ラジオ快楽ジャズ通信2

「快楽ジャズ通信」ゲストの矢野沙織さん。ご機嫌斜め(笑)?

「高野 雲の快楽ジャズ通信」にアルトサックス奏者の矢野沙織さんが
ゲスト出演した時の模様がジャズ動画サイト「You Play JAZZ?」にUPされました。

こちら⇒快楽ジャズ通信【ゲスト 矢野沙織】

番組出演時の私のレポートは⇒ビバップにかける矢野さんでした。

動画を見てみると、矢野さんは、ちょっとご機嫌斜め?ちょっと緊張気味?

判断はご覧になったあなたにお任せします(笑)。

ジャズにかける熱い思いを淡々と語る矢野さんでした。

いや~っ、雲さんも気を使っていますね~。お疲れ様でした(笑)。

矢野沙織さんのライブレポートは⇒矢野沙織のライブへ行きました。

Img_8614_3                   (写真撮影tommyさん)

「快楽ジャズ通信」が4月から番組リニューアル!

4月より番組リニューアル。どこが変わるか「7つの変化」

ジャズ・カフェ 「スコット・ラファロ」 のオーナー tommy さんがレギュラーゲスト!

楽しみです。

放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

全国コミュニティーFMでも放送しています。

そして、番組パーソナリティー、高野 雲さんの本も面白いですよ。

Photo

音楽聴き指南はこの本にお任せです!

話は変わりまして、ブラッド・メルドー話題の新譜。

P116 『ハイウェイ・ライダー』なかなか良いですね~。
気に入りました。
音楽家メルドーの実力を示すアルバムです。

スイングジャーナルさん、ジョエル・フラームじゃなくて、
メルドーが「ゴールドディスク」じゃないの(笑)?

ノンサッチ・レーベル、さすがですね~。

後ほどレビューします。

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雲さんならではの”パウエル愛”に溢れた番組。

今日は風が吹いてめちゃくちゃ寒かったです。
桜が満開なんですけどこの寒さは一体何?

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「渡欧後のバド・パウエル」

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

まず、バド・パウエルの渡欧などについてはディレクター嬢から。
内容については 放送第78回「渡欧後のバド・パウエル(2)」 を参照願います。
なるほど、そんな感じだったのですか。フムフム。
BGMは雲さんが好きな『アット・ザ・ゴールデン・サークルVol.3』から
《スウェーディッシュ・パストリー》。長尺曲なのでかけられなかったもの。

雲さん21歳、人間の死について考えさせられたのが、パウエルの映像だそう。
《アイル・キープ・ラビン・ユー》をBGMにパウエルがひたすら歩いている映像。
これを見た後、それまで絶頂期のパウエルを聴いてきたのに、
晩年も聴くようになったそうです。
「晩年の演奏からはわびさびを感じる。」と雲さん。

この映像は私も見ました。
ジャス喫茶「いーぐる」で雲さんが「バド・パウエル特集」をやった時にかけました。
これは本当にインパクト大な映像でしたよ。

「ピアノを弾く毎に命を削っていっているんじゃないかと思う。」と雲さん。
精神病治療のせいもありパウエルには躁/鬱状態の波があります。

最初の1曲は調子の悪い時の演奏。
ゴールデン・サークルでの未発表演奏の中から選曲。
『バドイズム』から《コンファメーション》
ゴールデン・サークルでの調子の良い演奏は、
前述の『アット・ザ・ゴールデン・サークル』に収録されています。
未発表で比較的調子の悪い演奏が入っているアルバムが『バドイズム』。
長いので途中フェードアウト。

確かに絶不調。テーマからヨレヨレ。
アドリブもなんだかな~。辛い。でもね~っ、く~うっ、たまらん。
これを最初にかけた雲さんはエライ!
パウエルを聴くということは、これも知っておく必要があります。
でも、ジャズ初心者はくれぐれも聴かないでねっ(笑)。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

「CDは酷です。こういうのが音源として残ってしまうのは。」と雲さん。

次は調子の良い時のパウエル。
『ポートレイト・オブ・セロニアス』から
《ゼア・ウィル・ネバー・ビー・アナザー・ユー》

私は、このアルバムがかなり好きです。
こちらは何とも言えない哀愁漂う演奏。
こういう味は簡単には出せないんですよね。
成熟したパウエルもいいんですね~。
最近はこういうのに感動しちゃう私です。

