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2008年3月

ブラウン=ローチ五重奏団

昨日は「いーぐる」の連続講演「21世紀ジャズへのいくつかの補助線~第4回・即興について」に行ってきました。このシリーズは第1回から全て参加したのですが、いよいよラストということでした。約1年かけて終了を迎えるわけですが、得られたものはとても多かったです。昨日の内容も面白かったのですが今なぜかちょと書く気にならないので後日書こうと思います。講演の内容などについては「いーぐる」のブログhttp://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.htmlを参照願います。

今日はブラウン=ローチ五重奏団のアルバムについて書こうと思います。言わずと知れたハード・バップ期の名コンボです。クリフォード・ブラウンのこれぞジャズというトランペットが聴けます。ブラウンは音色、テクニック、フレージングなどどれをとっても文句のつけようがないジャズを代表するトランペッターの一人ですよね。この人が交通事故で若くして亡くなってしまったのは本当に惜しいことです。このブラウンと名ドラマーのマクス・ローチが組むわけですから良いに決まっています。

P173まずは「モア・スタディ・イン・ブラウン」(1983年、EmArcy/日本フォノグラム)です。メンバーは、クリフォード・ブラウン(tp)、ソニー・ロリンズ(ts)またはハロルド・ランド(ts)、リッチー・パウエル(p)、ジョージ・モロー(b)、マックス・ローチ(ds)です。

このアルバムは1983年当時、小山紀芳さんが米マーキュリー・レコード(ポリグラム社)のテープ保管庫のマスター・テープから発掘した未発表テイクをアルバムにしたものです。私は当時ジャズを聴き始めて2年目で、ブラウン=ローチ五重奏団としては初めて買ったアルバムです。なぜか発掘盤を最初に買ったのです。次に買ったのは「スタディ・イン・ブラウン」ですがだいぶ後になってからのことです。タッド・ダメロン作「フロッシー・ルー」が好きな曲です。

最近、雑誌「管球王国」の記事「いま再びアナログワールドへ、ジャズを充分に愉しむための良質で手頃な国内盤を聴く」で上記アルバムが紹介されていて、このアルバム・タイトル「モア・スタディ・イン・ブラウン」は当時日本フォノグラムに居た新忠篤さん(管球アンプ製作者・オーディオ評論家として有名な方)が名づけたと書いてありました。新さんはクラシック関係の仕事ばかりだと思っていたので意外な事実でした。

そんなことで久しぶりに聴いてライナーノーツを読んだら次のようなことが書いてありました。「米マーキュリー・レコードに保管されていた”オリジナル・テープ”からデジタル録音機に直接コピーしたマスター・テープによって新たにマスタリングされています。今までに誰もが聴いた経験のない”純粋なオリジナル・マスター・クォリティ・サウンド”が完全に姿を現しています。」

P174 次は「スタディ・イン・ブラウン」(1955年rec. EmArcy/日本フォノグラム)です。メンバーは、クリフォード・ブラウン(tp)、ハロルド・ランド(ts)、リッチー・パウエル(p)、ジョージ・モロー(b)、マックス・ローチ(ds)です。これは説明不要の名盤ですね。必聴です。

「モア・スタディ・イン・ブラウン」が発売された際に、従来のアルバムも上記のマスタリングがされて再発(オリジナル・エマーシー・コレクション)されました。「スタディ・イン・ブラウン」は輸入廉価CDを持っていたのですが、この年代のものはレコードに買い替えました。更に今回、上記の”純粋なオリジナル・マスター・クォリティ・サウンド”が聴いてみたいと思っていたら、ディスクユニオンで中古盤(ジャケット裏少汚れ)が¥840で売っていたので即買いました。もうひとつこのシリーズの特徴としてジャケット表にコーティングがかかっているのも良い感じです。

今日はこんなところでおしまいです。

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ローカルネタですみません。

NHK甲府が宝寿院で何の取材をしていたかわかりました。「金曜山梨、パズルでGO!」の「市川三郷町」の取材でした。4月11日に放送するらしいです。

P170_2取材風景1。森アナご住職とお話中。左はカメラマンさん。




P171取材風景2。カメラマンさんご住職とお話中。左はカメラ助手兼音声さん。森アナの後ろ姿、茶髪がきれいです。この3人だけで取材しています。
今時のTVカメラは小さいんですね。あんなのできれいな映像がとれちゃうんです。

P172 宝寿院は少し高いところにあるので見晴らしが良いです。遠くに八ヶ岳を望み、手前半分からちょと左に見えるコンクリートの部分が市川本町駅のホームです。


ジャズとは関係のないローカルネタですがよしなに。明日はジャズネタを書きます。

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花見の季節がやってまいりました。

今日、甲府はソメイヨシノが満開になったとういことで、花見のレポートなんぞいかがでしょうか?身延線市川本町駅向いの宝寿院のしだれ桜を見てきました。おとといUTY「ニュースの星」で紹介していました。

P163お寺の境内に入ったところです。左側に写っているのがお目当てのしだれ桜です。バックの青空もきれいです。境内には数人の花見客もいました。


P164このしだれ桜は夢窓国師が母の追善供養のために手植えしたんだそうです。満開ですね。きれいです。
おや?NHK甲府の取材陣が・・・!


P165森花子アナではありませんか!ご住職とお話中です。勝手に写真を撮らせていただきました。失礼! 「森花子」てなんとベタな名前なんでしょう!ネット検索したらすでにファンがいるようです。クール・ビューティーと言われていますが、まさにそのとおりですね。桜の花にベスト・マッチです。

P166 桜の花に囲まれてお地蔵さん達も気分が良さそうでした。
NHK甲府の取材陣と言っても、森アナとカメラマン(兼ディレクター?)とカメラ助手兼音声さんの3人だけです。地方局の取材はつつましいんですね~。

P167鐘楼と桜です。ここの鐘、享保8年(1720年)に鋳造されたそうです。
鍛造にあたり数万の善男善女が金・銀の指輪、髪飾等供養のため寄進、そのためこの鐘は妙音を発し、甲斐の名鐘の一つに数えられているとのことです。





P168こちらは室町時代の偉大な造園芸術家、夢窓国師が築庭した庭です。「須弥山式」庭園で壮年期の作だそうです。
左上石柱の後ろは天然記念物「コノデガシワ」です。
明日は天気も良さそうなのでお花見に出かけてはいかがでしょうか。

P169_2 お花にちなんで1枚紹介します。残念ながら桜の花のジャケットはありませんでした。これは蓮の花ですが、仏教つながりと言うことでよしとしましょう。サブラマニアムの「ブロッサム」(1982年、Crusaders Records)です。メンバーは、サブラマニアム(vl,el-vl)、ラリー・コリエル(g)、ジョージ・ケイブルス(p,key)、ハービー・ハンコック(key)、スチュ・ゴールドバーグ(syn)、ジョン・ハンディ(as)、リッキー・ローソン(ds)他です。

フュージョン・バイオリニストのアルバムですね。なかなか快適なアルバムです。ケイブルスやハンコックのピアノやローズのソロがなかなかイカシテます。B面はインドが入っちゃってる曲もあるのですがご愛嬌ということで・・・。これは輸入盤ですが、日本ビクター・プレスでスーパー・ビニールを使った高音質盤ですね。昔FMラジオで聴いて印象に残っていたアルバムということで、ずっと後になって数百円(フージョン・レコードは安い)で買いました。

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オークションで落札したスピーカーの話。

私は一時期Yahooオークションをかなり利用していました。昔雑誌で見て気になっていたオーディオ機器が数千円でごろごろ出ていたので、状態はそれなりなんですけどついつい落札しちゃうという感じで、アンプなんか20台以上落札しました。しばらく使用するとまたオークションに出品してしまうんですけどね。何台かはメンテナンスしたりもしました。昨年くらいからそんな熱も冷めて今はほとんどオークションに参加していません。

サブシステム用のスピーカーもオークションで入手しては何回か入れ替えています。今はDENONの「SC-101」を使用しています。サブシステム用のスピーカーは真空管アンプで鳴らしていてメインスピーカーの上に乗せるということもあって使用できるものは制限されてしまうんですよ。

さてスピーカー「SC-101」もオークションで入手しました。これは東京向島のリサイクル店が出品していて、最初は\10,000で出品されていました。これは高すぎるから売れないだろうなと思っていたら案の定売れませんでした。さらに前面の保護ネットを取り外した状態の写真が無いため、スピーカーユニットの状態がわかりません。ありがちな問題はツイーターのドームのつぶれやウーファーのエッジの破損(ウレタン製エッジだと経年変化で朽ちてしまう)です。一度質問したのですが返答もありませんでした。

ある時まだ出品しているの?と見ていたら価格が\3,000になっていたのです。ユニットの状態に不安がありましたがこの価格ならいいか?とダメもとで落札しました。ちゃんとしたお店からの出品なので、商品の状態はちゃんと確認しているだろうと思っていました。いざ商品が届いてみるとウーファーのエッジはぼろぼろで使用不能です。しょうがないのでお店に事情をメールすると全額返金するというのです。なかなか良心的なお店です。でもそれはあんまりなので\1,000にしてもらって\2,000返金してもらいました。それにしても私ってセコイ!

P162 さてこのスピーカーどうしよう?と少し悩んでウーファーのエッジを自分で張替えることにしました。少々不安はあったのですが・・・。エッジはオークションに出品されているものを入手しました。スピーカーのサイズを測ったらJBL4301用が使えそうで値段は\5,400でした。エッジの張替えですが気をつけなければいけないことがあります。それはコーン紙のセンターを正確に合わせることです。そうしないとウーファーが大きく振動した時にコーン紙とつながるヴォイスコイルが磁気回路に擦れ異音が発生するからです。

オークションに出品されているスピーカーで、エッジを自分で張替えたというものには注意が必要です。余程慣れていないとヴォイスコイルの擦れが発生してしまいます。それでも黙って出品している人がいるのです。オークションはこういうこと以外にも怪しげなものがたくさん出品されているので注意が必要です。

張替え作業はというと、最初にコーン紙とフレームからエッジの残り部分を除去することから始めます。これはアルコールを使ったりしたら意外と簡単に除去できました。いよいよ新しいエッジを接着するのですがなかな難しかったです。エッジ張替えキットの接着材はゆっくり硬化するので、硬化するまでの間にコーン紙を押してヴォイスコイルの擦れの有無を確認しながら接着する位置を決めるというのですが微妙な作業です。

擦れがないように出来たつもりでしたが、接着材が固まってからいざ音を出してみると、低音が多く入っている曲をかなりの大音量でかけた場合、一方のスピーカーのヴォイス・コイルが少し摺れているようでした。まあ普段はそれ程大きい音で聴かないので、そのまま使用しています。張替え後の状態は写真を参照して下さい。一方のウーファーのセンターキャップには凹みもあったので出来る限り修正もしました。このスピーカーの音はなかなか私好みのバランスなんですよ。そろそろ1年使用しています。

そうそう「ジャズ選曲指南」掲載アルバム集めのライバルであるTommyさんのジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」が沖縄でプレ・オープンして大盛況だったらしいです。沖縄コザのジャズがブレイクする可能性もあるのだとか。ジャズが盛んになる。いいことじゃありませんか!皆さん。http://ameblo.jp/tommy-tdo/

