まずはマイルス「パンゲア」
最初に買ったジャズのレコードは日野皓正「ダブル・レインボー」。25年ほど前の話です。当時オーディオが趣味だったことから、雑誌でとりあげられる高音質レコードがほしくて、そうなるとやっぱりクラシックかジャズ、ということで買ったジャズの1枚。今考えると内容は初心者向きではないのですが・・・。その時もらったチラシに「ビッグ・ジャズ・フージョン23」というのがありました、マイルス、ウェザー、ハンコックの再発廉価盤23枚のチラシです。その中からマイルス、ウェザー、ハンコックの各1枚を買うことにしました。
そこで今日の話題。そのチラシの推薦コメントをよ~く読んでマイルスは「パンゲア」を買ったんです。超名盤「ビッチェズ・ブリュー」よりも先に。(ウェザー、ハンコックの話は後ほど) これLP2枚組みなんですが、2曲つまりLP1枚A、B面で1曲(今ではCD1枚に1曲なので続けて聴けます)なんで、1曲の途中でLPをひっくり返さなければならなかったんですよ。当時は長いだけでジャズって凄いなあ~と思いました。この2曲、実際には数曲が続けて演奏されているんですけどね。当時マイルスが各曲のタイトルを公表してないので、適宜「ジンバブウェ」「ゴンドワナ」となっています。本当のタイトルを知りたい方は中山康樹さんが書いた名著「マイルスを聴け!」を読んでね。
聴いてビックリ、音質が悪い、混濁どろどろのLoFi。まあライブ録音で録音環境も良くなかったんでしょう。 デモソンナノカンケーネー! ナンナンダこのカッコ良さは!レジー・ルーカスのチャカチャカ・ギター、アル・フォスターのシャンシャン・ドラム、マイケル・ヘンダーソンのグルングルン・ベース、ムトゥメのポコポコ・パーカション、そこへマイルスの脳天直撃ワウワウミュート、ピート・コージーのギヨンギヨン・ギター、ソニー・フォーチュンのサックス(頑張ってます)がかわるがわる現れては消え、へービーで混沌とした世界をつくりだします。でも奥にマイルスのクールで覚めた視線が鈍く光っています。あの目で・・・怖いよ~。とにかくマイルスの考えた音楽をメンバーが手足となって見事に表現しています。こんなバンドが存在していたとはマイッタ! でもこんなことやってると体と心がぼろぼろになりますよ。案の定マイルスはこのあと引退長期休養となります。
後で考えれば悪い音質も含めてこれでいいんですよ。これがマイルスの表現したい世界なんです。そうそうこれライナーノーツに「できるだけ大きい音で聴いて下さい」と注意書きがあります。ご近所迷惑にならない程度にそうして下さい。ちなみにこの時期はオーディオ全盛期だったことを考えると、大きいスピーカーでの大音量なんですけどね。ライブが再現されます。
マイルスの1枚といったら、私は迷わず「パンゲア」です。 前述中山康樹さんの「マイルスを聴け!」初版が出た時、読んで感激しました。だってジャズ批評界ではエレクトリック・マイルスは認めないなんていう意見が根強い中、どうどうとこれが良いことが書いてあったんですから。他にも「そうそうそうなんだよね。」(ジャズ批評の大御所に失礼)ということがたくさんありました。今日はこんなところで終了。
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コメント
古いブログにコメントすいません.・°(>_<) °・.いっきさんは音楽の趣味に共感できるところがあったんですが、マイルスのパンゲアは以外でした!音にうるさいいっきさんなら、却下な、ライヴレコーディングだとおもいきやです。いーぐるでパンゲア聴かれたとおもいますがどーだったでしょーか?自分はパーカーをいーぐるで聴いてジャズ喫茶の虜になったんで興味深いです。
投稿: ウッチー | 2011年5月10日 (火) 00時11分
ウッチーさん
こんばんは。
『パンゲア』は私のジャズ開眼の原点です。
ブログにはもう何度も登場しています。
面白いジャズなら音質には目をつぶるという気持ちになった原点でもあります。
実は、”『アガルタ』『パンゲア』録音後30年、「アガ・パン」を大音量で聴く会”というのが、私が「いーぐる」に行った最初なんですよ。
「いーぐる」で聴く「アガ・パン」が最高だったことは言うまでもありません。
いつもより音量大きめだったようです。
至福の時でした。
投稿: いっき | 2011年5月10日 (火) 01時49分