次は親しみやすい聴きやすい演奏。
この時期は前期のようなテクニックはなくなってしまったのですが、
かわりに獲得したのは”味”。リスナーに味わいをもたらしています。
後期パウエルを代表する演奏。
後期パウエルが良いという人は皆さんがイイと言う曲。
『バド・パウエル・イン・パリ』から《ディア・オールド・ストックホルム》

このアルバムは寺島靖国さんも良いと言っていましたよね。
当然ですが、寺島さんは後期パウエルを良しとしています。
雲さんが言っていたとおり味のある演奏。
深いと思います。

指がもつれた個所はたくさんありますが、それも含めての味わいです。
ドラムがバランス的に前に出て、”スッタカラッタ”の祭りのタイコのようなのに、
それでもしみじみ聴かせてしまうパウエル。

『イン・パリ』(『ショー・ナフ』)から《ニューヨークの秋》
しみじみした秋という演奏。テナーのバルネ・ウィランが参加。
死ぬ時は、帰巣本能なのか?NYに戻ったパウエル。
NYに戻る前にはこの曲ばかり弾いていたそうです。

ウィランの渋いテナーの後ろで美しく伴奏するパウエル。
ソロになっていきなりの高音を転がすロマンチックな展開。
う~ん、この演奏も素敵ですよね~。
雲さんの曲前トークがこの曲を余計に良く聴かせてくれます。

「これ泣けますね。」
「ウィランのソロの後のパウエルの出だしの和音を聴いただけで泣けます。」
と雲さん。

しみじみした曲が2曲続いたので、躍動感のある曲。
バド・パウエルのことを献身的に支えた、フランシス・ポウドラに捧げた曲です。
(フランシスとパウエルの関係は、映画「ラウンド・ミッドナイト」になっています。)
パリ(ヨーロッパ)最後の録音。
『ブルース・フォー・ビュッフェモン』から《ウナ・ノーチェ・コン・フランシス》

ラテン・タッチのリズムと哀愁のメロディー。
なんか、寺島さん好みそのもの?
まっ、こういうやつの良さは私も認めます。
フランス語のタイトルには基本的に弱い私(笑)。

次もフランシス・ポウドラ関係。フランシスが自宅録音していた音源から。
しみじみした演奏で、パウエルの歌も聴けちゃいます。
『リラクシン・アット・ホーム 61-64』から《クリスマス・ソング》

さすがパウエル・フリークの雲さん。
こんなアルバムまで持っていたんですね。
これもかなりのヨレヨレ系?テープが伸び気味で音程が不安定なのかも?
パウエルにこんなクリスマス・ソングを弾いてもらうなんて凄い。
それを聴ける私達も幸せ(笑)。
音だけ残るのは酷な場合もありますが、こういうのが遺されたことは素晴らしい。

テープが悪いけど引き込まれてしまうピアノです。

「かけたいものはたくさんあるのですが、後期パウエルは聴けば聴くほど
自閉症に、鬱な気分になってしまう。」と雲さん。
なので、最後は溌剌として俺はピアノを弾くために生まれてきたぞという演奏。
デクスター・ゴードン『アワ・マン・イン・パリ』から《ライク・サムワン・イン・ラブ》
CDにボーナス・トラックとして入っています。

私が持っているのはレコードなのでこれは入っていません(涙)。
これはパウエルのソロで始まる出だしからもう”ウルッ”と来ます。
そこからテンポアップして、明るいけれど哀愁が溢れています。
う~ん、これは胸に迫ってきますよね。いいっ!
ミシェロのベース、クラークのドラムも上手いですよねっ。

今回は”ウルウル”満載なパウエルが聴けました。
パウエル・フリークの雲さんならではの選曲と解説。
”パウエル愛”を感じました(笑)。

<アフター・アワーズ編>

ディレクター嬢は今日が最後。
来期からはディレクターが変わるんだそうです。

番組も大幅リニューアル、乞うご期待!
そして、来週からはジャズ・カフェ 「スコット・ラファロ」 のオーナー tommy さんが
毎週ゲスト出演します!

