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「KIKI BAND」in甲府「桜座」

昨日久々に甲府「桜座」でライブを観てきました。「DEMAGOGUE! KIKI BAND Japan Tour 2008」のライブです。「KIKI BAND」はサックス奏者の梅津和時さんが率いるバンドですね。そのメンバーは、梅津和時(as,cl)、鬼怒無月(ag,ag)、早川岳晴(eb)、ジョー・トランプ(ds)です。昨日のライブは途中休憩をはさんでの2セット、アンコールを含めて約2時間半のステージでした。客の入りは20名強、オジサンが多かったです。バンドのイメージからもっと若い人が来るのかと思いましたが意外でした。ちなみに私はこのバンドを聴くのは初めてです。

Live11バンドのサウンドは一言でいえばインスト・ロック・フージョンでしょう。早川さんのうねるファンク・エレキ・ベースとトランプさんのタイトでヘビーなドラムがつくる気持ちいいグルーブ・リズムの上で、鬼怒さんのヘビメタ・ロック・ギターと梅津さんの歌謡曲調泣き+アバンギャルドなサックスが自由に歌うという感じですね。

鬼怒さんのテクニックは凄いですね。切れのいいカッティング、オクターブ奏法、スチール・ギター風奏法、そして速弾きとエフェクターを使いながらピックでも指でもあらゆる奏法で自在に弾いてしまいます。そして飄々といとも簡単に弾いてしまうのがかなりカッコイイですね。曲名は忘れましたがベース・ソロのバックでスクラッチ風の音を出していたのがおもしろかったです。

Live15 早川さんはチョッパーとかはやらず、ひたすらグルービーなファンク・ベースを弾きます。マイルスのところでやていたマイケル・ヘンダーソンのような感じですかね。アンコールの最中に上から2番目の弦が切れちゃいました。ベースの弦が切れるのなんて初めて見ました。驚きのベースです。トランプさんのドラムはパワフルでヘビーですが、ドラムだけが目立つようなことはなく、ベースと一緒に気持ち良いリズムを作ることに徹している感じでした。そうそうツイン・ペダルのバスドラ連打とかは気持ち良かったなあ。

梅津さんが今日これが一番難しい曲だと言っていたトランプさん作の「Black Jack」はノリにくい変拍子の曲ですが見事にカッコ良くきまっていました。さすがですね。 梅津さん作の「Nowhere House」は梅津さんがクラリネットに鬼怒さんがアコースティック・ギターにもちかえてやった唯一の曲ですが、さわやかで雄大なイメージの曲(ユダヤの響きも感じられます)で、クラリネットとアコギが良かったですね。クラリネットのソロでサーキュラー・ブリージング(循環呼吸)も使っていましたが、実際に演奏しているのを見たのはこれが初めてです。

Live14_4 早川さん作の「Rumba Del Acantilado」は、ムード歌謡的な脱力感あふれるテーマとヘビメタ・ギターの組み合わせのおもしろい曲で、こういう曲での梅津さんのアルトはいい味だしますね。 鬼怒さん作の「We have no Banana!!!」などではドライブの効いたギンギン・ギターがとにかく気持ち良かったです。 このバンド、以上のように作曲もメンバー全員でやっているのですが、出てくるサウンドには梅津さんの志向するものが感じられました。

ステージ衣装も、梅津さんの昭和チンピラ風スーツ、鬼怒さんの黒皮パンツにTシャツというギター・キッズ風、早川さんのバンダナかぶりのラッパー風と、それぞれ個性が出ていておもしろかったです。そして演奏はヒート・アップしてもやっている方は至ってクールというのがまたカッコ良かったですよ。

P155例によってライブ終了後、最新アルバム「デマゴーグ」を買って4人にサインをもらいました。ちなみにサインは内袋のほうにもらいました。楽しいライブでした。
「桜座」は今話題の旬なジャズ・ミュージシャンを呼んでくるので、ジャズ・ファンの方は要チェックです。http://www.sakuraza.jp/

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