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やっと入手、あっさり入手。

今日はやっと入手できた1枚とあっさり入手できた1枚を紹介します。どちらもトロンボーンがリーダーのアルバムです。

P160まずはいろいろあってやっと入手できた1枚。スライド・ハンプトンの「ライフ・ミュージック」(1972年rec. Carosello/サウンドヒルズレコード)です。メンバーは、スライド・ハンプトン(tb)、ギド・マヌサルディ(p)、ジョルジオ・アゾリーニ(b)、ジャンカルロ・ピロット(ds)です。

このレコードを初めて聴いたのはジャズ喫茶「いーぐる」でした。気に入ったのでジャケットとタイトルを覚えて探し始めました。いつものごとくディスクユニオンを探していたのですがなかなか見つかりません。そんなある日、吉祥寺ディスクユニオンでコンディションA/Bのものを見つけたのですが、値段が\9,000くらいだったので買うのを躊躇しました。その後も何度かディスクユニオンへ買いに行ったのですが、これが棚に入っているのは見たのですが結局買うには至りませんでした。

そのうちに中古品値引きセールがやってきました。最初は確か10%OFFだったと思います。一応見に行ったらまだ売れていませんでした。でも次の週には20%OFFになるというメールが来ていたのでその日が来るのを待っていました。いよいよその日です。お目当ての棚を探していくと・・・あれ?ない!一週間前にはあったのに・・・。もう一度探しました。やっぱりありません。売れてしまったのです・・・。

その後「ジャズ・フロム・イタリー」シリーズの別のレコードは何枚か見かけましたが、「ライフ・ミュージック」はありませんでした。なかばあきらめかけていたが最近になってふとCDになっているかもしれないと思い、Googleで検索したらあるじゃありませんか!それもAmazonで購入できる!ディスクユニオンやタワーレコードでCDも探したのですが無かったんですよ。即注文\2,500+送料! やっと入手できました。

やっぱりイイですね。スライド・ハンプトンのトロンボーンが堪能できるワン・ホーン・カルテットです。2曲目のバラードはベースとのデュオで哀愁に溢れつつ淡々と聴かせます。タイトル曲はミュート・トロンボーンとギド・マヌサルディのエレピ(この曲のみ)がこれまた哀感を掻き立てるミディアム・テンポのエキゾティックな佳曲です。他の曲はスライド・ハンプトンの堅実なトロンボーンをギド・マヌサルディ以下のリズム隊がしかりサポートするオーソドックスなものです。これも他のヨーロッパものと同様にアメリカものとは異国な感じがするんですよね。

P161 次はあっさり入手できた1枚。アルバート・マンゲルスドルフの「フォーク・モンド&フラワー・ドリーム(1967年rec. CBSコロンビア/Tropical Music)です。メンバーは、アルバート・マンゲルスドルフ(tb)、ハインツ・ザウアー(ts,ss)、ギュンター・クロンバーグ(as,ba)、ギュンター・レンツ(b)、ラルフ・ヘブナー(ds)です。

このアルバムは後藤さん著「ジャズ・レーベル完全入門」で知りました。マンゲルスドルフはジャコ・パストリアス(b)との「トリローグ」やジョン・ルイス(p)との「アニマル・ダンス」を聴いて気に入っていたので、これも聴いてみたかったのです。探していましたが中古レコードは見たことがありません。CD化されているかどうかについては調べていませんでした。レコードが見つかったら買おうかなと言う感じでした。

最近ディスクユニオンの新譜紹介でCD化されたのを知りました。値段が\3,455だったのでどうしようかな?とためらっていたら、日曜日に吉祥寺ディスクユニオンで何と中古CDが\1,365で出ていたんですよ。ナニコレ!もちろん即買いですよ!普通は発売されて間もないと販売価格に近い値付けがされているはずなのですが・・・?帰って物を見たのですが新品同様なんですよ???こういうラッキーもあるんですね~。

内容は凄くイイです。今の感覚からすればフリーではないと思います。3管+b,dsの硬派ハード・バップです。最初に簡単なテーマーを合奏してからソロを回していくというオーソドックスなスタイルで定型の4ビート・リズムもあります。マンゲルスドルフをはじめソロがカッコイイですなあー。熱いソロなのですが演奏姿勢はとってもクール、ベースは図太くカッチリ、ドラムはタイトかつクールに煽ります。何かドイツの臭いというんでしょうか?澤野工房から出て話題になった「ヨキ・ジャズ」とか「ミハエル・ナウラ・クインテット」とかかと似たような臭いが漂っていると思うのですが、いかがでしょう?私結構好きなんですよね、この臭い。

今日はこんなところでおしまい。

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「あなんじゅぱす」のライブ、補足

そう言えば、私はフォークソング(ニューミュージック)とかミュージカルの過剰気味な感情表現が若い頃はあまり好きではなかったのです。ちょっとクールにカッコつけていたのかもしれない・・・。実は昨日ライブを観ながら、「あなんじゅぱす」にもこういう部分があるのに受け入れられるようになったなあ・・・、なんて第三者の視線で自分を見ていておもしろかったのです。

「あなんじゅぱす」をGoogle検索していたら、誰かのブログに昨日のライブ評があり、「途中から、これはコンサートではなくパフォーマンスなんだと、見方を切り替えました。 う~む、やっぱり、もっと、やりようがあるような。。。」とか書いてあるのを見て、今上記のことを思い出したというわけです。

多分同じ見方をしているのだと思いますが、それをどう受取るかは個人の主観によりますからね。私は「あなんじゅぱす」のやり方、いいんじゃないかと思います。何よりひらたよーこさんの詩に対する思いが自然に出てきていたように見えたからです。けしてギミックではないと思いました。

<追伸>
私が敬意を抱いているジャズ喫茶マスターの寺島さん(面識なし)と後藤さん(面識あり)について、高野雲さんのブログhttp://ameblo.jp/jazzy-life/に面白いことが書いてあり非常に納得しました。私は以前ジャズ喫茶「いーぐる」で行われた高野雲さんの「バド・パウエル特集」にも参加しています。トラック・バックさせていただきますのでよろしくお願いします。

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「あなんじゅぱす」のライブを観てきました

昨日東京吉祥寺の「MANDA-LA2」で「あなんじゅぱす」のライブを観てきました。今回どうして観に行こうと思ったかというと、ジャズ喫茶「いーぐる」のイベント後の打ち上げに「あなんじゅぱす」http://homepage3.nifty.com/unangepasse/を主宰するひらたよーこさんが今回の公演のチラシを持ってきたからです。「あなんじゅぱす」については「いーぐる」でも話題になっていて気になっていたし、今回はライブが日曜日だし、何よりひらたよーこさんのホンワカした雰囲気を見て歌が聴いてみたくなったのです。

昨日ちょっと井の頭公演を散歩したのですが、桜はほとんど咲いていないのに花見の人がすでに結構いました。来週は花見で大混雑でしょうね。

Live24さて「あなんじゅぱす」のライブ、2008年春のコンサート「タンポポ咲くソングラインに沿って」。私は今まで一度も聴いたことはないので全くの初体験ということになります。まず最初に言っておきますがジャズではありませんからね。 会場のライブ・バー「MANDA-LA2」はそんなに広くないのですがお客さんは結構入っていて、椅子を出したりしての満席状態でした。お客さんの層は高齢の方から若い人までいましたが平均年齢は高めで男女半々くらいの温和そうな紳士淑女でした。あなんじゅぱすの音楽を反映していると言えるでしょう。

「あなんじゅぱす」のメンバーなどについてはプログラムを参照して下さい。主宰者であり歌手、ピアニスト、作曲者のひらたよーこさんの声なんですが、私の貧弱なイメージではアニメの声優さん風のキュートな声に聴こえました。NHK歌のお姉さん風かも?見た目のほんわかしたイメージに合ってるな~。

Live21今回は現代詩に曲をつけて歌っているのですが、曲を後からつけた違和感みたいなものは全くありませんでした。よく考えれば先に阿久悠さんが作詞して、それに合うように都倉俊一さんが作曲するような場合に、詩の意味を汲み生かすように作曲すれば違和感がないのと同じことなんですよね。ひらたよーこさんが詩を生かすように作曲しているんですから良い歌になるのは当然なのでした。プログラムに書いてあるように「詩」が「歌」に生まれかわるのでした。その歌はフォークソングという感じです。

Live22基本的にはフォークソングで、ある時はギルバート・オサリバン(「アローン・アゲイン」で有名なアイルランドのシンガー・ソングライター)風なニュアンスがあったり、ある時はミュージカルの一場面のようなメロディーのある語りだったり(ひらたよーこさんは劇団の俳優さんでもあるのです)という感じで歌が進んでいきました。結構重い内容の詩もあったのですが、今回のテーマ「タンポポ咲くソングラインに沿って」のとおり、春の暖かい日差しのなかを散歩しているようなほんわかした雰囲気に始終包まれていました。「ぽぱーぺぽぴぱっぷ」は楽しかったなあ。それから俳優さんだけあって声のダイナミックレンジと歌の説得力はさすがなものがありました。MCもなかなかでしたよ。

音楽監督、キーボードの只野さんのつくるサウンドはビジュアルなイメージがあり、歌をいっそう豊かなものにしていました。メディア音楽やCM音楽を多数手掛けているだけのことはありますね。ギターのサイトウさん、ドラム・コンピューターの大光さんも曲のイメージを生かすサポートをしていました。

照明が歌を盛り上げるような演出がされていたのですが、プログラムを見たら「構成」を担当する演出家(前田さん)がいたのですね。さすが俳優ひらたよーこさん、演劇がそうであるように照明にも1曲ごとにきちんと演出がされていたのです。この辺が普通のライブ・ハウスで行われるバンド・ライブとは違うところなのではないかと思います。アンコールも含め90分弱のライブでしたがすごく短く感じました。

今回のテーマもあるのでしょうが、ひらたよーこさんのホンワカした雰囲気どおりの心温まるライブでした。楽しい春の夜になりました。帰りに一番新しいCD「とおく」を買って帰りました。今回はサインはもらっていませんよ。「あなんじゅぱす」はそんなに多く活動していませんが甲府「桜座」にも来てほしいなあ。山梨の人に聴いてほしいです。

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TBS「ご起源さん」からデブくんのジャズ

昨日、TBSの番組”ご起源さん”の最後にやったネタ「「デブ」と最初に呼ばれた人は誰?」の回答を覚えていますか?喜劇俳優兼映画監督の「ロスコー・アーバックル」でしたよね。この人の愛称が「fatty:ファッティー」と言うことで、日本語ではそれを「デブくん」と訳していたということでしたね。

この「ロスコー・アーバックル」にインスパイアされてアルバムを作ちゃった人がいます。そうジャズ・トランペッターのデイヴ・ダグラスです。そのアルバム・タイトルは「キーストン」、無声映画を制作したアメリカの映画会社の名前からとったらしいです。「ロスコー・アーバックル」はこの映画会社から作品を出していたとのことです。

デイヴ・ダグラスはアバンギャルド・サックス奏者にしてコンポーザーのジョン・ゾーンの下から出てきた人ですね。今や説明不要の、自らいろいろなグループを率いて活躍しているトランペッターです。

P159 さて「キーストン」(2005年、GREENLEAF MUSIC)ですが、メンバーはデイヴ・ダグラス(tp)、ジェイミー・サフト(wurlitzer)、ジーン・レイク(ds)、マーカス・ストリックランド(sax)、ブラッド・ジョーンズ(b)、DJ・オリバ(turntables)です。楽器構成から分かると思いますが、エレクトリック・バンドです。ダークでレイジーなファンク・グルーヴ・サウンドになっていますが、デイヴ・ダグラスのトランペットとマーカス・ストリックランドのサックスは至ってクールにやっています。ジェイミー・サフトのウーリッツァーがサウンドの色彩を決めていますね。全編にわたりカッコイイ・サウンドになっています。

ここでウーリッツァー(wurlitzer)の補足説明をします。ウーリッツァー・ピアノは、有名なフェンダー・ローズ(rhodes)・ピアノと同じエレクトリック・ピアノです。ジャズ界でエレクトリック・ピアノと言えばフェンダー・ローズになってしまうようですが、ポップスやロックではウーリッツァー・ピアノも広く使われています。この2台のエレクトリック・ピアノは発音構造が異なる(詳細はネットで検索してください)ので、出てくる音色も異なります。私にはウーリッツァーのほうがワイルドな音に感じられます。ちなみに愛称は「ウーリー」なんだとか。

このアルバムには、ロスコー・アーバックルの無声映画「FATTY & MABEL ADRIFT」(1916年作品、日本未公開、34分)に、このアルバムの曲がサウンド・トラックとして使われたDVDも付いています。映画はおもしろいものですがサウンドは合っていませんね。何でこのストーリーにこの曲なの???と言う感じですが、そこがアバンギャルドで良いのかも?

