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新旧高音質レコード

約30年前、私のオーディオ第一次最盛期に愛読したオーディオ誌に「サウンドメイト」という雑誌がありました。この雑誌には度々アンプとかスピーカーの比較試聴記事があって、当時売られていた機器を一同に集めて3人のオーディオ評論家が採点と批評をしていました。この批評が良い悪いについて結構はっきり書いてあり、”まあ良い”的な表現ばかりのオーディオ雑誌の批評とは一線を画していたと思います。これが好きで当時高校生の私は愛読していました。

当時は月々の僅かなお小遣いとお正月のお年玉が私のオーディオ資金だったため、安い機器しか買えずもっぱらオーディオ誌を読んで夢を膨らますばかりでした。そこそこの機器が買えるようになったのは大学に入ってバイトをするようになってからです。オーディオ機器を購入した店はと言えば、そう甲府のオーディオ専門店=「丹沢電機」です。今の場所に建て替える前の狭い店の2階で試聴して買いました。ここは今でもオーディオ機器を扱っている貴重な店ですね。

当時は中心街のダイエー(現オギノ)や駅北口にあった第一家電(今は平地)にも広いオーディオ機器売り場がありました。懐かしすぎる!そう言えば大学の時「ダイエー」がリニューアルするというので数日間バイトをしに行って、南東の階段の手すりに白ペンキを塗ったとか、帰る時に裏の店員用エレベーターが階の途中で停止してしまってビビッた記憶とかがあります。

話を「サウンドメイト」誌に戻すと、比較試聴記事のオーディオ評論家は故高島誠先生、藤岡誠先生、増田一郎先生などがいました。なかでも私は高島先生の批評に共感していました。亡くなられたというのを聴いた時には本当にショックを受けました。

さて、やっと本題の新旧高音質レコードのお話です。

P136 まず「サウンドメイト」誌で批評していたヴァイブ奏者兼オーディオ評論家の増田一郎の「ハロー・ドーリー」(1981年rec. ロブスター企画)です。当時、高音質レコードを制作していたロブスター企画のダイレクト・カット盤で、パイオニアが技術提供と音楽監修をしています。レコーディング・エンジニアは及川公生(ウェブ・サイトJAZZ TOKYOでオーディオ記事を書いている方)です。

メンバーは、増田一郎:vib,Marimba、根本慶子:p、遠山晃司:b、清水閏:dsです。クロス・マイクセッティングという方法で録音が難しいヴァイブラフォンをクリアに歪み感なく録っています。ダイレクト・カット盤共通の硬さがなく芯のしっかりした音です。演奏は日本のヴァイブラフォンの第一人者増田一郎ですから悪いはずがありません。アップ・テンポの曲ではスインギーで快適な演奏、バラードも暖かく味わいのある演奏になっています。根本慶子のピアノも好演しています。全曲皆さんよくご存知のスタンダードナンバーです。

P137 次は寺下誠トリオの「イーハトーヴ」(1997年rec. 東京サウンド・シティー・プランニング)です。レコーディング・エンジニアは神成芳彦、カッティング・エンジニアは小鉄徹というスリー・ブラインド・マイス時代の黄金コンビです。マイク・ミキサーの出力を直接アンペックスのテープ・レコーダーで2トラック録音しています。デジタル機器は介在していません。それをレコード・テクノロジー・インク(RTI)でHQ-180g重量盤にプレスするという凝ったレコードです。メンバーは、寺下誠:p、山下弘治:b、田鹿雅裕:dsです。これは秋葉原の石丸電気で見つけて買いました。販売数量はとても少ないはずなので買っておいて良かったです。

音はダイナミック・レンジが充分に確保されていて、シンバルのキンキン芯のある高音から「ブンブン」のベースや腹にくるバスドラの「ズドッ」までしっかり録れています。ピアノやスネアなどの中音も決して薄くなりません。かつ硬くならず非常に自然に録れています。アナログでも今やここまでの高音質で録れるんですね。演奏のほうは3人の息があった力強いもので、寺下誠のピアノはタッチがカッチリしていて腰の据わったなかなか重厚な演奏です。ベースとドラムもカッチリサポートしていてなかなか聴き応えのあるアルバムに仕上がっています。寺下作のタイトル曲の他はスタンダード曲を演奏しています。音質のみで語る必要はないですね。このレコードは吉祥寺のディスクユニオンのオーディオ売り場に視聴用として置いてあるのを見かけました。

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