「凄味」がありますよ。

P53_2 もう1枚紹介します。パラティノの『テンポ』、これも\1,000です。パラティノはドラマーのアルド・ロマーノが率いるグループで、メンバーはアルド・ロマーノ(ds)、ミッシェル・ベニタ(b)、グレン・フェリス(tb)、パオロ・フレス(tp)です。ピアノレス・カルテットでフェリスのトロンボーンとフレスのトランペットがアンサンブルにソロにと良いプレーをしています。

基本は4ビート、上質なんだけど堅苦しくなくリラックスしたオープンな感じが出たアルバムです。スロー・バラードでのフレスのミュート・トランペットの甘すぎない哀愁、フェリスの包み込むおおらかな吹奏は良いですよ。それをロマーノ、ベニタの繊細なリズムがバック・アップしていて深みがあります。

8ビートのファンクもあり、フェリスのトロンボーンが気持ち良く、フレス得意の軽いエフェクター使いも洒落ています。ラテン調の曲やミステリアスな曲を品良くやったり、アップ・テンポのハード・バップではそのテクニックで軽快に飛ばしたり、いかにもウエスト・コースト風の軽妙なジャズありと、いろいろな表情が楽しめる作りになっています。

Medium Rare は紹介した他にもラベル・ブリュの良いジャズ・アルバムが多数ラインナップされているのが魅力です。

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レトルト・カレーいろいろ

「PCMジャス喫茶」の公開録音を見に行く前、雲さんたちとカレーパーティーを開きました。パーティーと言ってもおおげさなものではなく、何種類かのレトルトーカレーを暖めて少しずつご飯にかけて味見をしようというものです。

このレトルトカレーは、雲さんが雑誌にカレーの記事を書くために全国から取り寄せたもので何十種類もありました。その中からエビ入り、サザエ入り、クジラ入り、タイ風、激辛の5個を暖めて少しずつ味見をしました。最初は「どれがどれだか分からなくなるかも。」なんて話していましたが、いざ食べてみると・・・。

選んだカレーが個性的というのもありますが、美味しいものからそうでないものまでいろいろありました。それぞれ入れた食材を生かそうとして味付けしているんでしょうが、それ故に個性的な味になってしまうものがあるんですね~。まあ比較しなければそれはそれで美味しいのかもしれません。

それにしてもご当地の名産を入れたもの、産物を普及させようと宣伝効果を狙ったもの、名店の味を再現したものなどいろいろなものがありました。驚きです。私が子供の頃は「大塚のボンカレー」しかなかったのに、あれから約40年時代は変わりました。

ぜんぜん関係ありませんがアルバムを1枚紹介します。

P52 ティル・ブレナーの『マイ・シークレット・ラブ』(1995年rec. MINOR MUSIC)です。例の本「幻のCD 廃盤/レア盤 掘り起こしコレクション」に掲載されているものです。この本に掲載されているものの中にはウ~ンと頭をかしげるものがあるのですが、ディスクユニオンで再入荷とか宣伝されると気になってつい買ってしまうのです。

メンバーは、ティル・ブレナー(tp,flh)、ウォルター・ガウチェル(ts)、ヒュバート・ナス(p)、インマー・ヘラー(b)、ハンス・デッカー(ds)、アネット・ロウマン(vo)です。ブレナーがメジャーデビューする前で、極普通のハード・バップをやっています。メロディアスで聴きやすい今時人気のプレー・スタイルです。2曲にヴォーカリストが参加し、ラストの曲はウィズ・ストリングスで、その後のメロー&スムース路線への流れは見えます。

私はこの手のやつはフュージョンと同等に聴いています。演奏がうまくて気分良く聴ければ良い、それだけです。 そう言えば本場のカレーに対するレトルトカレー見たいなものかも?これはこれで美味しい。 でもこういうのだけ聴いて満足しちゃうと、凄みのあるジャズは聴かなくなるんでしょうね。もったいないもったいない! あっ!余計なおせっかいでした(笑)。