パウエルをBGMに、「ディレクター嬢とのお別れは悲しいよ~。」トーク。
女子ディレクターAさん、本当にお疲れ様でした!

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ビバップにかける矢野さんでした。

本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「ルー・ドナルドソン特集」
ゲストはアルトサックス奏者の 矢野沙織 さん。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

矢野沙織さんの写真はtommyさんのブログ
快楽ジャズ通信「ルー・ドナルドソン」特集 をご覧下さい。
矢野さんの笑顔が見られます。

ルー・ドナルドソンのプロフィールはディレクター嬢から。
内容についてはウィキペディアなどを調べて下さいな。

矢野さんはかねてからルーさんの大ファンなんだそうです。
雲さんは矢野さんのアルトにビバップよりソウルを感じだとか。
なので、バックはピアノよりオルガンの方が合うとホームページに
書いたこもあるそうです。
「今回の矢野さんのアルバムはオルガンとギターがバックなので
矢野さんのサウンドにピッタリ。」と雲さん。

矢野さんが最初に聴いたルーさんのアルバムは、
アート・ブレイキーの『バードランドの夜』。
矢野さんは無意識にルーさんのことが好きで、
ピアノ・トリオとオルガン・トリオとの差をあまり感じていないとか。
自分の3枚目のアルバムでオルガン・トリオとやった時も違和感はなく、
サウンドの想像がついていたので、矢野さんにとってオルガン・トリオは
自然な編成だそうです。

雲さんも、ルーさんについてはピアノ・トリオとオルガン・トリオとの差は
あまり感じずに聴いていて、自然と”フワッ”と滲み出るソウルフルな感じが
矢野さんにも似ていると思ったそうです。

矢野さんは「そんな恐縮です。」と返事。
チャーリー・パーカー派と言われていることもありがたく思っているし、
誰かに似ていると言われるのはとても嬉しいとのこと。
「誰かに似ていると言うと、私は私だと怒るミュージシャンもいるのに。」と雲さん。

矢野さんは「聴いた人がどう判断するかだと思う。私がやっている音楽を
フュージョンだと感じれば、それで楽しんでもらえれば嬉しいですし、
ソウルだと言われたらそれでいいし、ビバップと言われたらそれもいい。
私は単純にジャズを発信しているだけだと思っている。発信している側が
どう聴いてほしいとズケズケ言うものではないと思っている。」とのことでした。

アート・ブレイキー『バードランドの夜Vol.2』から《ルーズ・ブルース》

ドナルドソンのアルト、ブラウニーのトランペット、
共に勢いに溢れたこれぞバップな演奏が素敵です。
ピアノも文句なく、ブレイキーの煽りもいいですね~。
今更言うことはありません(笑)。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

矢野さんが「凄い、凄い。」と言っていたそうです。
矢野さんは16歳でデビューして今23歳。
14歳からジャズクラブでライブを始めたけれど、まだ若いと言ってもらえるそう。
今の演奏当時、ルーさんは26歳、クリフォード・ブラウンは18、9歳と考えると、
矢野さんは「もう若いみたいな感じですみません。」となっちゃうそうです(笑)。

「当時はビバップが最先端で若い人達が踊りに来ていたのは凄いと思う。
それ以前も以後も最先端の音楽がインストものだった時代はあまりないと思う。
歌であり、誰もが覚えやすいものが流行していくのが音楽だと思うが、
この時代、全然覚えにくいビバップが流行っていたのは凄い。」と矢野さん。

雲さんは「そういう覚えにくいビバップを聴いて燃えるのは熱量というか勢い、
火の出るような感じ。」と言います。

矢野さんは「かなりガチガチに規制された状態で、何でこんなにスピード感があり、
勢いがあるのか。特にアレンジされているわけでなく、32小節とかの中を
ひたすら繰り返しで普通なら飽きるところなのに、前に前に行く熱気は凄い。
それがこの時代のものに限ってあると思う。だから素晴らしい。」と言います。

これを聴いて、矢野さんのビバップへの熱い熱い情熱を感じました。

次はオルガン入り。

『ホット・ドッグ』から《フーズ・メイキング・ラブ》
ドナルドソンが電気サックスにトライしている珍しいアルバム。
「歌も入って和めるんじゃないか。」と雲さん。

これは和めますね(笑)。
ルーズな演奏がなんとも心地よいソウル・ファンクです。
ラフなコーラスがまた緩~い(笑)。
電気サックスとは言いながら普通のアルトとそんなに変わりません。

