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気になるアルバムいろいろ

今日は最近気になるアルバムを何枚か紹介します。

P105 まずはマーク・ジョンソンの「ライト・ブレイン・パトロール」(1991年rec. Polydor/WINTER&WINTER)です。メンバーは、マーク・ジョンソン:b、ベン・モンダー:el-g,ac-g、Arto Tuncboyaciyn:per,voです。 これディスクユニオンでパット・メセニーの新作を買おうとしていた時にお店でかけていました。お!なかなかいいじゃないですか!

まずベン・モンダーのギターはビル・フリゼールからの影響を強く感じます。多分デビューしてからそんなにたっていない時で、今時の浮遊系ではなく、当時はカントリー系の演奏です。ういういしいですが凄味らしきものも感じられます。リーダーのマーク・ジョンソンはご存知のとおりビル・エバンス・トリオの最後を務めたベーシストです。派手さはありませんがどこか知性ただよう暖かいベースを弾く人です。オレがオレが的なところはないのですが演奏をしっかりまとめあげています。ベース・ソロのトラックはなかなかの深さです。パーカッショニスト(何と発音して良いのかわかりません)は柔軟なリズムで演奏を包んでいます。パーカッショニストのボイスが入る映画のサントラのような曲、カントリー調の曲、ヒーリング・ミュージック的な曲などがあり、ECMレーベル的な世界です。タイトルどおり「右脳」の感性に響くアルバムです。17年前に録音されていますが新作といっても誰も疑わないでしょう。むしろ今のほうが広く受け入れられる気がします。これは気に入りました!

P106 次もマーク・ジョンソンの「ベース・デザイヤーズ」(1985年rec. ECM)です。メンバーはマーク・ジョンソン:b、ジョン・スコフィールド:g、ビル・フリゼール:g、g-syn、ピーター・アースキン:dsです。これマーク・ジョンソンの初リーダー・アルバムにして超強力メンバーです。キーボード・レスのツイン・ギターは、当時の私にとっては未知のものでした。

1曲目「サムライ・ヒーホー」のタイトルからしてインパクト強です。ジョンスコのウネウネ・ギターはすでに快調で、フリゼールは面的なサウンドでバック・グラウンドを構成し、ソロになればこれまた個性的な音とフレーズです。アースキンのドラムも軽快で気持ちよし。マークは裏方に徹して全体を纏め上げます。 2曲目がこれまた凄い、コルトレーンの「至上の愛、パート2:決意」です。最初から全員一丸となってとばします。ジョンスコはこういう曲が合いますね。水を得た魚の如く生き生きとしています。フリゼールはギター・シンセがカッコ良くメセニーとは違う個性を持っています。さすが!アースキンがエルビン顔負けのうねるヘビーなリズムを叩き出します。当時の私はアースキンに対しては軽快な印象しかなかったので驚きそして見直しました。さすがウェザー・リポートの黄金期を支えたドラマー。 3曲目は一転してアンビエント、ヒーリング系の曲です。こういう曲はフリゼールの独壇場ですね。 4曲目は速い4ビートで、ジョンスコのインプロのための曲。マークの手堅いベース・ソロも入ります。 あと3曲ありますが個々のコメントは省略。 マークはアコースティック・ベースだけしか弾いていないし、サウンドも2人のギタリストの特徴をいかしたシンプルなものですが、このアルバムはマークのサウンド・クリエーターとしての才能が開花した良いアルバムです。

P107 最後はハンプトン・ホーズの「スパニッシュ・ステップス」(1968年rec. BLACK LION)です。メンバーは、ハンプトン・ホーズ:p、ジミー・ウッド:b、アート・テイラー:dsです。これは例のジャズ喫茶「ジニアス」で知ったものです。私がホーズの「ハンプス・ピアノ」(1967年rec. MPS)をリクエストしたら、「これも良いよ。」と「スパニッシュ・ステップス」をかけてくれました。ちなみにアルバム「ハンプス・ピアノ」は、哀愁漂うメロディーの1曲目「ハンプス・ブルース」が私のお気に入りです。

さて「スパニッシュ・ステップス」は入手したかったのですがなかなか見つからず、渋谷「JARO」の通販リストで2度見つけたのですが、予約の連絡をした時には既に売れてしまっていてくやしい思いをしていたものです。今回珍しい中古日本盤を安く入手したのでここに紹介することとなりました。 これホーズがパリを訪れた際に録音されたもので、50年代のホーズのブルージーな雰囲気とはちょっと違っていて、どこか哀愁が漂っています。そう俗に言うヨーロッパ盤の雰囲気です。フランスのスタジオでフランスのエンジニアが録音しているので、クリアで粒立ちの良い音になっています。フランスの録音ってどれもベースの音が良いんですよ。私はこれはクラシックのコントラバス録音の伝統が生かされているためだと思っています。このアルバムは今流行のヨーロッピアン・ジャズのはしりだと思います。そうそう私の好きな「ハンプス・ブルース」がA面3曲目に入っているのですが、なぜかタイトルは「ブラック・フォレスト」(黒い森)なのです。こっちのタイトルの方が良いですね。

P76 余談ですが、ディスクユニオンをのぞいたら早くもパット・メセニーの新作がいくつか中古として出ていました。きっと新作に期待し過ぎた人がいたんでしょうね。「なーんだいつものやつじゃん」とがっかりしたのでしょう。何人かのブログをみたらクリスチャン・マクブライドのベースが今一との評がありました。確かに録音レベルが小さめなこともあり何か元気が無い感じなのです。これも手放す要因かと・・・。まあこれもメセニーの意図するところなのでしょう。私はこれイイと思います。

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