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「PCMジャズ喫茶」公開収録

今日は、音楽専門・衛星デジタルラジオMUSIC BIRDのジャズ番組「PCMジャズ喫茶」 http://www.musicbird.jp/channels/musicbird/thejazz/regular.html の公開録音の模様をお伝えします。

P51 「PCMジャズ喫茶」は、吉祥寺のジャズ喫茶「メグ」のマスターにしてエッセイストの寺島靖国さんが、ジャズやオーディオについて言いたい放題する(笑)人気番組です。 公開録音は秋葉原のハイエンドオーディオ専門店「Refino & Anhelo」(スペイン語で「上質」と「憧れ」を意味するらしい・・・ふう~ん)にて行なわれました。

今回、ジャズ・ライター高野雲さんの http://ameblo.jp/jazzy-life/ お誘いによって私も見に行くことができました。雲さんのお友達tommyさんと私が知り合いだったこともありますが、雲さんブログの一読者である私が誘っていただけたことには感謝しています。どうもありがとうございました。

雲さん、tommyさん、私の3人は秋葉原駅を出たあと、小腹が空いたこともあって近くのセルフのそば屋で腹ごしらえしてから会場「Refino & Anhelo」へ入りました。平日の夕方5時半頃にオジサン3人でそばを食べている図もナカナカこっけいです(笑)。

「Refino & Anhelo」に入るとハイエンドオーディ機器があるわあるわ、このお店は巷で話題の相次ぐ食品値上げなんかとは無縁の世界ですな~。なかなかお目にかかれない超高級FMアコースティックのアンプもありました。さらっとひととおり見物してから2階の公開録音会場へ、開場時間から少し遅くなったこともありますが、用意されていた30脚ほどの椅子は既に満席。

「立ち見ですか?2時間・・・」と思いながらボーッと立っていると追加の椅子を持ってきてくれました。「あーよかった。」しかもなかなか良い椅子じゃああ~りませんか(笑)。

お客さんは・・・結構高齢のオジサマ達です。女性も2、3人いたかな?退職されたりして今はオーディオに熱を上げている方々なのではないかと思われます。それは番組中の質問・意見からもわかりました。寺島さんはこういう方達のアイドルなんですよ。きっと!

寺島さんを見るのは、だいぶ前に一度吉祥寺のディスクユニオンでお見かけして以来二度目です。お年の割には若く見え、エッセイに自分でも書いているとおり繊細な方のようにも見えました。

いよいよ番組の始まりです。今回が初めての公開録音とのことで、出だしはちょっと覚めた雰囲気でした。しばらくすると徐々に調子が出てきて例の寺島節で番組が盛り上がっていきました。寺島さんのトークをおもしろくするテクニックはさすがですね。やっぱりこの番組は寺島さんのトークあっての人気なんですよね。

今回の録音は9月放送とのことなので内容の詳細については控えておきます。

番組の途中でどっちのソースが良いかの比較があったのですが、それに対する雲さんとtommyさんの意見には納得するものがありました。それは楽器の距離感に関してのことで、お2人ともベースを弾くんですが、楽器を演奏する人ならではの意見だと思いました。私みたいに全く楽器をやらない人とはやっぱり聴いているところが違うんだなあと関心しました。

そうそうtommyさんはプチ出演していますので放送が楽しみですね。

今回のオーディオについて一言。スピーカーはアバンギャルドの「META PRIMO」(ペア945万円!!)、CDとアンプがESOTERICでした。でもなにか低音がボンついた音だったのです。さらにスピーカーが少々内側に向けられていたので、後ろの端の方はホーン・スピーカーの指向性の影響もあってか高音がシャキッとしなかったようです。

「META PRIMO」については、寺島さんから開演3時間前に鳴らし始めたのでまだ本領は発揮していないとの弁明がありました。「3日後、3ヵ月後、3年後にはもっと良くなります。」と・・・、でも今がこの状態では聴いていても気分が乗らないんだよなあ~。もちろんその時かけたソースの違いや特徴はわかるわけですが・・・。

楽しい公開録音でした。ジャズに対する自分達の好みもあらためてわかったことだし・・・。この後「いーぐる」で「蒐集完了パーティー」をやるのですが、「いーぐる」の店内に入って、「やっぱりこのジャズ・この音ですよね。」と顔を見合わせる3人なのでありました。