矢野さんはこれを初めて聴いたそうです。
「ビバップから始めて、これが録音された1969年には時代とともにこんなに変わり、
またバップに戻るのは感慨深いものがある。」と矢野さん。
電気サックスの音色は雲さんも矢野さんもやっぱりよくわからないそう。

次は矢野さんのおすすめ。
ビバップをやっているのが好きということで、
『カルテット・クインテット・セクステット』から《チーク・トゥ・チーク》
矢野さんはこの曲がもの凄く好きなんだそうです。

アップ・テンポでの軽やかな演奏です。
テーマの崩し具合、アドリブも気持ち良いですね。
こういうメロディアスでジャジーな演奏は矢野さんも目指すところなのでしょう。

雲さんは「軽やかで好き。」と言っていました。

矢野さんのアルバム『ビバップ・アット・ザ・サボイ』から《ザ・キッカー》
「勢いのある演奏がいい。」と雲さん。

私もこの曲は好きです。
ここまで聴いてきて、確かにドナルドソンとの共通性は感じますね。
勢いに溢れた演奏です。
続くトランペットも快調そのもの。
快適で楽しいバップ演奏になっています。

「ノリノリで勢いがありますよね。吹いていくうちにヒート・アップしていく演奏が
多いですね。」と雲さん。

矢野さんは「ビバップというジャズをするにあたって、自分でビバップの曲を
作曲しようとは正直思わない。昔のものが正義だと私は思っているから。
だからなるべく昔のまんまもう一度やることにかけている。
そうなってくるとレコーディングが早く終わっちゃう。1,2回録って”ア~ッ”
みたいな感じになるので、その時の集中力・緊張感が良くも悪くもある。
1回録ったあと集中力がほぐれてとり返しがつかなくなる場合もあるが、
それが楽しみでもある。」と言っていました。なるほどね~。

そんな感じで今回のアルバムは2日で録ってしまったそうです。

「ビバップな精神で本当に短い時間に完全燃焼。集中力を凝縮させて爆発させる
感じですね。」と雲さん。
「それがいいことか分からないが、少なくともビバップをやるにあたっては正しいと
思っている。」と矢野さん。

矢野さん。とことんビバップに拘っています。

このアルバムのツアーは現在開催中です。

最後の曲。矢野さんのおすすめ。
『グレイビー・トレイン』からタイトル曲
「ジャケットがいい。この時代のジャケットは反則。撮りっ放しで絵になっちゃう。」
と矢野さん。

こちらはミディアム・テンポで闊歩するかの如くの演奏がいいです。
『ブルース・ウォーク』と同系の演奏。
コンガ入りでブルージーに、臭く成り過ぎないのがいいです。
ブルージーなピアノもいいな~。
私、結構この手のやつも好きなんです。

矢野さんのサックス・ケースは年季が入っているんだそうです。
コーン(CONN)のサックスが入るのはこのケースしかなく、
ボロボロなんだけどやむなく使っているそうです。

このサックスケースの写真はtommyさんのブログを見てね。
快楽ジャズ通信「ルー・ドナルドソン」特集

今日は矢野さんのビバップにかける熱い思いがヒシヒシと伝わってきました。
23歳の矢野さんはしっかりとした主張をお持ちです。
始終落ち着いた受答えなのですが、時折見せる笑いがキュートでした。

<アフター・アワーズ編>

矢野さんのアルトと雲さんのベースのデュオで《ブルース・ウォーク》
テーマーは本家とほぼ同じでした。”昔のものが正義”の矢野さんらしいです。
コードに沿った部分と、エモーショナルな部分がありますね。
エモーショナルになると一挙にソウルフルな歌い回しになると思いました。

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原さんの落ち着いた語り口の解説が素敵でした。

本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「ルイ・アームストロング特集」
ゲストはジャズ・トランペッターの 原朋直 さん。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

ルイ・アームストロング(サッチモ)のプロフィールはディレクター嬢から。
内容についてはウィキペディアなどを調べて下さいな。

原さんの内に熱さを秘めつつも落ち着いた語り口が渋い!

