ジャズ喫茶「メグ」
先日の「ブルーノート廃盤セール」の後、吉祥寺のジャズ喫茶「メグ」に行ってきました。
ここは皆さんご存知のとおり、昼は喫茶店として営業していて、夜はライブまたはイベントを行っています。 ライブは一度だけ「矢野沙織」を見に行きました。喫茶の時間帯に行くのは今回が3回目です。一番最初に喫茶時間に行った時はライブが始まる少し前の時間だったので、お店には短い時間しかいられませんでした。当時は何時からライブの時間帯になるのかよく知らなかったのです。
前回は平日に行ったのですが、お客さんは少なかったですね。CDのかけ方も決まったやり方は無いみたいで、その時担当の店員さんにお任せみたいですね。ジョニー・グリフィンの「ザ・ケリー・ダンサーズ」をかけたんですが、店員さんのお気に入りなのか全曲かけたので、聴いているほうは飽きてしまいました。その後ポール・モチアンの「オン・ブロードウェイVol.1」がかかって、これは気にいったので後日CDを買いました。
さて今回なのですが、1時半頃行ったらお店にはお客さんが誰もいませんでした。私一人の貸切状態です。スピーカー正面の一番良い席に座れました。でもしばらくするとぞくぞくとお客さんが入ってきました。 その間マイルスの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」のCDがかかっていました。店員さんがライブの予定表を配ってくれたりしてなかなか商売熱心です。 さて「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」が終わったところで、店員さんがお客さんに「お持ちのCDをかけますよ。ここのシステムで聴いてみて下さい。」と声をかけました。そこで何人かのお客さんが手持ちのCDを店員さんに渡しました。
最初にかかったCDは、クラシック調のピアノから入りストリングスをバックにサブトーン艶かしいテナー・サックスと低くファットなベースが印象的なバラード曲でした。「メグ」のお客さんのCDだけあってサブトーンときましたか・・・。それにしてもベースが良い音だなあ。これイイよな~。なんだろうこのCD?とジャケットを見たのだけれど暗くてよくわからない。 しばらく聴いてこれやっぱ買いでしょっ!ともう一度ジャケットを見ると、チャーリー・ヘイデンの「ノクターン」じゃないですか・・・。なるほどベースが良い音なわけです。それにこのCDを私持っています。最近全然聴いていないので内容をまるっきり忘れてしまっていたようです。情けない・・・。それに前に聴いた時は何かいまいちピンとこなかったんですよね。でも今回はこのアルバムの良さがあらためてわかりました。
そのCDがかかっている間、店員さんがそのCDを渡したお客さんに「このスピーカー良い音でしょう?300万円なんですよ。いろいろやってここまで鳴るようになったんですよ。プリがFMアコースティックで、パワーがオーディオコアで、CDプレーヤーがワディアで・・・。他でアバンギャルドを聴いたんですけど、ここまで鳴らしているところはありません。」などなど、オーディオを自慢しているのです。お客さんのほうもオーディオ目当てに来ていたようなので良いと思いますが、ある程度事情が分かる私としては、その会話は何ともミーハーな感じがしました。
寺島さんの本などに最近はオーディオ目当てのお客さんが増えたとは書いてありましたが、こんな感じになってしまっていたんですね。そう言えば前回来た時も会計をしてもらっている時に店員さんとちょっと話をしたら、「お好きなCDを持って来ていただければおかけしますよ。」と言っていました。「メグ」は、お店の選曲で良いジャズを聴かせるというスタイルだけではなく、お店のオーディオでお客さんお気に入りのジャズを聴いて下さいというスタイルでも営業しているようです。
自分のお気に入りのCDを「メグ」のオーディオで聴くというのは楽しいとは思いますが、それは(ジャズ)オーディオ・ファンが思うことであって、ジャズ・ファンはあまり興味がないと思います。それに(ジャズ)オーディオ・ファンだって何度も「メグ」で聴こうとは思わないでしょ。だってオーディオ・ファンは自分のシステムを良い音で鳴らすのが目的であって、「メグ」で聴くのはあくまで参考にということだから、何度も聴きに行こうとは思わないんじゃないかなあ?
「メグ」のオーディオは確かに良い音です。私もこういう音は好きです。ただ古い録音よりは新しい録音を良くならすようにセッティングされていると思います。それにあれだけ高額な機器を使っているのだから、あれくらいは鳴って当然という感じもします。 私としてはジャズ喫茶にはジャス喫茶ならではの気の利いたジャズを聴かせてもらいたいので、「メグ」はちょっと魅力に乏しいかも?もちろんこれは喫茶店営業の時間についのことです。
ジャズ喫茶ではマスターのディープな選曲が聴きたい私です。
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