このグループのライブは、スクリーンに映画を上映しながら演奏しているそうですが、映像とは関係なく曲だけ聴いても充分楽しめます。その証拠に昨年にはこのグループのライブ・アルバムが発売されています。私はまだ購入していませんが、購入しようと思っています。

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キャスパー・ヴィヨームの2枚

ディスクユニオン界隈ではそこそこ話題になっていたと思われるピアニストのキャスパー・ヴィヨームの2枚を紹介します。特にどうということはないんですが王道ハード・バップ・アルバムとしてオススメできるものです。これまたいつものごとくアウトレットとネット通販バーゲンで購入したものです。1年落ちでこの手のやつが半額以下で買えるんですからお徳だと思いませんか?

じゃあお前は何を正規価格で買っているのか?と言われれば、メセニーなどの大物の新譜とか、流通の少なそうな再発ピアノ・トリオとか、フレッシュ・サウンド・ニュー・タレントの話題のやつとか、アバンギャルド系で中古に出ないやつとか、日本人のやつとかですね。

P157まずはOLA AKERMAN「オール・トゥギャザー・ナウ」(2005年rec. Calibrated)です。メンバーはOLA AKERMAN(tb)、キャスパー・ヴィヨーム(p)、ダニエル・フランク(b)、アンダース・モゲンセン(ds)です。トロンボーン・ワン・ホーン・カルテットですね。キャスパー・ヴィヨームが入っていたことと、ジャケットのOLA AKERMANがやってくれそうな感じだったので買いました。これは流通量が少なそうです。

10曲中9曲がOLA AKERMANの作です。自作曲どれもがオーソドックスなバップの佳曲というのは今時珍しいのではないでしょうか?小難しいコード進行や変拍子がないんですよ。それで意外と飽きないところがミソです。寺島さんが喜びそうですね。トロンボーンのプレーはなかなかパワフルでおおらかです。テクニックも必要にして充分だと思います。さてキャスパー・ヴィヨームのプレーですが、一言で言うとメロディアスでスインギーです。小難しいことはやらずにおおらかにピアノを弾いています。ラストはOLA AKERMANとキャスパー・ヴィヨームのデュオでこれがまた寛げます。と言うことで緊張感などはなくゆったり安心して聴けるアルバムになっています。

P158次はキャスパー・ヴィヨームの「ハンズ」(2005年rec. STUNT RECORDS)です。メンバーは、キャスパー・ヴィヨーム(p)、クリス・ポッター(ts,ss)、クリス・ミン・ドーキー(b)、アリ・ジャクソン(ds,per)です。こちらは現在の注目どころを揃えた豪華メンバーによるワン・ホーン・カルテットです。このメンバーですから出てくる音は悪いはずがありません。「ジャズ批評」誌のジャスジャケト・ディスク大賞2006の9位ですが、そんなことはどうでも良いことです。この賞、私は一部の人間の自慰行為に過ぎないと思います。これはAmazonで購入できます。

このアルバムは現代ハード・バップ推薦盤ですね。キャスパー・ヴィヨームはやっぱりメロディアスでスインギー、難しいことはやっていませんが、クリポタに触発されてか結構気合が入っています。キャスパー・ヴィヨームは繊細とか耽美的とかブルージーとか熱いとかはなく、趣味の良いピアニストと言うのがあっているような感じがします。クリポタは当たり前ですがイイですね。この人も凄い緊張感を持って望んではいないと思いますが、ソロをとっているうちに気合が入ってしまうようです。現代を代表する実力派サックス奏者ですね。どのアルバムでもいいかげんなプレーは無く良いプレーをしていると思います。クリス・ミン・ドーキーとアリ・ジャクソンもがっちりサポートしています。

今日はこんなところでおしまい。

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サックス・ワン・ホーン・カルテットの白熱ライブ盤2枚

今日はサックス・ワン・ホーン・カルテットの白熱のライブを納めたアルバムを2枚紹介します。どちらもイタリアのレーベルRED RECORDSのものです。この年代のヨーロッパ盤は多分流通量が少なく、CDになっていたとしても今は廃盤なのかもしれません。とういことで希少価値な2枚?

P155_2まずはボブ・バーグの「ステッピン’ ライブ・イン・ヨーロッパ」(1982年rec. RED RECORDS)です。メンバーは、ボブ・バーグ(ts)、ダニーロ・レア(p)、エンゾ・ピエトロパオリ(b)、ロベルト・ガット(ds)です。ボブ・バーグ+イタリアのピアノ・トリオということですね。ボブ・バーグがマイルス・バンドに参加する前のもので2枚目のリーダー作です。

ボブ・バーグと言えばマイケル・ブレッカー的なメカニカルなフレーズもありますが、何と言っても情熱的なプレーが魅力ですよね。このアルバムでもA面1曲目「ステッピン’」からガンガン飛ばしています。最初の部分はドラムのみをバッグにソロをとりますがこれが熱いです。ダニーロ・レアのピアノも他のメンバーも負けじと熱いプレーを繰り広げています。次の曲はミディアム・テンポですが熱いプレーはかわりません。

B面1曲目「アージャ」はスロー・テンポの曲ですが、ボブ・バーグは広い音域を使ったおおらかで雄大な感じのプレーをしているのが魅力的です。このバックでダニーロ・レアがきれいなメロディーでピアノを弾いています。B面2曲目「Luce di Fulvia」も似たような感じの曲です。ここでもダニーロ・レアのピアノ・トリオが美しいです。このB面の2曲はボブ・バーグ作ですが、きれいなメロディーのなかなか良い曲を作りますよね。

私はマイルス・バンドにボブ・バーグが入ってから知り、その後の最初のアルバム「ショート・ストーリー(邦題:ボブ・バーグ短篇集)」を聴いて、気に入ってはいたのですがしばらくは忘れていました。「ジャズ選曲指南」の中にボブ・バーグのアルバムが紹介されているのを見たり、ジャズ喫茶「ジニアス」でボブ・バーグが参加したヨーロッパ盤を聴いてから、再認識して中古盤を集めるようになりました。今日紹介したのはそんな中の1枚です。

P156 次はボビー・ワトソンの「パーペチュアル・グルーヴ ライブ・イン・ヨーロッパ」(1983年rec. RED RECORDS)です。メンバーは、ボビー・ワトソン(as,ss)、ピエロ・バッシーニ(p)、アッティリオ・ザンチ(b)、ジャンピエロ・プリナ(ds)です。ボビー・ワトソン+イタリアのピアノ・トリオということですね。ジャズ・メッセンジャーズを脱退した後のアルバムです。

これはA面1曲目「チェロキー」から強烈です。超ハイ・テンポでボビー・ワトソンがこれでもかとよどみなくアルトを吹きまくります。この人凄いテクニックなんですね、ここまでやられると凄味を感じます。続くベース・ソロとドラム・ソロも必然的に相当リキ入ってます。続く「ミスターP.C.」もハイ・テンポで、ピエロ・バッシーニのピアノ・トリオから入りますが、なかなかダイナミックで新しい感覚のプレーをしています。このあたりは現代ヨーロッパ・ピアノと同感覚です。その後ドラムだけをバックにボビー・ワトソンがソプラノでこれまた熱いプレーを繰り広げます。

B面1曲目「パーペチュアル・グルーブ」はアルト・ソロですよ。これ(多分)サーキュラー・ブリージングまで使ってうねうねフレーズを吹き続けるんですからもう!この人何なのでしょう?熱くて火傷しそうです。次の「オレオ」もやっぱりアップ・テンポで熱いのでした。途中にはまたしてもアルトのみによる演奏が入っています。その後のピアノ・トリオによる演奏も熱くならざるを得ません。そしてドラム・ソロ・・・説明するまでもないでしょう。やっとエンディングが来ました。メンバー紹介でおしまい。何と熱いライブなんだ!

とにかくこの2枚熱い!続けて聴いたら疲れました。80年代もパワーがありましたね。最近はどうなんでしょ?聴く方が疲れちゃってますからね・・・癒しを求めちゃう。でも逆療法で疲れた時にこういうのを聴いちゃうっていうのはいかがでしょう?元気が出るかも・・・。

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「KIKI BAND」in甲府「桜座」

昨日久々に甲府「桜座」でライブを観てきました。「DEMAGOGUE! KIKI BAND Japan Tour 2008」のライブです。「KIKI BAND」はサックス奏者の梅津和時さんが率いるバンドですね。そのメンバーは、梅津和時(as,cl)、鬼怒無月(ag,ag)、早川岳晴(eb)、ジョー・トランプ(ds)です。昨日のライブは途中休憩をはさんでの2セット、アンコールを含めて約2時間半のステージでした。客の入りは20名強、オジサンが多かったです。バンドのイメージからもっと若い人が来るのかと思いましたが意外でした。ちなみに私はこのバンドを聴くのは初めてです。

Live11バンドのサウンドは一言でいえばインスト・ロック・フージョンでしょう。早川さんのうねるファンク・エレキ・ベースとトランプさんのタイトでヘビーなドラムがつくる気持ちいいグルーブ・リズムの上で、鬼怒さんのヘビメタ・ロック・ギターと梅津さんの歌謡曲調泣き+アバンギャルドなサックスが自由に歌うという感じですね。

鬼怒さんのテクニックは凄いですね。切れのいいカッティング、オクターブ奏法、スチール・ギター風奏法、そして速弾きとエフェクターを使いながらピックでも指でもあらゆる奏法で自在に弾いてしまいます。そして飄々といとも簡単に弾いてしまうのがかなりカッコイイですね。曲名は忘れましたがベース・ソロのバックでスクラッチ風の音を出していたのがおもしろかったです。

Live15 早川さんはチョッパーとかはやらず、ひたすらグルービーなファンク・ベースを弾きます。マイルスのところでやていたマイケル・ヘンダーソンのような感じですかね。アンコールの最中に上から2番目の弦が切れちゃいました。ベースの弦が切れるのなんて初めて見ました。驚きのベースです。トランプさんのドラムはパワフルでヘビーですが、ドラムだけが目立つようなことはなく、ベースと一緒に気持ち良いリズムを作ることに徹している感じでした。そうそうツイン・ペダルのバスドラ連打とかは気持ち良かったなあ。

