神田神保町「EAST RECORD」
毎年、全国のCD・レコード店を紹介した「レコードマップ」という本が出版されますよね。あれを見て東京のレコード店巡りをするのはとてもおもしろいんです。まあいろいろなお店があるのですが、そんなお店の中から今日は東京神田神保町にある「EAST RECORD」を紹介します。
お店の場所は地下鉄神保町駅の上の交差点の北東の角辺りのビルの4階です。なんとも殺風景なお店でビルの1室にレコードを入れた箱がずらりと並んでいるだけです。売っているのはレコードのみでCDは売っていません。扱うジャンルはジャズ、ジャズ・ボーカル、ソウル、レアグルーブなどです。ここで買ったレコードを2枚ほど紹介します。こういうレコードがあるということでお店の色が分かってもらえると思います。
まずは盲目のサックス奏者ローランド・カークの「カーカトロン」(1977年、Warner Bros.Records)です。メンバーはローランド・カーク:sax,etc、ヒルトン・ルイス:key、リチャード・ティー:key、コーネル・デュプリー:g、他です。カークの後期作品でレオン・ラッセルの「ディス・マスカレード」をやったりしていてフュージョンの範疇ですね。このアルバムは表面的な部分はどうあれ、泰然自若の境地で演奏を楽しむカークのプレーを聴き手がどう受取るかに尽きると思います。一流のエンターテインメントであることは間違いありませんので是非御一聴を!
次はカルロス・ガーネットの「ザ・ニュー・ラブ」(1977年rec. MUSE RECORDS)です。メンバーはカルロス・ガーネット:ts,ss,vo、日野皓正:tp、アルフォンス・ムザーン:ds、ジョー・ボナー:key、ジョン・リー:b、ギレルメ・フランコ:per、他です。ご存知のとおりカルロス・ガーネットと言えばマイルス・バンドにいたサックス奏者です。このアルバムは「スピリチュアル・ジャズ」とかいうタイトルの本に載っていました。A面はなんともトロピカルな感じのお気楽曲が並び、ヒノテル、ナベサダが当時やっていたようなフージョン路線です。そのヒノテル自信も参加しているんですけどね。一方B面は「メモリーズ・オブ・コルトレーン」をはじめスピリチュアル・ナンバーが並んでいて、ガーネット、ヒノテルが気合の入ったプレーをしています。1枚で2度おいしい?アルバムになっています。
最後にキース・ティペット・グループの「デディケイテッド・トゥ・ユー.バッド・ユー・ワーント・リスニング」(1971年、Vertigo Records/Repertoire Records)です。メンバーは、キース・ティペット:p,elp、エルトン・ディーン:as,saxello、マーク・チャリグ:cor、ニック・エバンス:tb、他です。これはお店でかかっていたのを聴いてカッコ良かったので、店員さんに誰のアルバムなのか尋ねてその後CDを買ったものです。このときキース・ティペットの存在を初めて知りました。店員さん曰く「レコードは高いのでCDを買ったほうがいいですよ」と、後でわかったのですがこのレコードのオリジナル盤はかなり高額なんですね。その時お店でかかっていたのは多分オリジナル盤だと思います。さて内容はというと、当時のUKジャズのレベルの高さを表したものですね。タイトなビートにのってホーン陣やキース・ティペットがフリーも消化したワイルドでとにかく熱いソロをとります。スピリチュアルかつかなり濃厚なもので軽さなんか微塵もありません。
スピリチュアル・ジャズ・ファンは「EAST RECORD」を一度訪ねてみて下さい。
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