ジャズを聴き始めたころ従兄に教えてもらったマニアックなレコード
私がジャズを聴き始めたころ、かなりジャズ通の1歳上の従兄がいて、ジャズについていろいろ教えてもらいました。その従兄からジャズのレコードを10枚くらい貸してもらったことがありました。もう25年くらい前のことですが、今でも覚えているものがあるんですから若い頃の記憶力って凄いですね。それは以下のようなものです。
日野皓正「メイ・ダンス」、ハル・ギャルパー「ナウ・ヒア・ジス」、「ザ・ラウンジ・リザーズ」、ケニー・ドーハム「ジャズ・コンテンポラリー」、増尾好秋「ソング・イズ・ユー・アンド・ミー」(美メロだらけ)、松岡直也「見知らぬ街で」(ウェザー加入前のオマー・ハキムds参加)、ランディ・ウエストン「?」、ジノ・ヴァネリ「?」(カナダのシンガー・ソングライター)
他に、その従兄がレコード・レンタル店で働いていた時に教えてもらったのが ジェームス・ブラッド・ウルマー「ブラック・ロック」 であり、新星堂で働いていた時に教えてもらったのが ウィントン・ケリー「ケリー・アット・ミッドナイト」 であり、従兄の家でレーザー・ディスクを見せてもらったのが アート・アンサンブル・オブ・シカゴ だったりと、まあいろいろなタイプのジャズを教えてもらったのです。その従兄はギターもプロ級で 渡辺香津美 がアイドルでした。
今日はそんななかからいくつか紹介します。
まず日野皓正「メイ・ダンス」(1977年、ビクター音楽産業)です。メンバーは、日野皓正:tp、ジョン・スコフィールド:g、ロン・カーター:b、トニー・ウィリアムス:dsです。どうです凄いメンバーでしょ。日野皓正がトランペットをバリバリ吹きまくりです。ヒノテルが6曲全てを作曲しているのですが、ストレート・アヘッドで翳りもあるブルージーな佳曲揃いです。当時好きだったロンとトニーがやっぱカッコイイです。そして当時新人だったジョンスコの存在。斬新なフレーズでソロとバッキングをとっています。
ジョンスコのアルバム「いなせ」のライナーノーツには、菊池雅章が「ジョンスコのオーディションをした時、ジョンスコが何をやりたいのかよくわからなかったが、マイルス・バンドでジョンスコがやっているのを聴いて、やっとやりたいことがわかった。」というようなことを言ったと書かれています。このアルバムを聴いてジョンスコが好きになった私としては、その後マイルス・バンドに入ると聞いてちょっと得意げな気持ちになりました。
次はハル・ギャルパー「ナウ・ヒア・ジス」(1977年、enja)です。メンバーは、日野皓正:tp flh、ハル・ギャルパー:p、セシル・マクビー:b、トニー・ウィリアムス:dsです。これは例の「ジャズ選曲指南」にも入っていて、「「気合系アコースティック」ものを探しているファンに、自信を持ってお奨めできる隠れ名盤。」と紹介されています。私はこのアルバムを忘れかけていたんですが、この本を見て慌てて買いました。当時はハル・ギャルパーのピアノが弾き過ぎだと感じましたが、今聴けばそんな感じはなく、上記のとおりの良いアルバムだと思います。
最後にラウンジ・リザーズのデビュー・アルバム「ザ・ラウンジ・リザーズ」(1980年、EG)です。メンバーは、ジョン・ルーリー:sax、エバン・ルーリー:key、スティーヴ・ピッコロ:b、アート・リンゼイ:g、アントン・フィア:dsです。これはフェイク・ジャズと言われ、当時のニューヨーク・アンダー・グラウンド・シーンの新しいジャズのひとつでした。そのチープでアイロニカルで上手いのか下手なのかわからない演奏は、当時の私には全く受け入れられませんでした。最近安い中古CDを入手して聴いたのですが、いいんですよこれが、私は散々色々なジャズを聴いてやっとこれが楽しめるようになったのでした。
ジャズの聴き始めにいろいろ教えてくれた従兄には感謝しています。これだからジャズを聴くのはやめられない。
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