最近スーパー!ドラマTV(Ch.360)でやている「バトルスター・ギャラクティカ」を見ています。30年くらい前にやっていた「宇宙空母ギャラクティカ」のリメーク版ですね。VFXを駆使しストリーもリアリティを増していますが、これは「スタートッレック」からの影響でしょう。でも毎回のストーリーはやっぱり「スタートレック」の方がおもしろい。その「スタートレック」も今やシリーズ4ですからね。
さて今日はサックス・トリオを3枚紹介します。サックス・トリオと言えば、ロリンズの「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜」、コルトレーンの「ラッシュ・ライフ」、リー・コニッツの「モーション」、「ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン」などの名盤がありますが、今更紹介するまでもありません。そこで新しめのマイナーな3枚を紹介します。
1枚目はマイケル・ムーア(映画監督ではありません)の「フローター、ジュエルズ&バイナキュラズ・プレイズ・ザ・ミュージック・オブ・ボブ・ディラン」(2003年rec. Ramboy recordings)です。メンバーはマイケル・ムーア:as,cl,b-cl,melodica,bells、リンゼイ・ホーマー:b、マイケル・バチャー:perです。 これ下北沢のジャズ喫茶「マサコ」で聴いて気に入ったものです。その時はお客さんが持ち込んだCDをかけていました。
タイトルどおりボブ・ディランの曲をマイケル・ムーアがメロディーを大事にして慈しむようにサックスやクラリネットでプレイしています。ディランの曲を聴いたことがないのでどこまでメロディーどおりに演奏しているのかはちょっと不明なのですが、アドリブは少ないと思います。3者が一体になってフォーキーでのんびりほんわかプレーしています。ジャケットどおりパラシュートでゆっくり降下しているようなイメージがありますね。なかなか心地良いサックス・トリオです。録音も素直でクリアです。この1つ前のアルバム「ジュエルズ&バイナキュラズ・ザ・ミュージック・オブ・ボブ・ディラン」はAmazonで購入できます。
2枚目はアンリ・テキシェの「REMPARTS D'ARGILE(粘土の城壁)」(2000年rec. LABEL BLEU)です。メンバーはアンリ・テキシェ:b,bendire、セバスチャン・テキシェ:as,a-c,cll、トニー・ラベソン:dsです。アンリ・テキシェはご存知フィル・ウッズの「アライブ・アンド・ウェル・イン・パリ」のベーシストです。セバスチャンはアンリの息子。何かに対するメッセージをテーマにした作品です。これはジャズ喫茶「いーぐる」のマスター後藤さん推薦盤です。
これ何が凄いかって、2曲目「サクリファイス」におけるセバスチャン・テキシェのアルト・ソロ。アンリとトニーの高速4ビートのパルスに煽られ、セバスチャンがアルトの音が「ビヒャー」とつぶれるギリギリのところでまで吹くんですが、楽器を鳴らす技術が高度なので凄いパワーのある音になります。この音の説得力はただならぬものを感じます。
また録音がすばらしく、このアルトの音をクリアにまるでそこで鳴っているかのように捉えています。このアルト・ソロのあとにドラムスとベースのソロが続くのですが、これがまた良い音に録られています。こういう録音はクラシック録音のセンスなんでしょうね。帯域は上下に伸びているんですが中域もしっかりしていてかつ硬くない。オーディオ・マニアは必聴だと思います!!!こういうジャズ録音もあるのです。
録音のことがばかりになってしまいましたが、演奏のほうは単にアドリブをするとかではなくて、テーマにそって作られた曲を3人でかっちり演奏していて、現代音楽的な部分もあるかな?かなり聴き応えがあります。これはAmazonで購入できます。
3枚目はトーマス・チェイピン・トリオの「アニマ」(1991年rec. Knitting Factory Works/徳間ジャパン)です。メンバーは、トーマス・チェイピン:as,fl,a-fl,voice changer,laff box、マリオ・パヴォーン:b、スティーブ・ジョーンズ:ds、マイケル・サーリン:ds,perです。2人のドラマーは曲によって交代します。ツイン・ドラムではありません。 トーマス・チェイピンは1998年に41歳の誕生日を前に白血病で亡くなってしまいました。本当に惜しまれます。生前何度か来日もしています。 私はこのCDを中古で入手したんですが、90年代はこういうジャズも徳間ジャパンから販売されていたんですね。今では考えられませんよね。
これはアバンギャルド系のサックス・トリオです。でも完全フリー・インプロというわけではなく、ある程度作曲され方向も決まっていてそこから自由に展開していく感じです。フリー、バップ、R&B、ロックなどの要素を取り入れたフレキシブルな演奏が魅力。意外とメロディアスなところもあり難解というものではありません。トーマス・チェイピンの開放的で自由でおおらかでユーモアも感じられるサックス/フルートを、ベースとドラムが柔軟にサポートしていくところがこのトリオの良さかな。トーマス・チェイピンはいたって自然体なんですけど、言いたいことはしっかりこちらの胸に届くと言うか、不思議な魅力があります。 トーマス・チェイピン・トリオの「スカイ・ピース」はAmazonで購入できます。
単なるバップではないサックス・トリオもたまには良いですよ。聴いて下さい。
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