梅津さんが今日これが一番難しい曲だと言っていたトランプさん作の「Black Jack」はノリにくい変拍子の曲ですが見事にカッコ良くきまっていました。さすがですね。 梅津さん作の「Nowhere House」は梅津さんがクラリネットに鬼怒さんがアコースティック・ギターにもちかえてやった唯一の曲ですが、さわやかで雄大なイメージの曲(ユダヤの響きも感じられます)で、クラリネットとアコギが良かったですね。クラリネットのソロでサーキュラー・ブリージング(循環呼吸)も使っていましたが、実際に演奏しているのを見たのはこれが初めてです。

Live14_4 早川さん作の「Rumba Del Acantilado」は、ムード歌謡的な脱力感あふれるテーマとヘビメタ・ギターの組み合わせのおもしろい曲で、こういう曲での梅津さんのアルトはいい味だしますね。 鬼怒さん作の「We have no Banana!!!」などではドライブの効いたギンギン・ギターがとにかく気持ち良かったです。 このバンド、以上のように作曲もメンバー全員でやっているのですが、出てくるサウンドには梅津さんの志向するものが感じられました。

ステージ衣装も、梅津さんの昭和チンピラ風スーツ、鬼怒さんの黒皮パンツにTシャツというギター・キッズ風、早川さんのバンダナかぶりのラッパー風と、それぞれ個性が出ていておもしろかったです。そして演奏はヒート・アップしてもやっている方は至ってクールというのがまたカッコ良かったですよ。

P155例によってライブ終了後、最新アルバム「デマゴーグ」を買って4人にサインをもらいました。ちなみにサインは内袋のほうにもらいました。楽しいライブでした。
「桜座」は今話題の旬なジャズ・ミュージシャンを呼んでくるので、ジャズ・ファンの方は要チェックです。http://www.sakuraza.jp/

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シャープ・ナイン・レコーズはなかなか良い

シャープ・ナイン・レコーズというマイナー・レーベルがありますよね。最近買ったアウトレット(いつものことです)と未開封中古がシャープ・ナイン・レコーズのCDだったので、ちょっと気になってこのレーベルについて調べてみました。

買ったCDというのはディナ・デローズ(p,vo)の「アナザー・ワールド」(1999年)とマイク・ディルボ(as)の「フロム・ザ・インサイド・アウト」(1999年)の2枚です。どちらも私にとては気になるプレーヤーなのです。ディナ・デローズは昨年の甲府でのライブを観てから(ライブ・レポートはこのブログの第1回目)特にお気に入りの存在になってしまいました。マイク・ディルボは寺島本「新しいJAZZを聴け!」で「アルトの鋭いところを二人発見した。」と紹介されていたうちの一人です。さきにこの2枚のCDについて紹介します。

P153 まずはディナ・デローズの「アナザー・ワールド」(1999年)です。メンバーは、ディナ・デローズ:p,vo、スティーブ・ウィルソン:as,ss、イングリッド・ジェンセン:tp,flh、スティーブ・デイビス:tb、ドゥエイン・ブルーノ:b、マーク・テイラー:ds、ダニエル・サドウニック:perです。ディナ・デローズはこのレーベルでデビューしてこれは2作目のアルバムです。Amazonで購入できます。

このひとの歌は大人の女性のほのかな色気と優しさがありかつ小粋なところが好きですね。聴いていてほんわかした気分になるんですがそこがイイ。さらに凄いのはピアノが上手くてとてもスインギーだということです。このアルバムには歌のないピアノ・トリオでの曲が2曲入っているのですが、ここでの歌心溢れるスインギーでダイナミックなプレー、バップ・ピアノをなんの迷いもなく弾ききっているところがとても気持ち良いです。それからこのアルバムのイングリッド・ジェンセンのトランペットとフリューゲルホーンは良いですね。今更ですが見直しました。

P154 次はマイク・ディルボの「フロム・ザ・インサイド・アウト」(1999年)です。メンバーは、マイク・ディルボ:as、スティーブ・デイビス:tb、ブルース・バース:p、ナット・リーブス:b、カール・アレン:dsです。このレーベルでマイク・ディルボはこのアルバムのみです。この後クリス・クロス・ジャズへ移籍してしまいますね。Amazonで購入できます。

この人のアルト・サックスはアップ・テンポやミディアム・テンポの曲ではちょっと軽くて流れてしまうような感じがしますが、スロー・テンポの曲ではもう少し腰が据わってプレーに味が出てきますね。悪くはないのですがもう少し演奏に説得力が加わってほしいです。まあこれは1994年の録音(多分このレーベルがテープを買い取ったのでしょう)なのでもう14年たっていますから最近の演奏を聴いてみたいです。スティーブ・デイビスはこのアルバムでもディナ・デローズのアルバムでもそつなくプレーしています。チック・コリアの「オリジン」に参加したり、グループ「ワン・フォー・オール」に参加したりといろいろ活躍しているトロンボーン奏者ですね。

さてシャープ・ナイン・レコーズですがホーム・ページ http://www.sharpnine.com を見ると1995年に創立されて現在に至っているのがわかります。このレーベルがデビッド・ヘイゼルタイン、ディナ・デローズ、ワン・フォー・オールをレコーディング・デビューさせたんですね。新人発掘にも自信を持っているようです。まあディナ・デローズは今MAXJAZZへ移籍してしまいましたが。ここのカタログを見るとこの13年で41枚しかCDを出していません。量より質を重視しているのでしょう。それはCDを聴けばわかります。こういうこともあってかデビッド・ヘイゼルタインやワン・フォー・オールは他のレーベルでもたくさんCDを出していますね。

私は上記の他に以下の4枚を持っています。
デビッド・ヘイゼルタイン「ザ・クラシック・トリオ」(1997年)DIWから発売、中古購入。
タード・ハマー「サムシン’・スペシャル」(2001年)中古購入。
デビッド・ヘイゼルタイン「ザ・クラシック・トリオ・ミーツ・エリク・アレキサンダー」(2002年)アウトレット購入。
グラント・スチュアート「イン・ザ・スタイル・オブ・ザ・ナイト」(2007年)アウトレット購入。

というわけで1枚もまともに買っていませんがそれはそれとして、これら6枚を聴いてみてこのレーベルのCDはどれもがまじめに作られていると思います。ホーム・ページでも「ハイ・クオリティー・プロダクション」と謳っていますからね。なかなか良心的なレーベルだと思いますよ。なおここのCDは全てオーソドックスなバップ・スタイルだということをご承知おき下さい。私としてはアンソニー・ウォンジー、ジョー・ロック、ワン・フォー・オールなんかも買おうと思っています。多分中古かアウトレットでしょうけれど・・・。

さて明日は久しぶりに「桜座」へ「KIKI BAND」を観に行きます。昨年クリスマス・イヴの「渋さ知らズ」以来です。後ほどこちらにレポートを書きます。

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ジャズ喫茶「A&F」のCD

今日はもう閉店してしまった吉祥寺のジャズ喫茶「A&F」のお話です。私は一度も行ったことはありません。茨城に就職したので東京のジャズ喫茶へ行く気もおきませんでした。このブログに書いているジャズ喫茶へ行くようになったのは東京へ出て来て以降の事です。

さてその「A&F」が閉店したのは2002年です。その時吉祥寺のディスクユニオンで「A&F」から買い取った中古CDのセールがありました。当時は茨城に住んでいましたが週末にはよく東京へ遊びに行っていたので、このセールにも出かけて行きCDを買ってきました。それが以下の6枚です。

P151マーカス・プリンタップ(tp)「ノクターナル・トレイセズ」(1998年)(写真参照)
ウォレス・ルーニー(tp)「Munchin’」(1995年)
ロバート・スチュアート(ts,fl,syn)「ザ・フォース」(1998年)
マイク・ルドン(p)「ゼン・アンド・ナウ」(1999年)
ザ・アトロ・”ワード”・ミッコラ・カルテット(b)「オン・ザ・ウェイ」(1996年)
デイブ・ストライカー(g)「ストライク・ゾーン」(1994年)(これは売ってしまって手元に無し)

P152これらを買ってなるほどなと思うことがありました。ケースの裏に曲が書いてあるのですが、その曲名の頭に青か緑のマジックで「ポチ印」(写真参照)が付いているのです。どうやらこの「ポチ印」が付いている曲をお店でかけていたようです。CD1枚につき「ポチ印」が2,3個ついています。中には最初「緑印」でさらに「青印」が付いているものもありました。CDを替える度にCDプレーヤーにかける曲をメモリーしていたんでしょうね。なかなか手がかかることだろうし、これを聴かせるのだという主張も伝わってきます。だらだらとCDをかけるようなことはしていなかったのです。さすがはジャズ喫茶の名店ですね。

「A&F」は新譜をかけるようにしていたということは知っていましたが、セールに出たCDをみてなるほどと納得したりもしました。 マーカス・プリンタップの「ノクターナル・トレイセズ」はジャズ喫茶「メグ」の店主寺島さんも激推薦していたアルバムですね。「A&F」放出CDのこれを持っているというのはちょっと自慢なのです!と言っても今日初めて自慢しているのですが・・・自慢にはならないかな? このCD、ジャズ喫茶のある時代を切り取っているような感じがしませんか?鉄道マニアの人にとっての先日廃止されたブルートレーンのパーツにも匹敵するような・・・?

「A&F」一度行ってみたかったです。今日の話はちょっと貴重ですよね???

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マーク・ターナーあれこれ

昨日、マーク・ターナーはここのところ他人のアルバムへの参加もあまりないようだと書きましたが、そうではありませんでした。スミマセン。よく確認したら私が持っているだけでも以下の4枚がありました。他にもいくつかありそうですね。やっぱり今注目されているだけのことはありますね。

ヤコブ・ブロ(g)「パール・リバー」2007年
ビリー・ハート(ds)「カルテット」2006年
オマー・アビタル(b)「ザ・アンシェント・アート・オブ・ギビング」2006年
「ミッケル・プラウグ・グループ・フィーチャリング・マーク・ターナー」2006年

他に私が持っているマーク・ターナーが参加したアルバム(年代順)は

LTC+マーク・ターナー「Hikmet」2005年(昨日紹介)
「FLY」2004年
カート・ローゼンウィンケル(g)「ザ・ネクスト・ステップ」2001年
ジョージ・コリガン(p,key)「アンリゾルブド」1999年
マーク・ターナー「イン・ディス・ワールド」1998年(私が持っている唯一のリーダー作)

というわけで全部で9枚も持っていました。初リーダー作「YAM YAM」は中古盤を一度買ったのですが、あまりおもしろくないので売ってしまいました。今日はこれらの中から2枚紹介します。

P148 まずは、ビリー・ハートの「カルテット」(2005年rec. HIGHNOTE RECORDS)です。メンバーは、ビリー・ハート:ds、マーク・ターナー:ts、イーサン・アイヴァーソン:p、ベン・ストリート:bです。大御所ビリー・ハートのもとに注目の若手が集まって硬派なジャズをやっています。でも決して難解なことはやっていません。重厚なアルバムで聴き応えは相当なものです。

マーク・ターナーはおおらかにプレーしているように感じますが、ピアノとドラムに煽られてなかなか気合の入った良い演奏をしています。イーサン・アイヴァーソンはご存知のように「ザ・バッド・プラス」のピアニストですが、ここでは流れを見ながら良い塩梅のトンガリ具合になっています。まあ鍵盤「ガーンッ」もあるんですけど浮いてしまうことはないです。ベン・ストリートはピアノとドラムが暴れても動ぜず根元をガッチリ支えるベースを弾きます。ビリー・ハートは強力な若手に負けることなくガンガン煽り、演奏をドライブさせるところが素敵ですね。

