渋いピアノ・トリオ・アルバム
今日はあまり知られていないだろう渋いピアノ・トリオ・アルバムを2枚紹介します。1枚は後藤さんの著書「ジャズ・オブ・パラダイス」で、もう1枚はこれも後藤さんの著書「ジャズ・レーベル完全入門」で知って昨年になってやっと買ったアルバムです。
まずはホレス・パーランの「ブルー・パーラン」(1979年rec.Steeple Chase)です。メンバーは、ホレス・パーラン(p)、ウィルバー・リトル(b)、ダニー・リッチモンド(ds)です。これレコードをずっと探していたのですがなかなかみつからず、昨年レコード店「JARO」の例の通販リストの中にみつけ、ちょっと高かったのですが迷わず買ったものです。一応オリジナル盤です。さっきAmazonを検索したらCDもあって購入できますね。
これは極普通のピアノ・トリオなのですが何と言うか味わい深いのです。A面1曲目の「グッドバイ・ポーク・パイ・ハット」、淡々と弾いていくのですがとってもブルージー、さすがは「アス・スリー」のパーランです。途中だんだん盛り上がり重厚になっていくのですがしつこくなりすぎないところもグッドです。リトルの重厚で堅実なベースがリズムを支え、リッチモンドのパタパタ感のあるドラムが良いアクセントになっています。B面1曲目の「モンクス・ムード」も同じような感じです。
「サンスポッツ」と「ナイト・ミスト・ブルース」は、今時のピアノ・トリオ・ファンのツボに絶対はまると思うミディアム・テンポの哀愁美メロナンバーです。「サンスポッツ」はワルツなのもツボで、ワルツで小粋にスイングっていうあの寺島さんが好むパターンですよね。新人のピアニスト発掘も良いですが、ベテランのこういうピアノ・トリオを秘かに聴くというのもこれまたオツなものです。
次はビリー・テイラーの「ウォーミング・アップ」(1960年rec. RIVERSIDE)です。メンバーは、ビリー・テイラー(p)、ヘンリー・グライムス(b)、レイ・モスカ(ds)です。これは買うのが後回しになっていたのですが、日本盤中古レコードを安く買って聴いたら良かったので、「JARO」の3月の通販でオリジナル盤を買っちゃいました。人気盤ではないので普通コンディションのモノラル盤が4桁で買えました。これ意外と音が良いのも気に入ったところです。
これはA面1曲目からもうスインギーで聴いていてとてもウキウキ・ワクワクしてしまうのです。ブギウギ系というのでしょうか?ちょっと古いタイプの弾き方なんですがイイんですよこのスイング感。2曲目はスローでこれがまたスインギー、普通のもうとにかく聴いていて気持ちの良いメロディーです。3曲目はゴスペル調のご機嫌なスイング・ナンバーで快調に行きますが、ホレス・シルバーのようにコテコテにならないところがまた良い!4曲目はしっとりスローなナンバーでスインギー・・・と、スイング!スイング!で約2分半の曲がもう次から次へと続き、あっという間にA面が終わってしまいます。
B面も同じように全編スインギーです。そして全12曲ビリー・テイラー作です。すばらしい!このアルバムは聴いておいて損はないと思いますよ。誰が聴いても素直に楽しめるんじゃないかなあ~。こういうのを知っているってなかなかツウな感じなのでは?
こういうのを聴くとジャズ喫茶のオヤジ恐るべしということになってしまうのです。
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