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ジャス喫茶「ジニアス」

今日は東京の中野新橋にあるジャズ喫茶「ジニアス」のお話です。このお店、昔は渋谷にあったのですが、今は中野新橋駅近くの静かな住宅街のマンションの1階で営業しています。神田川のほとりです。まあこの辺りは自然の川原ではなくコンクリートの川ですけどね。お客さんも近所のオバサマ・グループとかオジサンが主で、若いカップルやパソコンを持ち込んでいるライターの人なんかもたまに見かけます。明るく広いお店で、ジャズ喫茶というよりはジャズも聴ける近所の喫茶店という感じです。

最初に行ったのは4年くらい前で東京に住んでいたころです。その時の話です。店の雰囲気からしてリクエストするような感じではなかったので本を読みながら聴いていると、マスターが近くに来て「リクエストがあればかけますよ。」と話しかけてくれたのです。私としては少し緊張しつつ(自分のジャズ度みたいなものがわかっちゃいますからね)、ちょっとひねったつもりでチック・コリアの「スリー・カルテッツ」(このBiogで紹介済)をリクエストしました。今時この手のリクエストはないらしく、レコード棚を探してかけてくれました。

その時はお客さんが少なかったので何枚かレコードをかけたあと、またマスターがやって来て「もっとリクエストがあればかけますよ。」と言ってくれました。次にリクエストしたのはエルビンの「ラブ&ピース」(これもBiogで紹介済)ですが、お店を探したがないということで後で自宅も探してくれることになりました。たぶん自宅にあるから次に来た時にかけてくれるとのことでした。わざわざ私の為に探してくれるなんて!何とお客思いのマスターなんだろう!その場はエルビンの「アース・ジョーンズ」(これまたBlogで紹介済)を替わりにリクエストしました。その日帰りがけにマスターが「またリクエストしに来て下さいね。」と言ってくれました。これで初来店にして私のお気に入りジャズ喫茶No.1になってしまったのです。

次に行った時、「ラブ&ピース」を探したがなかったとのことで、違うエルビンのレコードをかけてくれました。このお店普段はマスター好みのCDをかけているのですが、私が行くと70、80年代のレコードをリクエストするので、リクエスト後に当時よくかかったレコードなんかを選んでかけてくれるようになりました。帰り際にレジの前でマスターとかかったレコードの感想なんかを話しているうち、私の好み(まあ実際はもっと広いのですが、このお店では70、80年代のメイン・ストリーム、他のところではなかなか聴けないので)もわかってくれて、「あなたのように聴いてくれるお客さんがいるとかけやすい。」とのことで、当時よくかかったレコードをかけてくれるようになりました。このお店には1万枚くらいレコードがあるのですが、普段はかからないものがほとんどとのことなのでもったいない話です。私は行くと2時間くらいは聴いてきますので、ケーキセットでコーヒーのお代わりもします。ここコーヒーのお代わりだと2杯目は半額です。なんと良心的な。ちなみに「いーぐる」もコーヒーのお代わりは半額です。

「ジニアス」でかかるレコードは今は入手が難しいものがほとんどです。そんな中から入手したものを3枚紹介します。

P102 ハロルド・ランド/ブルー・ミッチェル・クインテット「マペンツィ」(1977年、Concord)。メンバーは、ハロルド・ランド:ts、ブルー・ミッチェル:tp,flh、カーク・ライトシー:p、レジー・ジョンソン:b、アル”トゥッティ”ヒース:dsです。ジャケットはナンジャコリャ?買う気がしません。中身はリキの入った4ビート・メイン・ストリーム・ジャズです。フージョン全盛期のメイン・ストリーム回帰ものですが、当時のものは勢いがありますね。ハロルド・ランド、ブルー・ミッチェルともにバリバリ吹いています。これ「ジニアス」のマスターから「今渋谷のディスクユニオンにあったよ。」(マスターは昔渋谷に店があった関係から渋谷のディスクユニオンによく行くらしい)と言われて後日買に行って入手したものです。盤質は良いが反りが少々。

P103 次はジョニー・リトルの「ナイス・アンド・イージー」(1962年、JAZZLAND)です。メンバーは、ジョニー・リトル:vib、ジョニー・グリフィン:ts、ボビー・ティモンズ:p、サム・ジョーンズ:b、ルイ・へイズ:dsです。メンバーが凄いですよね。ジャケットはこれもしょぼいですね。落ち葉のポートレートはいったい何なのでしょう。ナイス・アンド・イージー?当時のハード・バップ佳作です。名盤とまでは言いません。グリフィンの参加に惹かれての購入です。ティモンズのピアノも黒くて良い味を出しています。ジョニー・リトルの知名度のせいなんでしょうか?この中古レコードは見かけたことがありません。これは例の「JARO」の通販で見つけたオリジナル盤(あまり高くはない)です。

P104 最後はチャールス・ロイドの「アコースティック・マスターⅠ」(1994年、Atrantic/COLLECTABLES)です。メンバーはチャールス・ロイド:ts、シダー・ウォルトン:p、バスター・ウィリアムス:b、ビリー・ヒギンズ:dsです。これも意味不明ジャケットです。内容は良いです。最近忘れられがちなロイドのワン・ホーン・カルテットです。コルトレーン影響下でスタートした経緯のあるロイドが、ちょっとかすれたような音でコルトレーン調フレージングでテナーをブリブリ吹きまくっています。といっても変な精神性はないので、バップ好きには安心してオススメできます。シダーはバッキング・ソロ共にかなり好調です。バスター・ウィリアムスとビリー・ヒギンズもしっかり抜かりなくプレーしています。これイイですよ。聴いて下さい。これは「ジニアス」のマスターから「今再発されて売っていますよ。いいでしょう。」と教えられて買いました。前にBlogに書いたジェリー・マリガンとビリー・テイラーのアルバムも「ジニアス」のマスターから教えてもらいました。

「ジニアス」は堅苦しくなくて居心地が良く、抜けの良い音も気に入っているので、ついつい時間を忘れて長居をしてしまうお店です。そうそうコーヒーもおいしいですよ。

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