P149 次はオマール・アビタルの「ザ・アンシェント・アート・オブ・ギビング」(2006年rec. smalls RECORDS)です。メンバーは、オマー・アヴィタル:b、マーク・ターナー:ts、アビシャイ・コーエン:tp、アーロン・ゴールドバーグ:p、アリ・ジャクソン:dsです。このメンバー、ニューヨークの若手実力派が終結した感があります。ニューヨーク「ファット・キャット」でのライブ録音です。

マーク・ターナーとアビシャイ・コーエンは気合入りまくりですね。アーロン・ゴールドバーグもきれいなフレーズもありつつガンガン弾きます。このピアニストの実力を再認識しました。アリ・ジャクソンの煽りがなかなか強力です。アヴィタルのゴリゴリ強靭なベースも凄いです。凄いとしか表現できない自分が情けない・・・。スピリチュアルな雰囲気も漂いつつ適度に和む空気も感じられる演奏になっています。良いライブですね。ニューヨークではこんな演奏が毎夜どこかでされているのでしょうか?こんなライブを観てみたいです。

マーク・ターナー、やっぱ凄いわ!この人。 
この2枚を続けて聴くとさすがに疲れますね。濃いんです。

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欧州ピアノ・トリオ&米サックスの共演

ピアノ・トリオについでワン・ホーン・カルテットものも人気があるようですが、そんな中からヨーロッパの人気ピアノ・トリオとアメリカの中堅サックス奏者が組んだアルバムを2枚紹介します。ふとCD棚を見て適当に選んだという感じです。FM東京の「山下達郎サンデーソングブック」の「棚から一掴み」的な発想かな。甲府に来てから「山下達郎サンデーソングブック」が聴けないのが残念です。奥さんの竹内まりやをゲストに招いて年に2回やる「夫婦放談」なんか最高に笑えて和むんだけどなあ~。FM富士で中継放送してくれないかな?

P146 まずはLTC+マーク・ターナーの「Hikmet」(2005年、Via Veneto Jazz)です。メンバーは、LTC=(ピエロ・ルッス:p、ロレンツォ・トゥッチ:ds、ピエトロ・チャンカグリーニ :b)+マーク・ターナー:tsです。LTCはクラブ・ジャズ方面で人気がありますね。昨年末にはLTC名義のアルバム「ア・ディファレント・ビュー」を出していますがまだ聴いていません。一方マーク・ターナーはここのところリーダー・アルバムもなく、他人のアルバムへの参加もあまりないようですね。どうしたんでしょう。Amazonで購入できます。

さて本アルバム、一言で言うと王道ワン・ホーン・カルテットでしょう。LTCはヨーロピアン・ピアノ・トリオの叙情的なものではなく、若干荒っぽい感じがあるくらいグイグイドライブしていくところが良いですね。そのうえメロディアスです。こういうところがクラブ・ジャスに受けるんでしょう。このグイグイドライブしていくところがマーク・ターナーのダイナミックなプレーを引き出していてなかなかのコンビネーションだと思います。マーク・ターナー自身のアルバムではダイナミックな吹奏であってもどことなく窮屈な感じがあるのですが、それがなく開放的に聴こえるのが良いと思います。メンバーの自作曲もいたってわかりやすいです。私の好きな曲「スカイラーク」をやっていますが、これはかなりの高得点をつけられます。

P147 次はイワン・ポダート・トリオ+リック・マーギッツァの「スティル」(2001年rec. A-RECORDS)です。メンバーは、イワン・ポダート:p、ステファン・リーヴェストロ:b、ミミ・ヴァーダラム:ds、リック・マーギッツァ:ts、ssです。イワン・ポダートは「クレール・オプスキュール」(1997年rec. A-RECORDS)あたりから注目されたピアニストだと思います。リック・マーギッツァは自身のアルバムもたくさん出している中堅実力派サックス奏者ですね。Amazonで購入できます。

さてこの組合せやいかに。何というか手堅くまとまっていて優秀です。ポダートはビル・エバンスの流れを汲む正統派の欧州ピアニストだし、マーギッツァは王道主流派サックス奏者で、それぞれ技術はしっかりしていますからこういう優秀なアルバムができるということになるのでしょう。相性も良くとにかく聴いていて安心感があります。それ故ちょっと危険だが凄く惹かれるというようなところはありません。全曲オリジナルですがポダート、マーギッツァ共に難解な曲(1曲はヴァーダラム作)はないので聴きやすいです。マーギッツァ作「リセント・ディベロップメント」はクールかつほのかな哀感のメロディアスな曲でイイですね。万人に薦められるワン・ホーン・カルテット作だと思います。

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神田神保町「EAST RECORD」

毎年、全国のCD・レコード店を紹介した「レコードマップ」という本が出版されますよね。あれを見て東京のレコード店巡りをするのはとてもおもしろいんです。まあいろいろなお店があるのですが、そんなお店の中から今日は東京神田神保町にある「EAST RECORD」を紹介します。

お店の場所は地下鉄神保町駅の上の交差点の北東の角辺りのビルの4階です。なんとも殺風景なお店でビルの1室にレコードを入れた箱がずらりと並んでいるだけです。売っているのはレコードのみでCDは売っていません。扱うジャンルはジャズ、ジャズ・ボーカル、ソウル、レアグルーブなどです。ここで買ったレコードを2枚ほど紹介します。こういうレコードがあるということでお店の色が分かってもらえると思います。

P143 まずは盲目のサックス奏者ローランド・カークの「カーカトロン」(1977年、Warner Bros.Records)です。メンバーはローランド・カーク:sax,etc、ヒルトン・ルイス:key、リチャード・ティー:key、コーネル・デュプリー:g、他です。カークの後期作品でレオン・ラッセルの「ディス・マスカレード」をやったりしていてフュージョンの範疇ですね。このアルバムは表面的な部分はどうあれ、泰然自若の境地で演奏を楽しむカークのプレーを聴き手がどう受取るかに尽きると思います。一流のエンターテインメントであることは間違いありませんので是非御一聴を!

P144 次はカルロス・ガーネットの「ザ・ニュー・ラブ」(1977年rec. MUSE RECORDS)です。メンバーはカルロス・ガーネット:ts,ss,vo、日野皓正:tp、アルフォンス・ムザーン:ds、ジョー・ボナー:key、ジョン・リー:b、ギレルメ・フランコ:per、他です。ご存知のとおりカルロス・ガーネットと言えばマイルス・バンドにいたサックス奏者です。このアルバムは「スピリチュアル・ジャズ」とかいうタイトルの本に載っていました。A面はなんともトロピカルな感じのお気楽曲が並び、ヒノテル、ナベサダが当時やっていたようなフージョン路線です。そのヒノテル自信も参加しているんですけどね。一方B面は「メモリーズ・オブ・コルトレーン」をはじめスピリチュアル・ナンバーが並んでいて、ガーネット、ヒノテルが気合の入ったプレーをしています。1枚で2度おいしい?アルバムになっています。

P145 最後にキース・ティペット・グループの「デディケイテッド・トゥ・ユー.バッド・ユー・ワーント・リスニング」(1971年、Vertigo Records/Repertoire Records)です。メンバーは、キース・ティペット:p,elp、エルトン・ディーン:as,saxello、マーク・チャリグ:cor、ニック・エバンス:tb、他です。これはお店でかかっていたのを聴いてカッコ良かったので、店員さんに誰のアルバムなのか尋ねてその後CDを買ったものです。このときキース・ティペットの存在を初めて知りました。店員さん曰く「レコードは高いのでCDを買ったほうがいいですよ」と、後でわかったのですがこのレコードのオリジナル盤はかなり高額なんですね。その時お店でかかっていたのは多分オリジナル盤だと思います。さて内容はというと、当時のUKジャズのレベルの高さを表したものですね。タイトなビートにのってホーン陣やキース・ティペットがフリーも消化したワイルドでとにかく熱いソロをとります。スピリチュアルかつかなり濃厚なもので軽さなんか微塵もありません。

スピリチュアル・ジャズ・ファンは「EAST RECORD」を一度訪ねてみて下さい。

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¥525アウトレット2枚

またまたアウトレットの話題です。年度末決算バーゲン真っ盛り、バーゲンに弱いオバサマたちの気持ちもわかるなあ。でもなんでこれが¥525なの?

P141 まずジョバンニ・ミラバッシ&アンドレィ・ヤコジンスキ・トリオの「Cマイナー」(2006年、澤野工房)です。メンバーは、ジョバンニ・ミラバッシ:p、アンドレィ・ヤコジンスキacd,p、Czestaw Bartkowski:ds、Adam Cegielski:bです。皆さんご存知だとは思いますが、寺島さん推薦のピアノ・ソロ・アルバム「アヴァンティ!」(赤自に黒文字ジャケ)で注目された澤野工房一押しのピアニストであるミラバッシと、ポーランドのクラシックピアノ名手ヤコジンスキの共演アルバムです。ヤコジンスキはアコーディオンを弾いています。この2人の共演はこれが2作目です。

当たり前と言えば当たり前ですがミラバッシの美メロの魅力満載ですね。アコーディオンとの共演ということでタンゴ調の曲が数曲あり、アコーディオンの哀愁感溢れる音が心に染みます。ミラバッシ作のバップ調の曲やマイルスの「ソーラー」では小気味よいスイング感が気持ちよいです。ミラバッシとヤコジンスキそれぞれ作のコンテンポラリーな曲はしなやかでさわやかでなかなか良いですね。ヤコジンスキ作のサンバ調の曲でのアコーディオン・ソロはなかなかのドライブ感でビックリです。ヤコジンスキはクラシック畑の人とは思えない抜群のスイング感を持っていて、全体的にクラシック的なところはあまり感じられません。「マイ・ロマンス」のみ2人のピアノ・デュオなんですが、相性はバッチリでこれはイイです。

P142 次はピエトロ・トノーロ/ギル・ゴールドスタイン/スティーブ・スワロー/ポール・モチアンの「ユア・ソングス ザ・ミュージック・オブ・エルトン・ジョン」(2006年rec. OBLIQ SOUND)です。ピエトロ・トノロ:ts,ss、ギル・ゴールドスタイン:p,acd、スティーブ・スワロー:b、ポール・モチアン:dsです。このメンバーですから悪いわけがありません。スワローとモチアンのコンビはなかなか貴重ですよね。数曲でゴールドスタイがアコーディオンを弾いていますが、これもなかなかのものですよ。

タイトルどおりエルトン・ジョンの曲をやっています。私は「ユア・ソング」しか知らないんですけどね。特に難しいことはやっていません。淡々とそれぞれの曲を慈しむようにプレーしているだけですが、この4人がやれば自然と味わい深いものになります。4人はそれぞれ自分の個性でやっているのですが、同じ方向性のもと優しさ溢れる演奏になっています。全員とも繊細な表現を得意とするのでそれを味わいたいですね。まあこのアルバムの良さは「ジャズは、バップだ!4ビートだ!ピアノ・トリオだ!」とかいう方にはわかってもらえないのかもしれませんが・・・。

これだからアウトレット買いはやめられない。もちろん失敗もあるんですけどね・・・。

さっきTBS「ニュース23」で見たんだけど、リッキーの絵はパワフルで情熱が溢れていてイイね!実物を見てみたい。 それからNHK「ニュースウオッチ9」で見た薬師寺の「日光・月光菩薩」、何なんだろうあの後姿の色気は?上野の東京国立博物館でやる「国宝薬師寺展」を見に行くしかないか・・・。

