クォン・ヴーの新譜
最近注目のトランペッター、クォン・ヴーの新譜はやはり良いのでした。これはジャズ喫茶「いーぐる」の新譜特集(2/9)で聴いたものです。その時は日本未発売でした。最近ディスクユニオンから販売さたので早速買いました。
新譜のタイトルは「Vu-Tet」(2007年rec. artistShare)です。メンバーは、クォン・ヴー(tp,effect)、クリス・スピード(reed)、ツトム・タケイシ(el-b)、テッド・プアー(ds)です。前のアルバム「残像」 のメンバーからビル・フリゼール(g)が抜けて、代わりにクリス・スピードが入りました。クリス・スピードとはヴー、スクリ・スヴェリソン(el-b)、ジム・ブラック(ds)からなるグルプ「Yeah No」(このグループも要注目)で共演しています。
相変わらずヴーの音の肌触り(触覚)を意識した演奏が展開されます。1曲目は映画音楽のような風景を想像させる曲で幻想的な夢見心地の気分になります。もはやトランペット演奏を大きく超えています。前のアルバムでは背景にアンビエントなフリゼールのギターがあったのですが、今回はないのでタケイシのファンク・ベースがアンビエントな部分を補っていて、サウンドはファンキーな感じが強くなっています。私はこのファンク・ベース好きですね。ドラムもより前面に出て積極的にサウンドに寄与するようになったところも良いと思います。
今回はフリゼールがいないので、トランペットやサックスのソロ部分はトリオ演奏となっていて、サウンドはよりタイトな感じになりました。バップ的な要素が強くなったとも言えるので賛否はわかれるかもしれませんが、私はこれも良いと思います。クリスのサックスはヴーのトランペットと音の感触が近いためテーマの演奏では一体化して聴こえます。クリスのサックスなどのソロもカッコイイですよ。プアーのドラムはバスドラムの音がゆるく広がる音で、ジャズというよりロックの音に近い感じがおもしろいですね。シンプルで良いドラムを叩いていると思います。
やっぱヴーはイイ! こうなると「Yeah No」も聴きたくなりました。ジム・ブラックのドラムは特にイイですからね。
前アルバム「残像(邦題)=イッツ・モストリー・レシデュアル」は最初は日本盤を買いました。だいぶたってから輸入盤の「イッツ・モストリー・レシデュアル」(写真のとおりジャケットが全く異なる)が販売されたのですが、ディスクユニオンの紹介文では内容が同じだと書いていませんでした。私はてっきり同メンバーによる新譜だと思いアウトレットCDをうっかり買ってしまいました。帰って1曲目を聴いて唖然ですよ。慌てて収録曲を調べたら「残像」と全く同じです・・・。2枚持っていてもしょうがないので、高く売れそうな日本盤「残像」をディスクユニオンの買取に出しました。輸入盤のほうが希少だろうしね。
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