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tommyさんのお話など

P49 「ジャズ選曲指南」蒐集完了パーティはtommyさん http://ameblo.jp/tommy-tdo/ の発案だと書きましたが、tommyさんと知り合ったのは2月11日の「いーぐる」後藤さんのブログ上でした。tommyさんも「ジャズ選曲指南」の蒐集をしていると言うのです。同じことをやっている方がいると知って私はその時とても嬉しかったなあ~。それに蒐集については私のほうが先輩ですから威張れる(笑)。

その時点でtommyさんは蒐集を始めてから1ヶ月あまりで既に残り15枚、私は始めてから3年少々で残り2枚でした。 tommyさんの情熱恐るべし! その時のやりとりの中で、「いーぐる」で講演をしたり「ジャズ批評」にレビューを書いていた八田真行さんの情報 http://www.mhatta.org/wiki/wiki.cgi?page=%A1%D8%A5%B8%A5%E3%A5%BA%C1%AA%B6%CA%BB%D8%C6%EE%A1%D9%CA%E4%B0%E4 (この情報については2006年11月にUPされたようです)も得られ、私は残り2枚のうちの1枚を入手できることになりました。

その後2月末には「いーぐる」の連続特集でご本人とお会いし、情報を交換しながら蒐集をすすめることになるのです。そして私の最後の1枚がAmazonで予約できるようになったことを教えてくれたのもtommyさんでした。

蒐集完了前にtommyさんと知り合えたのはラッキーでした。3ヶ月少々の間ですが対抗意識ももちながら情報交換するのはとても楽しかったです。もちろんtommyさんのお人柄あってこその楽しさなのですが。tommyさんに知り合えなかったら、きっと1人寂しく蒐集完了していただろうなあ~。
そうそうtommyさんはと言えば残り枚、かなり難関なものが残っています。早く見つかるといいですね!

話変わって、蒐集完了パーティーの時に「いーぐる」でかかったアルバムを紹介しておきます。忘れたものがあることや順序がおかしいかもしれませんが雰囲気を知ってほしいのです。

●ビル・エバンス『ワルツ・フォー・デビー』 : お店に入った時にかかっていました。こんなベタなものもかかります。
●『アル・ヘイグ・トリオ』 : 後藤さんが来る前、雲さん、tommyさんとの話しの中で雲さんがリクエストしたもの。こういうものもちゃんとあります。
●コートニー・パインのCD(タイトル忘れ) : こういうのもかかるんですよ。
●『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズvol.2』 : vol.2というのがミソ。
●ドン・チェリー『ホーム・ボーイ・シスター・アウト』 : 私これを探しているのですがありません。初めて聴いたのですが絶対ほしくなりました。
●ジャッキー・マクリーンのブルーノート盤の知らないやつ : こういう選曲が深い。
●『ミルト・ジャクソン・カルテット』 : これは渋い。私は好きなアルバムです。

P50 とまあこんな具合に新旧いろいろなアルバムがかかるわけで飽きません。基本はハード・バップで難解なものはかかりません。まあ、夜のバータイムだからということもあると思いますが、昼間の喫茶タイムが急に難解になるということはないと思います。

後藤さんは一緒にパーティーをしてくれたのですが、仕事中だからということでワインもあまり飲まないで、私達にワインをついでくれたり、食器を下げたり、お店の様子を見たりと、その気遣いはさすがだと思いました。こうでないと長くお店は続けられないですよね。やっぱり!