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ジャズ喫茶「ジニアス」訪問

昨日は久しぶりに東京中野新橋のジャズ喫茶「ジニアス」へ行ってきました。今年に入ってからは初めてになります。そこでかかったCD&レコードについて戯言を長々と。メモはとっていませんので記憶を頼りに書いています。忘れてしまったことはあまり大切なことじゃない?ということでご容赦願います。

昨日は結構お客さんがいました。お店に入った時はピアノ・トリオがかかていましたがジャケットはチェックしませんでした。これが終了、さて今日は何をかけてくれるのかな~と思っているとCDでした。あれ?レコードじゃないのね。ハリー・”スイーツ”・エディソンのやつでした。メンバーは見たけどタイトルは未確認です。ジャケットを見に行ったら、マスターが「おもしろいメンバーでしょ?」と、「そうですね。」と私。これベースが女性なんですよ。ところがソロなんかゴリゴリでとても女性とは思えない。ライナー・ノーツの中を見たら2ピース・スーツを着た女性がウッド・ベースの横で微笑んだポートレートがあり、どうも音と一致しませんね。あとテナーがフランク・フォスターでした。王道ハード・バップってやつでなかなか良かったですよ。

いつもジャケットを確認するのは1曲聴いた後にしています。これは誰だろう?なんて考えながら聴くとおもしろいじゃありませんか。その後ジャケットを見てメンバーなどを確認します。なぜかタイトルはあんまり確認していないんですよ。それよりはジャケットの絵面を覚えていますね。

次はエディ・ヘンダーソンの「インスピレーション」です。ハード・バップ・アルバムです。2曲に意外なサックス奏者が入っています。最初ジャケットを見ないで聴いていました。ソプラノ・サックスを凄くスムーズにいい音で吹くんですよ。テクニックもあり新しい曲調のものが合います。誰でしょう?グローバー・ワシントンJrでした。上手いわけです。マスターに「グローバー・ワシントンJrとはわかりませんね」と話したら、「フージョンのイメージが強いからね」とマスター、「そうですよね。ワインライトとか」と私。これはグローバー参加の2曲だけで終わり。気に入ったのでこのCD買おうかな?

次はマル・ウォルドロンのリーダー作(タイトル未確認)にこれまたグローバーが数曲参加しているやつでした。「レフト・アローン」をグローバーが吹くのですが、これはところどころで彼特有のフレーズがわかりました。曲がよく知っているものなのでわかり易かったのかも。この曲はグローバーじゃあっさりめになりますね。これはこれで良いかな?それより「さくらさくら」をやっているのですが、見事なスピリチュアル・ナンバーに生まれ変わっていました。こっちのほうが面白いなあ。

次はコンコード・レーベルの最近人気のメンバーによるオールスター・セクステットのライブもの、これは可もなし不可もなし。デビッド・ヘイゼルタインがピアノで他は忘れました。誰がリーダーだったっけ、あれ?興味がないとすぐに忘れちゃう・・・。

P138 ここからレコードへ、アート・ブレイキー・ジャズ・メッセンジャーズ(JM)のテレンス・ブランチャード:tp、ビル・ピアース:ts、ドナルド・ハリソン:as、ジョニー・オニール:p、チャールズ・ファンブロー:bのやつ(タイムレス・レーベル)です。今あらためて聴くとこの頃のJMはなかなか良いんですよ。同じメンバーのやつを持っていたことを思い出して家で確認したら私の持っているのは「オ-バイ・ザ・ウェイー」の日本盤でした。お店でかかたのはジャケ違いの輸入盤だったと思います。当時JMはたくさんアルバムを出しているんですよね。この頃の若手は新主流派と言われていました。ウィントン一派ですね。これがセールス・ポイントになってたくさんのアルバムが作れたのでしょう。

P139 「当時のJMもちゃんと聴くと良いですね」などとマスターと話していたら、マスターが「コンコードのやつも良かったよ」と言いました。ウイントン、ブランフォードが入っている「キーストン3」(私はB面が好き)のことだと思います。 あと「これが昔のJMの感じを残していて良いよ」と教えてくれたのがフィリップス・レーベルのダイレクト・カット盤で日本盤。トランペッターがヴァレリ・ポノマレフ、アルトがボビー・ワトソン、テナーが?のやつでした。マスターが「次に来たときにかけるので言って下さいね」と言ってくれました。

次はドラム・リーダー(名前忘れた)の「テキサス・テナーズ」です。テナーはジェームス・ムーディーともう一人(名前忘れた)。ジャケットは白地で左下よりに大き目の小鳥が1匹。枯れた味わいのジャケがなかなか良い感じです。内容も及第点。しかし次のやつがインパクト大でちょっと霞んでしまいました。

次はチャールズ・ミンガスの「ピテカントロプス・エレクトス」です。と言ってもアトランティック・レーベルの「直立猿人(ピテカントロプス・エレクトス)」ではありません。ステレオ30・レーベルです。テナーは結構ファンがいるらしいが私は知らない人、トランペットもよくわからない人、アルトがチャールズ・マクファーソン、ピアノがジャッキー・バイアード、ドラムがダニー・リッチモンドです。これ良かったなあ~。ここまでいろいろ聴いたけどやっぱりこれが一番どジャズ!「これなんだよ。この感じ。」パワーが全然違うんですよ。ミンガスのベースが凄い。メンバーもなんでこんなに「リキ」入ってるの? 録音も良くベースの音が図太くてゴンゴン来ます。これは探して買いですよ! そうそうこれも普段はお店でかけ難いようです。お客さんを見て大丈夫そうなのでかけたとのことでした。マスターも大変なのです。

P140 次はミュージック・インクの「ライブ・アット・スラッグスVol.1」です。説明不要。良いです。私はVol.2のオリジナル盤レコードを持っていますので、Vol.1もオリジナル盤レコードでコンディションの良いものを探しています。写真はVol.2です。

そろそろ帰ろうとしたら・・・、次に来た時にかけてもらうはずの上記JMがかかっちゃったんです。お店に長く居たからなあ。せっかくかかったので聴いてから帰るしかないです。「チュニジアの夜」、ボビー・ワトソンはちょっと軽いんですよね。ヴァレリ・ポノマレフはハードでなかなか良い感じでした。終わりの部分なんかリフを何度も繰り返してちょっとくどい、確かに昔の香が残っています。A面はこの曲のみ、B面は「モーニン」と「ブルース・マーチ」という超ベタな選曲。ダイレクト・カットなのでやり易いようにこういう選曲になったのかも? この中古レコードは安いだろうから見つけたら買っておきましょう!

以上9枚ホーン入りバップばかりで変化に乏しいですが良しとしましょう。収穫はありました。ショコラケーキ・セット(コーヒー)、エビ・ピラフ(サラダたっぷり、コンソメスープ&漬物付)、コーヒー追加で3時間弱も居座った私もエライ? ちなみにここのピラフはバター風味が効いていてなかなかおいしいです。

ここまで読んでいただいた方、お疲れ様でした。どうもありがとうございます。

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新旧高音質レコード

約30年前、私のオーディオ第一次最盛期に愛読したオーディオ誌に「サウンドメイト」という雑誌がありました。この雑誌には度々アンプとかスピーカーの比較試聴記事があって、当時売られていた機器を一同に集めて3人のオーディオ評論家が採点と批評をしていました。この批評が良い悪いについて結構はっきり書いてあり、”まあ良い”的な表現ばかりのオーディオ雑誌の批評とは一線を画していたと思います。これが好きで当時高校生の私は愛読していました。

当時は月々の僅かなお小遣いとお正月のお年玉が私のオーディオ資金だったため、安い機器しか買えずもっぱらオーディオ誌を読んで夢を膨らますばかりでした。そこそこの機器が買えるようになったのは大学に入ってバイトをするようになってからです。オーディオ機器を購入した店はと言えば、そう甲府のオーディオ専門店=「丹沢電機」です。今の場所に建て替える前の狭い店の2階で試聴して買いました。ここは今でもオーディオ機器を扱っている貴重な店ですね。

当時は中心街のダイエー(現オギノ)や駅北口にあった第一家電(今は平地)にも広いオーディオ機器売り場がありました。懐かしすぎる!そう言えば大学の時「ダイエー」がリニューアルするというので数日間バイトをしに行って、南東の階段の手すりに白ペンキを塗ったとか、帰る時に裏の店員用エレベーターが階の途中で停止してしまってビビッた記憶とかがあります。

話を「サウンドメイト」誌に戻すと、比較試聴記事のオーディオ評論家は故高島誠先生、藤岡誠先生、増田一郎先生などがいました。なかでも私は高島先生の批評に共感していました。亡くなられたというのを聴いた時には本当にショックを受けました。

さて、やっと本題の新旧高音質レコードのお話です。

P136 まず「サウンドメイト」誌で批評していたヴァイブ奏者兼オーディオ評論家の増田一郎の「ハロー・ドーリー」(1981年rec. ロブスター企画)です。当時、高音質レコードを制作していたロブスター企画のダイレクト・カット盤で、パイオニアが技術提供と音楽監修をしています。レコーディング・エンジニアは及川公生(ウェブ・サイトJAZZ TOKYOでオーディオ記事を書いている方)です。

メンバーは、増田一郎:vib,Marimba、根本慶子:p、遠山晃司:b、清水閏:dsです。クロス・マイクセッティングという方法で録音が難しいヴァイブラフォンをクリアに歪み感なく録っています。ダイレクト・カット盤共通の硬さがなく芯のしっかりした音です。演奏は日本のヴァイブラフォンの第一人者増田一郎ですから悪いはずがありません。アップ・テンポの曲ではスインギーで快適な演奏、バラードも暖かく味わいのある演奏になっています。根本慶子のピアノも好演しています。全曲皆さんよくご存知のスタンダードナンバーです。

P137 次は寺下誠トリオの「イーハトーヴ」(1997年rec. 東京サウンド・シティー・プランニング)です。レコーディング・エンジニアは神成芳彦、カッティング・エンジニアは小鉄徹というスリー・ブラインド・マイス時代の黄金コンビです。マイク・ミキサーの出力を直接アンペックスのテープ・レコーダーで2トラック録音しています。デジタル機器は介在していません。それをレコード・テクノロジー・インク(RTI)でHQ-180g重量盤にプレスするという凝ったレコードです。メンバーは、寺下誠:p、山下弘治:b、田鹿雅裕:dsです。これは秋葉原の石丸電気で見つけて買いました。販売数量はとても少ないはずなので買っておいて良かったです。

音はダイナミック・レンジが充分に確保されていて、シンバルのキンキン芯のある高音から「ブンブン」のベースや腹にくるバスドラの「ズドッ」までしっかり録れています。ピアノやスネアなどの中音も決して薄くなりません。かつ硬くならず非常に自然に録れています。アナログでも今やここまでの高音質で録れるんですね。演奏のほうは3人の息があった力強いもので、寺下誠のピアノはタッチがカッチリしていて腰の据わったなかなか重厚な演奏です。ベースとドラムもカッチリサポートしていてなかなか聴き応えのあるアルバムに仕上がっています。寺下作のタイトル曲の他はスタンダード曲を演奏しています。音質のみで語る必要はないですね。このレコードは吉祥寺のディスクユニオンのオーディオ売り場に視聴用として置いてあるのを見かけました。

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早坂紗知さんがお気に入り

最近女性のサックス奏者が増えていますよね。トランペットまでいますよね。まあこれは矢野沙織の成功があってのことだろうと思います。矢野沙織を最初に見たのは確かNHKの関東ローカルのニュース番組ですね。まだプロデビューする前の時です。サックスを吹く高校生がいて自分でライブ・ハウスとかに出演交渉して出ているとかいう内容だったと思います。その時の演奏はヘタクソでアドリブもままならない感じでした。その時はこんな娘もいるんだね~とそれだけでしたが印象には残っていました。