原さんにとってのサッチモは、個人的にはトランペットをやるきっかけだそうです。
ニニ・ロッソとルイ・アームストロングが最初に知ったトランペッターだとか。
そこからジャズのルーツにいる人として強く認識していくようになるそうです。
子供の頃にニニ・ロッソを聴いた辺りは私と一緒です(笑)。

「楽器をやる人は体を使って表現。トランペットは特にそういう傾向がある。」と
原さん。
雲さんは「原さんのトランペットを、強い。重い。一球入魂みたい。」と表現。

まずは原さんのおすすめの《ポテトヘッド・ブルース》
アドリブが良いので注目して聴きましょう。

デキシー・スタイルの軽やかで楽しくなる演奏です。
普段こういうのは聴かない私なので、たまにはいいものです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

聴いた原さんは「優雅だよな~。」と一言。

原さんはバンドが上手くいかなかった時にデキシーを聴いて、
気付いたことがあるとか。
それは「全員でインプロビぜ―ション。皆で参加して作りあげている。」こと。
こういうのがジャズ(音楽)の根っこにあると気付いたそうです。
ドラムとかベースとかが自分のテクニックなどを見せるだけでなく、
全員参加でインプロを発展させていくのが重要。
アカデミックになり過ぎずに皆で演奏したいとのことでした。
この演奏は「1人1人にデリカシーがある。それがないと皆がぶつかっちゃう。」
なんて言っていました。

今度は歌あり。最初のスキャット曲と言われている曲《ヒービー・ジービーズ》

これまた古い演奏ですね。
針音があるのでSPから起したんでしょうね。
味のあるスキャットが聴きどころです。

このスキャットには色々なエピソードがあるそうです。
強く、勢いがあるスキャットです。

次は強い原さんのトランペットを聴きましょうということで、
原さんのアルバム『ピノキオ』からタイトル曲
童話のピノキオと勘違いして買っていく人がいるらしいですよ(笑)。
音響効果を考えて録音しているそうです。

確かにトランペットが超デッド(残響無)に録音されています。
まるで広い空間にトランペットが浮かんでいる感じです。
ピアノ、ベース、ドラムは普通に録られているので、対比が面白いですね。
やっぱりマイルスの演奏が基本にあると思います。
現代流モーダルでスリリングな演奏。

「小細工をしないストレート勝負。トランペットの音が生々しく強い。」と雲さん。

サッチモに戻ります。《ウエストエンド・ブルース》
イントロが凄く有名なんだそうです。
音のインターバルとカデンツ/構成が良く、歌いっぷりが堂々。
原さんもよく練習したそうですが難しいんだそうですよ。
トランペットの奏法からくるらしいですが、吹くのに度胸がいるそうです。
奏法上、特に高音は体で歌う感じで吹かないと吹けないそうです。
トランペットは箱を鳴らす/音を響かせる訓練が最初に来ます。
他の楽器もいづれ音色にぶち当たるが、トランペットはそれが最初に来るため、
音楽がよくわからないうちにそうなるので難しいとのこと。
値段が安いから買いやすいそうですが途中であきらめる人も多いらしいです。

原さんは「高音をどうやって出すか。どうしたら長時間吹けるか。」
とよく質問されるんだそうですが、
そういうのは音楽が成熟してからでないと生きてこないので、
そこまで行ってない人は、最初は出る音域で楽しむのが良いそうです。

なるほど楽器をやらない私が聴いたのでは、
原さんが言ったことはあまりわからないです(涙)。
なかなか落ち着いてリラックスした良い演奏です。

「このイントロはサッチモのインテリジェンスが窺える。」と原さん。
譜面どおり吹いてもこういう風にならないそうです。
歌うつもりで吹くと技術が気になるし、技術を意識するとこうは歌えないそうです。
ウィントンもサッチモは全て盗めないと言っているんだそうですね。

ここからはサッチモは素晴らしい談義でした(笑)。

最後は原さんが大好きな曲《ホェン・イッツ・スリーピー・タイム・ダウン・サウス》
ほのぼのしていてちょっと悲しくて昔から好きなんだそうです。

レイジーな雰囲気のトランペットがいいですね。
原さんの言う通りほのぼのしてちょっと悲しげです。
サッチモの歌がまたいい雰囲気です。
古き佳き音楽の温もりに溢れた曲。
胸がちょっぴり”キュン”となります(笑)。

