ドラマーのアルバム3枚
また昔の話になってしまうのですが、私がジャズを聴き始めたころに出会ったドラマーがリーダーのアルバムを3枚紹介します。私中学生の頃からドラムを叩きたくて曲に合わせて手足をパタパタやっていました。そんなわけで当時名ドラマーのレコードを買ったのです。
ますエルビン・ジョーンズ=マッコイ・タイナー・クインテットの「ラブ&ピース」(1982年、TRIO RECORDS)です。メンバーはエルビン・ジョーンズ:ds、マッコイ・タイナー:p、リチャード・デイビス:b、ファラオ・サンダース:ts、ジャン・ポール・ボウレリ:gです。録音は名録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダーです。
このレコードでエルビンの代名詞:ポリ・リズム・ドラミングと初めて対面しました(その後コルトレーンの「至上の愛」「バラード」を購入)。なんじゃこりゃ!こんなことできるのか?っというわけで一発で惚れました。リズムが粘りうねる、これぞジャズのリズム。マッコイは重厚な和音と鍵盤をピロピロピロピロピロとスライドさせていく弾き方でマッコイ節を炸裂させています。ファラオのブリブリ・スピリチュアルなテナー・サックスもイイですね。コルトレーン・ジャズの魂を受け継ぐ演奏ですが、観念的なところはなく暖かさに溢れています。その後クラブ・ファンク系ギター奏者として有名になる若きジャン・ポール・ボウレリが参加して、オーソドックスでブルージーなギターを弾いています。
次はジャック・ディジョネット・スペシャル・エディションの「インフレーション・ブルース」(1982年、ECM)です。上記のレコードが「赤ジャケ」でこちらが「青ジャケ」で好対照です。両ポートレートともイイですよね。メンバーは、ジョン・パーセル:as,bs,fl,alto-cl、チコ・フリーマン:ss,ts,b-cl、バイキダ・キャロル:tp、ルーファス・リード:b、ジャック・ディジョネット:ds,p,clv,voです。スペシャル・エディションの3作目です。
これフリー系の演奏もありますが、そんなに難解ではないです。A面1曲目はディジョネットのシャープな速い4ビートにのって、サックスとトランペットがかわるがわるアドリブを行う曲で、ディジョネットのクールな煽りが冴え渡ります。ディジョネットってやっぱりドラムが上手いですね。当たり前なんですが。ホーン陣のソロもカッコイイです。2曲目はホンワカした感じの曲で、ディジョネットがピアノをオーバー・ダビングしていてこれが上手いんです。B面2曲目はレゲエ調の曲でディジョネットが歌を歌っています。上手くはないですがこれはこれでイイ味をだしていると思います。レゲエのリズムも上手いし、クラビネットで和音をつけていたりと多才ですね。さすがディジョネット!その後スペシャル・エディションの1、2枚目も入手しましたが、なぜかこの3枚目がお気に入りです。
3枚目はまたエルビンの「アース・ジョーンズ」(1982年、PALO ALTO JAZZ)です。メンバーは、エルビン・ジョーンズ:ds、デイブ・リーブマン:ss,fl、日野皓正:cor、ジョージ・ムラーツ:b、ケニー・カークランド:pです。これも録音はルディ・ヴァン・ゲルダーです。
こちらはフィーチャリング・デイブ・リーブマンということで、6曲中の4曲がリーブマンの曲ということもあり、上記の「ラブ&ピース」よりはモーダルで重厚な雰囲気です。A面1曲目の「スリー・カード・モリー」はエルビン作のカッコイイ曲で、日野のコルネット、カークランドのピアノ、リーブマンのソプラノが熱いソロをとり、エルビンが煽りまくります。リーブマンとエルビンの白熱のデュオあり、リーブマンが怪しげなフルートを吹く曲あり、リーブマンの愛らしいソプラノが聴ける曲(珍しいのでは?)ありと多才な内容です。あと日野のコルネットは当然良いのですが、ケニー・カークランドもピアノでバッキングにソロにと良い演奏をしています。このアルバムにはリーブマンとムラーツが参加ということで前に紹介した「クエスト」とつながります。
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