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早坂紗知さんの新譜「パルピタンテ!」

先日買ってきたCDの中から1枚紹介します。私のお気に入り早坂紗知さんの新譜『パルピタンテ!』(2007年rec. NBAGI Record)です。

P34 メンバーは、早坂紗知(as,ss,soprano recorder)、永田利樹(b)、新澤健一郎(p,syn)、小畑和彦(g)、北原雅彦(tb)、大儀見元(per)、アフリカン・パーカッションです。前回のアルバムは早坂さんと永田さんとドラムスのトリオでのライブ録音でしたが、今回は早坂紗知さんと永田利樹さんを中心とするグループmingaでのスタジオ録音です。前々回のアルバム 『ビート・ビート・ジャズ・ビート』 の発展型になっています。

1曲目は映画音楽をアレンジしたものです。ピアノ・ソロで始まり途中から全員で演奏し、ギターや手拍子が入ったフラメンコ調の楽しい曲です。途中トロンボーンの豪快なソロが出てきます。中盤アフリカン・パーカッションだけをバックに早坂さんがダイナミックなアルト・ソロをとると、もう一度全員が加わってお祭りムードが高まりつつエンディングへ向かいます。この躍動感は気持ちイイ!

2曲目は上記映画を見て早坂さんが作った曲です。最初永田さんのアルコ・ベースをバックに早坂さんがソプラノでクラシック調の叙情的なメロディーを奏でます。途中からテンポ・アップし映画の場面が急展開する感じですがここもクラシック調、さらに中盤からギターが加わりフラメンコ調の哀愁感のある曲になります。最後は早坂さんの情熱的なソプラノ・ソロからテーマに戻って終わり。これは今までになかった曲で早坂さんの新しい面が出た演奏です。

3曲目は永田さん作のジプシー調のメランコリックなワルツ曲です。ここでもアフリカン・パーカッションが躍動感を与えていて、深いベース音と美しいピアノの上で、早坂さんが気持ちよくソプラノでテーマやソロを吹いていきます。ギター・ソロやピアノ・ソロも曲を生かした気持ちの良いものです。さわやかな風を感じさせるオープンで爽快な演奏が良いです。

4曲目はトロンボーンが活躍するサンバ曲、アフリカン(ラテン)・パーカッションが盛り上げる中、早坂さんのアルトとトロンボーンがダイナミックなソロの掛け合いをするのがハイライトです。早坂さんのアルトは女性が吹いているとは思えない勢いが魅力です。この曲を聴いていると悩みが吹っ飛びそうです。

こんな感じで明るい躍動的な曲が続いていくわけですが、ソプラノ・ベース・ギターのバラードをいれつつ最後はフリー・ジャズできっちり決めてくれます。全曲聴くとかなり満腹感がありますね。早坂さんの魅力満載です。前作がサックス・トリオでシンプルに決めた反動なのか、今回はゴージャズに進化しています。

このCDはマイナー・レーベルのNBAGI Recordから発売されているので、地方ではお店で売っていませんし、東京でもディスクユニオンくらいしか置いていないのが残念です。でもネット検索をしたら早坂さんの応援ページがあり  http://www.ne.jp/asahi/stir/up/ こちらで購入できるようです。

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