今日はトランペッターの心構えやトランペッター目線ならではのサッチモ解説が
凄くためになりました。
こういう情報を知っているとより音楽が楽しめるのではないかと思います。

<アフターアワーズ編>

原さんのトランペットと雲さんのベースでセッション。ブルースです。
原さんのトランペットはヤマハ製の原朋直モデルなんだそうですよ。

トークと同じで内に熱いものを秘めつつ落ち着いた語り口で進みます。
で、時々ハイノートを果敢に入れ、一挙に高速フレーズを吹いたりと、
自ずと熱さも噴出(笑)。カッコいい演奏でした。
歌う感じで吹いているのが良くわかりました。
番組中に言っていた通りの演奏。さすがです。

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ドルフィーのアルトは3つのキーワードで聴け!

本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「エリック・ドルフィー~アルトサックス編」

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。
今回のポッドキャストは雲さんの”シーツ・オブ・トーク”が聴けます(笑)。
ドルフィー愛!

雲さんはドルフィーのアルトが大好きです。
ドルフィー・アルトの3つのキー・ワード。
「超スピード」「無重力」「肉感的」。

掴みの1曲。
『アウト・ゼア』からタイトル曲
バップ・イディオムを基本にしつつ、発想がわからないアドリブを聴きましょう。
ロンカーターのピッチ(音程)の悪いチェロが怪しくいい味を加えています。

ロンのチェロのソロから入ります。
雲さんが言うように怪しいです(笑)。
続くドルフィーのアルト。
飛翔するアドリブだと思います。確かに無重力。
アドリブに身を任せ、一緒に心を飛翔させれば極楽(笑)。
ブラシの煽りもなかなかなのです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

どこまでも未知の空間へ突き進んでいくアドリブ。
このアルバムは雲さんの愛聴アルバムです。

ドルフィーのアドリブはウネウネなメロディーで音程が#(シャープ)ぎみ。
パーカーのアドリブの発展系です。
「パーカーがマジンガーZならドルフィーはグレート・マジンガー」と雲さん(笑)。

比較のためにパーカーのアドリブをチラッとかけたうえで、
「ドルフィーはこのウネウネ感の振幅を大きくして疾走していく。」と雲さん。

『ベルリン・コンサーツ』から《アイル・リメンバー・エイプリル》
ドルフィーのアドリブ部分のみでカット。

なるほどね~。
パーカーの発展系。
凄く疾走しています。

このスピード感。ウネウネの上下の振幅を激しくしたのが特徴。
この演奏をリアルタイムで聴いていた人はアバンギャルドと思ったらしいが、
雲さんはあまりアバンギャルドとは思わなかったそうで、
パーカーを聴いていたので、ドルフィーはその発展系としてわかったそうです。

次のテーマ。無重力。

コレトレーン・グループにドルフィーが参加した時の演奏。
『インナー・マン』から《MR.P.C.》
コルトレーンのソロを喰ってしまうドルフィーのアルト。
コルトレーンのソロの途中から割って入るドルフィーが聴きどころです。
ドルフィーのソロが終わったところでカット。

コルトレーンのソロも熱いんですよ、かなり。
シーツ・オブ・サウンドで正に鬱陶しいソロをとります。
ソロが続きそうなのにいきなり入ってきますね。ドルフィー(笑)。
こちらもシーツ・オブ・サウンドです。
なんかイッちゃってます(笑)。
にもかかわらず芯はクール?なのがドルフィー。

「2人の資質の違いがはっきりわかります。」と雲さん。
喰うサイドマン。ドルフィー。

コルトレーンは地球の重力に足を引っ張られている。
突き抜けられないもどかしさがあり、そこが良いところでもあります。
対してドルフィーは最初から大気圏外で高速運動をしています。

3つ目のキーワード。肉感的。

ジョージ・ラッセルの『エズ-セティックス』から《ラウンド・ミッドナイト》

これは出だしからかなりの怪しいサウンドですよね。
そこへドルフィーのアルトが登場。
雲さんが言うとおり確かに肉感的です。
でも私から敢えて言わせてもらえば、”艶(なま)めかしさ”だと思います。
ドルフィーは艶めかしいオーラを放っているのです。