金曜日の夜ということでお店は混んでいました。2次会の団体さんなんかもいました。実は私、向こう側にいた客の様子に興味がありました。なぜかって?ご想像にお任せします。

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祝!「ジャズ選曲指南」蒐集完了パーティー

P49 5月30日の夜、ジャズ喫茶「いーぐる」のマスター後藤さん著「ジャズ選曲指南」に掲載したアルバムの蒐集完了パーティーを「いーぐる」にて開いていただきました。蒐集完了とは言うものの、実は最後の1枚『パー”テキサス”ヨハンソン』はAmazonに予約中で、6/3~5発売なのでまだ手元にはなく、少々フライングでのパーティーとなりました。

このパーティーは、私と同じく「ジャズ選曲指南」のアルバム蒐集をしていて「いーぐる」後藤さんをとおして知り合ったtommyさん http://ameblo.jp/tommy-tdo/ の発案によるもので、tommyさんのお友達であるジャズライターの高野雲さん http://ameblo.jp/jazzy-life/ にも賛同いただき、「いーぐる」後藤さん http://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html にもパーティを快く了解していただいて実現しました。

皆さんに感謝感謝です。

雲さんに企画していただいた「PCMジャズ喫茶」の公開収録(後ほどブログで紹介)を、雲さんとtommyさんと私の3人で見た後、四谷「いーぐる」へ向かいました。 後藤さんは後ほど来るとのことだったので、まずは3人でビールで乾杯! ジャズ談義で盛り上がっていると後藤さんがお店に来ました。

そこでプチ・サプライズが、「ジャズ選曲指南」編集者の河野さんを紹介されました。このパーティーのために後藤さんが招いてくれたのです。河野さんお忙しいところ本当にありがとうございました

P47 まずは蒐集完了ということであらかじめ作っておいたレポートを提出。このレポートというのは、蒐集したものを写真に撮って盤の種類を付記して並べたものです。まあ写真のとおりのお粗末なものなんですが、せめてこのくらいはしないと後藤さんに失礼ですからね。そこで後藤さんから記念に一筆いただくことになりました。

P48 レポートの最終ページに「認定」をいただきました。『パー”テキサス”ヨハンソン』がまだありませんが、今週中には入手できるので写真を撮って切り張りする予定です。 さらに「ジャズ選曲指南」の見開きにもサインしていただきました。これらは私にとって「お宝」です。後世に語り継がれることになるでしょう(笑)。

P46 これを集めようと思ってから完了するまで3年半かかりました。掲載されているアルバムはわずか120枚なのですがこれがくせもので、輸入盤しかないCD、未CD化の日本制作廃盤、多分世界未CD化の輸入盤、自主制作CDなど入手困難盤が十数枚あるのです。

後藤さんが前に書いた本に掲載されたアルバムとのダブりを避けたため、ちょっと変わった選曲になっているとのことですが、これは「いーぐる」では日常的にかかっているものばかりです。 ジャズ喫茶の選曲って奥深い!そして市場とはあまりリンクしていないということを実感。

さて「認定」作業が済んだところで、後藤さんに出していただいたワインを片手に5人で乾杯!美味しさひとしおです。

その後はいろいろお話したのですが、後藤さんが聴いたオーディオ評論家のオーディオ装置の話で盛り上がりました。長岡鉄男さんと柳沢功力さんのところの音がとにかく凄かったそうで、後藤さんはこれぞプロのオーディオの音だと思って、以来そこまで音を突き詰めることをあきらめたそうです。

後藤さんの好みの音はどちらかと言えば柳沢さんのほうだったとのこと、何が凄いかといえば、スピーカー・ユニットや駆動するアンプはばらばらのメーカーのものを使ったマルチ・スピーカー、マルチ・アンプ装置(オーディオ好きならご存知と思います)でありながら、スピーカー・ユニット固有の音が全く聞こえなかったということだそうです。

今や音をまとめるのが難し過ぎてほとんどの人が諦めたマルチ・スピーカー、マルチ・アンプ装置を完璧に鳴らしているということですよ!オーディオ好きならこれが意味することの凄さはわかると思います。

後藤さんもJBL4344Ⅱの下にしく無酸素銅3枚重ね+皮に至るまでの試行錯誤他いろいろ調整に苦労しているが、柳沢さんの装置の調整はそんな生易しいものではないだろうと言うことです。本当にそのとおりだと思います。私も聴きたいよ~! 反対に音がダメだった方の話もしましたがここではご勘弁を。

その後、芸能化傾向にある最近の女性ジャズ・ミュージシャンに関する冗談めいた企画話などを真面目に話して?終了。お店は既に閉店して後藤さんは明日の特集の準備も始めていました。

皆様本当にありがとうございました。

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