それからしばらくするとCDデビューしてその後はみるみる有名になりましたね。気にはなりましたがCDは買いませんでした。どうせアイドルなんだろうとたかをくくっていたんですね。でも一度は見てみたいということで、2年前に吉祥寺のジャズ喫茶「メグ」でライブを観ました。矢野さんはシャイなんですね。曲紹介もなんかもじもじしている感じでした。さて演奏なんですが、なかなか上手でアドリブもそつなくこなしていました。スロー・バラードなんかもしっかりしていました。ひたむきな演奏姿勢には好感が持てましたね。それでCDは買ったのかって?残念ながら買っていません。何と言うのだろう私を惹きつけるものが足りないと言うのか・・・。

前置きはこれくらいにして今日は早坂紗知のお話です。早坂紗知は日本の女性サックス奏者の先駆けですね。早坂紗知との出会いは、Webサイト「JAZZ TOKYO」の新譜紹介をみて「ビート・ビート・ジャズ・ビート」を買ったことです。これがなかなか良いんですよ。その頃ライブもあったので吉祥寺のライブ・ハウス「サムタイム」へ観に行きました。2年前矢野さんを見たのと同じ頃です。いや~すごく良かったです。早坂さんの良さはあっけらかんとしたオープンな演奏につきますね。変にカッコつけたり斜に構えるようなところがなくとにかくそのまんま、女性の強さと優しさも感じられました。

ハーモニーがどうのリズムののりがどうのとかそんなことではなく演奏姿勢が前述のような良さを出しているのだと思います。そうそうアルトとソプラノ・サックスの2本同時吹きなんかもやるところがこの人らしさです。その時の衣装は黒いミニのワンピースに赤いハイヒールだったと思いますが色気というよりカッコイイんですよ、これが。御本人は演奏どおりのさばさば姉御っていう感じでした。その時のピアニストは黒田京子さんでしたが、彼女も良かったです。

P134 さて「ビート・ビート・ジャズ・ビート」(2005年、ンバギ・レコード)ですが、メンバーは、早坂紗知:as,ss、黒田京子:p、永田利樹:b,vo、フェローン・アクラフ:ds、Wabane Ndlaye Rosa:sabar,talking drumです。セロニアス・モンクの曲を2曲、オーネット・コールマンの曲を3曲やっていますが、それぞれの曲の特徴を生かしつつ、早坂流のオープンな感覚に溢れた力強いナンバーになっています。バーデン・パウエル作「カイ・デント」とセネガル民謡「ボヤ・バルマ」などはWabane Ndlaye Rosaのパーカッションが入って、ネイティブな力強さに溢れたナンバーになっています。早坂のサックスと黒田のピアノがとにかく楽しそうにプレーしているのが良いです。永田のベース、アクラフのドラムも一丸となって盛り上げます。ラスト「グッド・バイ」は早坂と黒田のデュオですが、ダイナミックにして深いです。女性のパワーを侮るなかれ。このアルバムは全体を通してオープンで力強さに溢れた楽しいアルバムです。N.Y.系のどちらかというとネクラ・サウンドとは対極にあるアルバムで、時々無性に聴きたくなります。これはマイナー・レーベルのCDなので入手は難しいかもしれないところが惜しいところです。

P135 次は「サンガ」(2005年rec. Ohari Records)です。メンバーは、早坂紗知:as,ss、永田利樹:b、フェローン・アクラフ:dsのサックス・ワン・ホーン・トリオです。大阪・和泉市「宝国寺」でのライブ録音です。前から買おう買おうと思っていてやっと最近買いました。このアルバム、前述した早坂さんの魅力がそのまま収まっています。フリー・インプロビゼーションの曲もありますが、メロディーもビートもありますからそれほど手強くはないです。録音もほとんど加工なしでライブの空気がそのまま入っています。ライナー・ノーツに「赤裸々な音。」と書いてありますが、まさにそのとおりだと思います。ここには等身大そのままの早坂紗知がいるのです。これはAmazonで入手できます。

私は早坂紗知さんに是非「桜座」か「アローン」に来ていただきたいのですがいかがでしょう?東京での平日のライブなんか見に行けませんからね。

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フルート、バスクラ・リーダーの2枚

最近新譜を買う気分にならないのです。スイングジャーナル誌の最初のほうを飾る新譜も魅力がないのです。だってピアノ・トリオか、ヴィーナス・レーベル的保守層狙いか、女性リーダーものしかないんですよ。それらが悪いと言っているわけではありません。私にとっては魅力に乏しいだけです。だって90年代より前の必聴盤からレア盤まで1000枚以上持っているとそれで事足りてしまうのですから。今更同じようなコンセプトで作ったものを聴いてもね・・・、よほど特別な魅力があるなら聴こうかなとも思いますが、3000円近く出す価値はあるのだろうか?と思うわけです。

私の好みも世間一般からすればマイナーなようで、結構アウトレットになっていたりします。そこでアウトレットをよくチェックするのですが、安いのを良いことについつい買ってしまいます。さて今日はそんな中から、ジャズとしては珍しい楽器のフルートとバス・クラリネット奏者がリーダーの2枚です。

P132 まずはクシシュトフ・ポペックの「ユー・アー・イン・マイ・ハート」(2006年rec. POWER BROS RECORDS)です。メンバーは、クシシュトフ・ポペック:alto-fl、ピョートル・ヴォイタシック:flh、ランディー・ポーター:p、デビッド・フリーゼン:b、ジョー・ラバーべラ:dsです。なかなかおもしろいメンバーですよね。ポーランドのポペックとヴォイタシックという2人のフロントに、寺島氏推薦のピアニスト、ランディー・ポーターとベテランのフリーゼン、ラバーバラというアメリカのリズム隊の組合せです。

全体的に落着いて暖かい雰囲気のバップ・アルバムです。トム・ハレル「ヴィジョンズ・オブ・ガウディ」、ショーター「ヴァーゴ」、ランディ・ブレッカー「ユー・アー・イン・マイ・ハート」、ケニー・バロン「ヴォヤッジ」などの渋いオリジナルをやっていて選曲のセンスはなかなかです。ポペックのフルートは奇を衒わず趣味の良いもので、ハービー・マンを洗練させた感じかな。ソフトですが芯のしっかりしたプレーです。テーマ部ではヴォイタシックのフリューゲル・ホーンとフルートがまろやかなハーモニーを奏でていて、いい気持ちになります。

ヴォイタシックはヨーロッパ系のトランペット奏者に共通する感じですね。技術もしっかりしているしパワーもあります。ここではパワーで押し切るようなプレーはせずにじっくりと吹いて、フルートとの雰囲気をこわさないようにしています。ランディー・ポーターのピアノがいいですね。スインギーで軽快でメロディアスで、寺島氏推薦らしいピアニストです。フリーゼンもバッキングにソロにといいプレーをしています。最後の曲はポペック唯一のオリジナルでフリーゼンのベースとのデュオですが、これがイイ感じになっています。ちなみに前作「ハウス・オブ・ジェイド」はガッツプロダクションが輸入して日本語解説を付けて出していました。

P133 次はフランスの重鎮ミッシェル・ポルタルの「バードウォッチャー」(2006年rec. UNIVERSAL MUSIC FRANCE/EmArcy)です。メンバーは。ミッシェル・ポルタル:bs-cl,cl,as,ss、トニー・マラビー:ts、トニー・ハイマス:p,key、アイアート・モレイラ:per、ジェフ・リー・ジョンソン:el-g、他です。ポルタルのオリジナル曲をやる6、7人編成と、ポルタル、ジェフ・リー・ジョンソンらで共作曲をやるクインテットの2つの編成の曲が交互に収録されています。2部に分かれていてます。曲調としてはダーク系やアブストラクト系なんでしょうが、フランス的センスというのか?堅苦しい感じではなくどこかオープンで土着的なところがあります。Amazonで入手可です。

ポルタルはほとんどの曲をバス・クラリネットで吹きまくっています。いや~尖がってるよなあ~いい年なのにカッコイイなあ。それから「いーぐる」界隈やN.Y.サウンドを追いかけている方が注目するトニー・マラビーが、ゴリゴリ吹きまくっているのがいいですね。自身のアルバムよりこちらの方が肩の力が抜けて実力が出ている感じがします。マラビーは意外と柔軟なセンスを持っていることが分かりました。ポルタルのバスクラとの2トップはなかなか相性がいいですね。意外です。マラビーがいる編成のほうでは、アイアート・モレイラのアフリカン・パーカッションがリズムを力強く躍動的にしていますね。

もう一つの編成では、ジェフ・リー・ジョンソンのギターが不穏な空気を出して、ポルタルの不穏なバスクラとわたりあっています。ピアノ、キーボードのトニー・ハイマスは両編成に入っているのですが、なかなか良いサポートをしていて要所をきっちり押さえてプレーしています。ちょっと注目していきたいピアニストです。フランソワ・ムタンがアコースティック・ベースをブリブリ弾いている曲あり、サウンド・トラックのような印象的な曲ありと聴き所満載です。皆さんに聴いてもらいたいです。

以上2枚、決して内容が悪いわけではありません。メディアに載らないためになかなか手に取ってもらえずアウトレットになってしまうんですね。わかっちゃいるけど・・・。

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「イズント・シー・ラブリー」あれこれ

スティービー・ワンダーの「イズント・シー・ラブリー」は皆さんよくご存知の名曲です。「午後の紅茶」のCM(あややと森光子出演)のバックに流れていた曲ですね。この曲をやっているアルバムを3枚紹介します。

P129 まずはリー・リトナーの「キャプテン・フィンガーズ」(1977年、EPIC)です。デイブ・グルーシン、ハービー・メイソンはじめスタジオ・ミュージシャンの錚々たる面々が参加しています。リトナー3枚目のアルバムです。

さて「イズント・シー・ラブリー」ですが、リトナーが最初スローでフレーズを弾いて始まります。すぐにドラムが「タタタタタッ」と切り込んで、そこからはミディアム・テンポでビル・チャンプリンのソウルフルなボーカルが入ります。バックではレイ・パーカーJr.のカッティング・ギターがカッコいいです。リトナーもソロではかなりワイルドに弾いています。ドラムはジェフ・ポーカロでシャッフル・ビートが上手いですね。ドラム・ロール「タタタタタッ」もカッコよくきまります。終盤のボーカルとの掛け合いやギター・ソロもいつになくワイルドでソウルフルです。バックでのポーカロのトップ・シンバル連打はこれまた最高!うんイイこれ!