人間が呻いているかの如く、内臓を振り絞るかの如くバラードを演奏。

かけたい曲がたくさんあるが、時間の都合で無理。
ということで、外せない1枚。
『アット・ザ・ファイブ・スポットVol.1』から。
ドルフィーのグループが素晴らしい演奏を展開。
このグループは興業収入が悪くて短期で解散してしまいました。
このライブ盤はVol.1、Vol.2、メモリアル・アルバムがあるがVol.1がいい。
雲さんは《ザ・プロフェット》が一番いいとのことですが、22分なのでカット。
負けず劣らず素晴らしい演奏。マル・ウォルドロン作の《ファイアー・ワルツ》

ここではマルもアグレッシブなアドリブを展開。
マルのピアノ・ソロはギター的な発想でリフを繰り返します。
「ロック・ファンが聴いても燃えるんじゃないか。」と雲さん。
熱い演奏をお聴きください。

ドルフィーのアルトはやっぱり凄いですね~。
上記で説明してきたとおりのアルト・ソロです。
続くブッカー・リトルのトランペットもいいです。
ドルフィーのイディオムに接近を試みた果敢な演奏。
マルのソロはリフの繰り返し的と言われてみれば確かにそうですね。
今まで意識していませんでした。なるほどね~。

「この演奏には先に挙げた3つの要素が入った素晴らしいものです。」と雲さん。

ドルフィーのアルトが大好きな雲さん。
めいっぱい内容を詰め込んだ今日の放送でした。
”熱い”雲さんでした(笑)。

<アフターアワーズ編>

1月10日に銀座アップルストアーで行われた
ジャズ・フルーティストMiyaさんとのトーク&セッションから。
セッション曲《ストレート・ノー・チェイサー》

いつものスタジオ録音よりベースの音が断然良いです。
MIyaさんのフルートは素朴で優しくてちょっと攻撃的でいい味わい。
雲さんのウォーキング・ベースも”グーッ”。
ライブの時はMiyaさんに見とれてよく演奏がわからなかったのですが(笑)、
これはいい演奏でしたね。

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ピエラヌンツィ大好きな西山さんは楽しそうでした。

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「エンリコ・ピエラヌンツィ特集」
ゲストはジャズ・ピアニストの 西山瞳 さん。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

P82_2 西山さんのときおり出る大阪弁とイントネーションが
カワイイ感じです。
写真の落ち着いた雰囲気とはちょっと違い、
喋り方は親しみ感と愛嬌があります。

西山さんはある時期エンリコ・ピエラヌンツィ一辺倒
だったそうです。
でも最近はピエラヌンツィから離れたいという意味もあって、
あまり聴いていないとのことでした。

「西山さんのピアノはピエラヌンツィのイメージはない。」と雲さん。
「イメージ的にはハンコックだと思いました。」と言うと、
西山さんは「ハンコックは聴いていません。高校生で止まって、
それ以降聴いていません。」とのお答え。
今はジョン・テイラーやステファノ・バターリャをよく聴くそうです。
フランス、イタリアのピアニストをよく聴くんだそうです。

ジャズを始めたのはチック・コリアとビル・エバンスを聴いたから。
エバンスはジャケ買いで、チックは帯買いなんだそうです(笑)。
エバンスは『アンダーカレント』。
チックは『ナウヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』。

後者はリターン・トゥ・フォーエバーや電気のイメージが強かったチックの
ピアノ・トリオが新鮮だったそうです。
雲さんは《マトリックス》がブルースだと気付くまでに時間がかかったそうで、
ならばピエラヌンツィのブルースを聴いてもらいましょうということに。

ウンブリア・ジャズ際のライブ。
『Un'alba Dipinta Sui Muri』から《ブルース・ノー・エンド》
雲さんが最初に聴いたピエラヌンツィのアルバムだそうです。

なるほど低音を中心に弾く面白いピアノ・ソロ。
独特の音センスを感じます。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

雲さんは「硬質なピアにズムで”ドスン”と迫る感じがする。」と言います。
西山さんによれば、ピエラヌンツィはたくさんのレーベルに録音していて、
レーベルによって感じが変わるとのことでした。

