欧州ピアノ・トリオ&米サックスの共演
ピアノ・トリオについでワン・ホーン・カルテットものも人気があるようですが、そんな中からヨーロッパの人気ピアノ・トリオとアメリカの中堅サックス奏者が組んだアルバムを2枚紹介します。ふとCD棚を見て適当に選んだという感じです。FM東京の「山下達郎サンデーソングブック」の「棚から一掴み」的な発想かな。甲府に来てから「山下達郎サンデーソングブック」が聴けないのが残念です。奥さんの竹内まりやをゲストに招いて年に2回やる「夫婦放談」なんか最高に笑えて和むんだけどなあ~。FM富士で中継放送してくれないかな?
まずはLTC+マーク・ターナーの「Hikmet」(2005年、Via Veneto Jazz)です。メンバーは、LTC=(ピエロ・ルッス:p、ロレンツォ・トゥッチ:ds、ピエトロ・チャンカグリーニ :b)+マーク・ターナー:tsです。LTCはクラブ・ジャズ方面で人気がありますね。昨年末にはLTC名義のアルバム「ア・ディファレント・ビュー」を出していますがまだ聴いていません。一方マーク・ターナーはここのところリーダー・アルバムもなく、他人のアルバムへの参加もあまりないようですね。どうしたんでしょう。Amazonで購入できます。
さて本アルバム、一言で言うと王道ワン・ホーン・カルテットでしょう。LTCはヨーロピアン・ピアノ・トリオの叙情的なものではなく、若干荒っぽい感じがあるくらいグイグイドライブしていくところが良いですね。そのうえメロディアスです。こういうところがクラブ・ジャスに受けるんでしょう。このグイグイドライブしていくところがマーク・ターナーのダイナミックなプレーを引き出していてなかなかのコンビネーションだと思います。マーク・ターナー自身のアルバムではダイナミックな吹奏であってもどことなく窮屈な感じがあるのですが、それがなく開放的に聴こえるのが良いと思います。メンバーの自作曲もいたってわかりやすいです。私の好きな曲「スカイラーク」をやっていますが、これはかなりの高得点をつけられます。
次はイワン・ポダート・トリオ+リック・マーギッツァの「スティル」(2001年rec. A-RECORDS)です。メンバーは、イワン・ポダート:p、ステファン・リーヴェストロ:b、ミミ・ヴァーダラム:ds、リック・マーギッツァ:ts、ssです。イワン・ポダートは「クレール・オプスキュール」(1997年rec. A-RECORDS)あたりから注目されたピアニストだと思います。リック・マーギッツァは自身のアルバムもたくさん出している中堅実力派サックス奏者ですね。Amazonで購入できます。
さてこの組合せやいかに。何というか手堅くまとまっていて優秀です。ポダートはビル・エバンスの流れを汲む正統派の欧州ピアニストだし、マーギッツァは王道主流派サックス奏者で、それぞれ技術はしっかりしていますからこういう優秀なアルバムができるということになるのでしょう。相性も良くとにかく聴いていて安心感があります。それ故ちょっと危険だが凄く惹かれるというようなところはありません。全曲オリジナルですがポダート、マーギッツァ共に難解な曲(1曲はヴァーダラム作)はないので聴きやすいです。マーギッツァ作「リセント・ディベロップメント」はクールかつほのかな哀感のメロディアスな曲でイイですね。万人に薦められるワン・ホーン・カルテット作だと思います。
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