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300B真空管アンプ

かつては憧れの、今は簡単に手に入る真空管300Bのシングルアンプを改造しました。

今使っているシャシーはいろいろな真空管や出力トランス(OPT)を使って何度か組替えています。その変遷は、真空管:12E1+OPT:パートリッジTK7711、真空管:PX25+OPT:タンゴUー808、真空管:300B+OPT:タンゴU-808、真空管:300B+OPT:タンゴXE-20Sです。 電圧増幅回路は、12E1の時が6SL7のSRPP1段、PX25の時がECC33の2段(浅野アンプR120シングルの回路)でした。

PX25は10年くらい前に秋葉原のキョードーでバラ売り特価:@¥35,000だったので買ったものです。メーカーはオスラムとザエリックスでした。出力は6Wくらいしか出ませんでしたがその重厚(雄渾)な音には惚れ惚れするものがありました。それが4年くらい前に1本異常放電するようになってしまい、アンプはしばらくそのままになっていました。

300Bのアンプは4台くらい作りました。最初はゴールデンドラゴン(GD)の4300Bを秋葉原の三栄無線(私と真空管アンプとの出会いの店、今は閉店して通販のみ)で買って作りました。 その後ウエスタンエレクトリック(WE)の300Bが再生産され、秋葉原ラジオデパート3階奥のお店で木箱に入っていないものがペアで¥75,000と安く売っていたので、買って少し気合を入れたアンプを作りました。

P199_3 OPTはタンゴのXE-60-3SNFで、回路は松並さんの6AH4パワードライブ式グリッド・チョーク自己バイアスでした。元々はNFB無だったのですが、音が気に入らずNFBをかけると低域発振が起き、カップリング・コンデンサの値を変えても不安定で-6dBくらいしかかからないので、結局前段B電源にチョークを移してRC結合にしてしまいました。

P204 その後雑誌の評価が高かったKRのVV300Bを秋葉原のクラシックコンポーネンツで買って、OPTがタンゴFW-20Sの固定バイアスアンプを作ったのですが、こちらはヒーターを直流点火してもハム雑音がなくならず、GD4300BやWE300Bに挿し替えるとハムがないことから、VV300B固有の問題だろうと言う事でしばらく使って諦めました。音そのものは球のしっかりした構造と厚いガラスによるものと思われる重厚なもので良かっただけに残念です。

P200 このアンプは12E1三極管結合自己バイアスアンプに改造しました。12E1の3結は出力が8Wくらい出てパワー感と繊細感がバランスした良い音でした。12E1という球は傍熱ビーム4極管であまり人気がなく安いので、コスト・パフォーマンスが高いアンプが作れます。直熱3極管にこだわらなければオススメの球です。

P201 更にfullmusicの300B(2.5V)も買いました。こちらはプレートに孔が開いている擬似メッシュプレートだったので、ヒーターが透けて見えてきれいでした。これが見たくて買ったのです。音は響きの良いすっきりしたものでした。これはWE300B用アンプのヒーター電圧をスイッチで切り替えられるようにして挿し替えて楽しんでいました。

3年前にアンプが増えすぎたので整理しようということで、上記のWE300B用アンプと12E1アンプはばらして、トランス類と真空管(GD:4300B,KR:VV300B,fullmusic:300B,12E1)はオークションで売ってしまいました。我ながらよくもまあいろいろやったものです。

真空管WE300Bは残したのでこれ用のアンプとして、PX25アンプを改造することにしました。改造といっても電圧増幅回路はそのままで300B用に自己バイアスの回路定数を変えただけです。300BはPX25に比べドライブ電圧がかなり高いので不安がありましたがギリギリO.K.でした。でもギリギリというのが気になっていました。

やっと本題、このアンプの改造の話です。このアンプは電圧増幅管の実装スペースがGT管1本分しかないので、どうやってドライブ電圧が高いアンプを作ろうかと思っていました。6SL7のSRPPというのもあるのですが、前にやった時にはパワー感が出にくかったので気に入りませんでした。

300Bアンプが紹介されている雑誌はたくさん持っているのですがどれもピンときませんでした。今までチェックしていなかった「管球王国」(私は「真空管アンプ大研究」から全号所持)を最近調べたら、21号の記事「マイ・ハンディクラフト」の上杉さん設計アンプ「TAP18」が12AU7、1本で電圧増幅を行っているではありませんか。ということでこの回路に決定しました。

P202 ついでに12AU7じゃあつまらないので同じような特性のヘビーデューティ管5692(以前別のアンプで使用して保管していた、今は値段が高騰)を使用することにしました。増幅部に使う抵抗やコンデンサは手持ちがありましたが、B電源のデカップリング抵抗がちょうど良い値のものが無かったので、ブログに書いたようにわざわざ秋葉原まで買いに行ったというわけです。

P203 最初、電圧増幅部のデカップリング用ブロックコンデンサの耐圧が足りないのに気付かず、危うくそのまま使ってしまうところでした。交換はめんどうでしたが高耐圧のものに交換しました。ヒーターはトランジスタのリップルフィルタ(武末アンプ方式)による直流点火でハムバランサーは入れていません。固定抵抗による中点にバイアス抵抗(DEALの巻線抵抗)を接続しています。NFBは-9.2dBかけています。

このアンプのタムラ電源トランスは最初OPT:TK7711に合わせてブルー・ハンマートーンに塗装していたのですが、OPTをU-808に変えたときにグレー・ハンマートーンに塗り替えました。ただ塗装が厚くなったからなのか縮み塗装のような感じに仕上がってしまいかえって気に入っています。電圧増幅部のB電圧にもチョークが入っていますが、これは白色だったものを艶消し黒色に塗装しています。

出来上がったアンプの音はECC33の時よりパワー感が増した厚い音で気に入りました。アンプの電気特性確認は、日本オーディオの測定器UA-1Sと韓国製の安いオシロスコープを使って行っています。前はf特や歪みを測定してグラフ化していたのですが、今は正弦波と矩形波を入力して出力の波形を見ればだいたいわかりますので、それで済ましています。

ドライブ電圧が上がれば出力も増加すると思ったのですがそうでもなく最大出力は7.5W(クリップ無)でした。多分電源トランスの電流容量が足りないのでしょう。まあこれでよしとします。リップルフィルタ入り直流点火なのでハム雑音はかなり小さいです。ろくに測定もせずにアンプを自作する方がいるようですが、最低限の電気特性は確認すべきだと思います。

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