このアルバム、テクニカルなタイトル曲を始めとしていい演奏がそろっています。初期の代表作ですね。オススメです。

P130 次はソニー・ロリンズの「イージー・リビング」(1977年rec. Milestone)です。メンバーはソニー・ロリンズ:ts,ss、ジョージ・デューク:key、チャールス・イカルス・ジョンソン:g、ポール・ジャクソン:el-b、トニー・ウィリアムス:dsです。「イズント・シー・ラブリー」のみバイロン・ミラー:el-g、ビル・サマーズ:congasが加わります。面白いメンバーですよね。収録曲は「イズント・シー・ラブリー」とスタンダード2曲とロリンズ・オリジナル3曲の計6曲です。ロリンズ・フュージョン路線の1枚です。

さて「イズント・シー・ラブリー」はしょっぱなA面1曲目なんですが、ロリンズがやればいつだってどんな曲だろうとロリンズ節になるわけです。この頃のロリンズは「ピュエ~」みたいなフレーズをよく入れますね。ビル・サマーズのコンガが入ったラテン・シャッフル・ビートで、トニーはそんなに暴れていませんが、時々はトレード・マークのバス・ドラ「ズドドド」を入れています。デュークは相変わらずエレガントにエレピを弾いていて、コテコテ度を緩和させています。

A面2曲目はロリンズ作「ダウン・ザ・ライン」(余談ですが最近テニスの試合でよく耳にしますね)は8ビートと4ビートの混じった曲で躍動的なビートの佳曲です。あのヘッド・ハンターズのポール・ジャクソンが4ビートでウォーキング・ベースを弾いているんですがなかなか良いです。トニーはこの手のリズムはお手の物でガンガン煽っています。デュークのピアノ・ソロはエレガントですよ。

A面3曲目はスタンダード「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」です。ロリンズはソプラノ・サックスでリリカルにバラード演奏をしています。ロリンズはテナーの印象が強烈すぎてソプラノはどうもピンときません。デュークはバッキング、ソロともになかなか良く、今時の美メロ系ピアノのレベルは軽くクリヤしています。さすがです。

B面のスタンダード「イージー・リビング」はテナーでのバラード演奏ですが、こちらは味があり深みもあるロリンズらしい演奏になっています。B面のオリジナル2曲はロリンズらしい明るく朗らかな曲で、トニーの煽りに乗ってロリンズは気持ちよく快調にソロを吹いています。このアルバムはB面のほうが良いですね。まあ「イズント・シー・ラブリー」はロリンズがこんな曲をやっていたということで・・・。

P131 最後はアート・ペッパーの「ゴーイン・ホーム」(1982年rec. Galaxy)です。アート・ペッパーとジョージ・ケイブルスのデュオでペッパーのラスト・レコーディングです。聴いていると胸にこみ上げてくるものがあります。ペッパーはストレートに淡々と演奏しているのですがキャリアからくる味わいは深いものがあります。妙な哀感みたいなものはないです。ジョージ・ケイブルスが好演していて、ペッパーと絶妙な距離感を保ちながらバッキングしつつ、ソロになると暖かくスインギーなプレーでさらりと盛り上げます。

さて「イズント・シー・ラブリー」では、ペッパーはケイブルスのピアノ・ソロをはさんで、初めはクラリネットでソロをとり、後はアルトでソロをとっています。ケイブルスのすすめでここに収録したとのことで、ケイブルスは楽しそうにプレーしています。ペッパーにとってはこの曲が特にどうということではなく、題材のひとつとして演奏しているのだろうと思いますが、悪くありません。

このアルバムは「イズント・シー・ラブリー」がどうのこうのではなく、ペッパーとケイブルスの味わい深いデュオがおさめられている飽きの来ないアルバムとして、私は大好きです。

今日はこんなところでおしまい。

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久々にオーディオの話題

久々にオーディオの話題です。とは言っても最近のオーディオ機器の話ではなく昔の機器の修理についてです。

P126私は以前に紹介した2台のレコードプレーヤー:ROKSANラディウス3/SME3009RとDENON DP-80/FR-64fxのほかにもう1台予備器としてDENON DP-3700Fも持っています。これはターンテーブルの回転が不良だったものをオークションで安く入手したものです。このターンテーブル部は当時一世を風靡したダイレクトドライブのDP-3000です。不良の原因はサーボ制御が効かず高速回転してしまうというもの(ありがちな故障)でした。これを修理して使用しようというわけです。ちなみにDP-3000はクオーツロック(水晶発信器で高精度に回転を制御)ではありません。

P127このターンテーブルは中を開けてみると非常にシンプルなものであることがわかりました。ご覧のようにモーター(中央の銀色の太い円筒)と電源トランス(奥の金色の箱)とコンデンサ(奥の銀色の細長い円筒)と制御基板(手前)が各1個と操作部(右側の黒いカバー部)しかありません。業務用にも使われるだけあって、メンテナンスがやり易い用にシンプルになっていたのでしょう。修理箇所はというとサーボ制御が効かないのですから制御基板になります。

P128基板修理で問題になるのがトランジスタです。DP-80修理の時はトランジスタが製造中止のものばかりで代品を探すのにとても苦労しました。さてDP-3000はというと、これが汎用品だったので秋葉原でまだ売っています。1種類見つからないものがありますが、これは代品が簡単に見つかりました。(注)3年程前のことで最近は未確認です。トランジスタも安いものばかりです。写真は修理後のものです。

ただしメタルキャン型のトランジスタが2個使われているのですがこれは見つからないと思います。代替品を使う場合はモールド型になるでしょうから、実装には工夫が必要になります。でもこのトランジスタは壊れにくいようです。それから専用ICが1個使われていてこれも入手困難でしょう(秋葉原で入手可能。コメント参照)。実はこれまでにオークションで故障したDP-3000を5台入手して修理したのですが、いずれも制御基板に実装されている小型トランジスタが壊れていました。それから制御基板は旧型と新型の2種類があり、実装部品が少し異なるものがあることもわかりました。

修理にあたっては、全ての小型トランジスタと電解コンデンサとブロック型ダイオードを交換しました。もちろん全ヶ所の古い半田を吸い取って新しく半田をやり直しました。メタルキャン型トランジスタは放熱用アルミ板に取付けてありますが、放熱効率をよくするためにシリコングリスも塗り直しました。これで快調に動作しています。このターンテーブルは修理がやり易いので腕に自信のある方は修理にトライしてみてはいかがでしょうか?

さて、おもしろいことにオークションをとおしてDP-3000の修理を依頼してきた方がいて、ものを送ってもらって故障原因を調べたところ、回転スタートのマイクロスイッチが接触不良になっていました。このマイクロスイッチも代替品(オムロン製)が容易に入手できました。

プレーヤーDP-3000Fに話を戻しますが、本来アームはDA-305相当品が実装されています。このDA-305は回転部がゴムで支持されていて音が柔らかくなる傾向があります。私はこれが嫌いなのでアームはFR-54を実装しています。それと私が入手したものはモーター軸受けの磨耗も少ないようでストップ・スイッチを押してから回転が止まるまで50秒くらいかかります。ちなみにDP-3000はブレーキ機構はありませんので、回転が自然に止まるのを待つとレコード交換に時間がかかります。

キャビネットDK-100とターンテーブルDP-3000のアームレス・プレーヤーDP-3500へ、アームFR-54を実装したものは当時ベストセラーだったらしいですが、今聴いても特に不満は感じられません。オーディオ全盛期の良いものはちゃんとメンテナンスすれば今でも充分通用しますね。

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たまにはフュージョン

ブログランキングを見ていたら、フュージョンについて書いている方が結構いるんですね。青春時代にフージョンを聴いていたような年代の人が今ブログを書いていて当時を懐かしんでいるのかなあ?それでは私もというわけでフージョン・ギタリストと言えばこの2人、ラリー・カールトンとリー・リトナーのアルバムを紹介します。

P123 まずは「ラリー&リー」(1994,5年rec. GRP)です。これを紹介する方が多いですね。フュージョン・ギタリストの双璧の共演ということで発売当時も話題になりましたからね。GRPレーベルということで音質チェック用に使ったりしていました。右にリトナーまろやかで粒立ちの良い音、左にカールトン少しこもったワイルドな音と対象的です。

1曲目はミディアム・テンポの曲で、似たようなフレージングで交互に弾いていきますが、音色を含めて弾き方にそれぞれの特徴がでています。これを聴けば和やかムードでの共演というのがわかります。ドラムはオマー・ハキムですが、曲の最初と終わりでスネアのリム・ショットをうまく使ってますね。この人はミディアム・テンポで抜群のグルーブ感を持っています。オープン・ハイハットの入れ方なんかに特徴があります。それからブラスがカッコイイ・アクセントとをつけています。

2曲目はスローな曲で、リトナーはオクターブ奏法をさりげなく入れながらジャズ・ギターを基にしてやっていますが、カールトンはブルースやロックを基にしてやっているのがわかります。個性の違いがここではっきりしますね。ドラムはハービー・メイソンでこの手のソフィストケイトされたフュージョン・ドラミングはこの人で決まりです。ブラシを使ってスネアを叩いているようでこれがいい味付けになっています。あとこの人と言えばフロアー・タムの「ズン」ですがここでもキメテます。

4曲目のちょっと翳りのあるブルージーな曲はカールトンの本領発揮ですね。まあ自分の曲だから当たり前なんですが。ここではリトナーも負けじとブルージーにやっています。オルガン風のシンセがイイアクセントになっています。 6曲目は私のお気に入りの曲です。このドライブ感はオマー・ハキムのドラミングあってのものです。途中リズム・チェンジが何度かあるんですが、そこでノリを切らずにグイグイいくところはさすがのテクニックです。この気持ち良いリズムにのってのカールトンはこれぞカールトン節でカッコイイソロをとります。リトナーはちょっといい子ちゃんなんだよなあ~。

P124 次はラリー・カールトンの「フレンズ」(1983年、Warner Bros.Records)です。数ある中でなんでこれなの?これより前作「スリープ・ウォーク(夢飛行)」なんじゃないの?って言う方もいるでしょう、「フレンズ」でいいんです。B面2曲目「クルージン’」、この曲で決まりです。いいなあ~、夜の首都高速いや中央フリーウェイをドライブ(クルージング)しながら聴いたら最高にマッチする、都会の夜の大人のムード!つまり私の美メロのツボに嵌った曲ということです。リトナーに「シュガーローフ・エクスプレス」ありなら、カールトンに「クルージン’」あり。しつこい!他の曲は?いいに決まっています。それからまたドラマーのことですみませんが、TOTOのジェフ・ポーカロ(若くして亡くなってしまったことが本当に惜しまれます)が全曲でドラムを叩いています。ク~たまらん! これは会社のジャズ好きの先輩から教えてもらったもの。感謝!

P125 最後にリー・リトナーの「アース・ラン」(1986年rec. GRP)です。数ある中でなんでこれなの?昔CDをレンタルしてテープに落としてドライブの時によく聴いていたからです。というのもありますが、これジャケット写真の変なギター「シンセアックス」が肝なんです。なんじゃそりゃ?ギター・シンセサイザーですね。今持っているのが輸入盤レコード(ユニオンで数百円だった)なので、この「シンセアックス」なるものがいかなるものなのか詳細は不明です。ギター・フリークなら一言言いたい方もいるでしょう。

このアルバムでリトナーは「シンセアックス」も含め9種類のギターを使い分けています。そこまでやるとはね・・・。このアルバムのA面4曲の流れが気に入ってます。1曲目の「シンセアックス」を駆使した広大な空を舞うような優雅な部分と軽快でリズミックな部分が入れ替わり現れる曲から始まり、和のテイストも感じるエキゾッチクな曲、ヴォーカル入りAOR、メローな曲と進む流れはこれぞフージョンと言う感じです。アーニー・ワッツのこてこてサックスが聴ける曲もあります。このアルバム、優等生的なリトナーが「シンセアックス」なる色物を駆使してお茶目にやっているのが良いと思いませんか?

さてリトナーとカールトンのどっちが好きかと聞かれれば?私はカールトンだな。リトナーって優等生的でいまひとつ魅力が薄いというか・・・。対するカールトンは今で言う「チョイワル」な感じがいいんですよね。 ちなみにカールトンは8枚、リトナーはジェントル・ソウツ(ダイレクト・カット盤)も含め10枚のアルバムを持っています。

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