西山さんのおすすめ。CAM JAZZレーベル。
『ニュー・ランズ』『チャイルド・イズ・ボーン』というタイトルで復刻)から
《アイ・ラブ・ユー》
西山さんはこのアルバムを全部コピーしたそうです。
マーク・ジョンソンのベース、ジョーイ・バロンのドラムとの最初期のトリオ。

ピエラヌンツィらしい、ヨーロッパの匂いのするピアノです。
基本、エバンス系なんですけどね。しなやかな音遣い。
ジョンソンのしなやかなベースとバロンの繊細なドラムがからみ。
品格があるピアノ・トリオ演奏です。

「今のトリオ演奏とはだいぶ違う。」と雲さん。
「マーク・ジョンソンが疾走する。勢いがあっていい。」と続けます。
「ピエラヌンツィはエバンスに似ている。」とも。

西山さんは一緒にやっているベーシストの方から
「マーク・ジョンソンのベースはいいから聴いてみたら。」と言われて、
ジョンソンが参加するトリオでピエラヌンツィを聴くようになったそうです。

最近の同メンバーのトリオ演奏。
『ドリーム・ダンス』から《キャッスル・オブ・ソリチュード》
西山さんと雲さんの選曲が一致。

なるほどね~。聴き比べると確かに違います。
録音が骨格のしっかりした音になっているからかもしれませんが、
醸し出す香が濃厚になっています。
音の陰影感が増しているんですね。
ラテン・リズムとメロディーが哀愁を帯びてイイ感じです。
どことなくチック・コリアの《スペイン》に通じるメロディー。

「進化、深化している。」と雲さん。
「独特の世界。円熟味を増している。」と西山さん。
「マーク・ジョンソンが大人の色気を発していていい。」と雲さん。

このCAM JAZZレーベルは音がいいです。
「オーディオ・ファンがこのレーベルがいいというのがわかる。」と雲さん。
ならば、このレーベルのクラシックのピアノ・ソロ。
原曲からインプロビゼーションに入るのでジャズ・ファンも楽しめます。

『エンリコ・プレイズ・ドメニコ・スカルラッティ』から
《ドメニコ・スカルラッティ作曲K531/インプロ》

これはもうクラシックの録音。
響きのいいホールの残響を豊かに録音しています。
いや~っ、立派なクラシック演奏です。
さすがはヨーロッパのピアニスト。格調が高いです。
これはもう育った環境が違うとしかいいようがありません。
こういう味は一朝一夕には出せないのです。

「自由奔放に気持ちよさそうに弾いている。」と雲さん。
「インプロが面白い。変わるところがすぐわかる。」と西山さん。

ちなみに原曲をしらない私はどこで変わるのかちょっと?でした(涙)。

西山さんのアルバム『パララックス』から。
このアルバムは雲さんお気に入りで1日何度も聴いたこともあるそうです。
雲さんは《ジ・アザー・サイド・オブ・ミッドナイト》の人力ドラムンベースが好き。
色々な演奏があるというので選曲に迷っていました。
「西山さんのピアノは馬場さんのギターと重なると相乗効果で世界が広がる。」
「馬場さんのギターは暖かいパット・メセニーという感じ。」と雲さん。
時間をかけて練り上げて曲を作ったという馬場さんのギターが加わった
《インビジブル・ワールド》をかけることになりました。

ギターは確かに暖かいパット・メセニーです(笑)。
曲想がパット・メセニー・グループな感じです。
私はこの世界観は好きです。
馬場さんはかなりメセニーに影響されているように思います。
後半の盛り上がりでは微妙にカート・ローゼンウィンケル風フレーズも
入っているところが、今時のギタリスト。

「広がりが感じられます。」と雲さん。
馬場さんは見た目は地味な感じなんだそうですが凄いギター弾き。
藤井隆に似ているということでインパクトがあるとか(笑)。

このバンドはずっと関西でやっているそうで、
このアルバムはバンドの皆で作り上げたのだそうです。
雲さんお気に入りの人力ドラムンベースは一発録りだそうで、
ドラマーの方は普段クラブ系のリズムもやっていて慣れているとはいえ、
一発録りは凄いという話も。

最後も西山さんの選曲。
クラシック演奏もあったので、ジャズっぽい曲で締めましょう。
『シーワード』から《フット・プリンツ》

このアルバム、寺島さんが自著で推薦していましたね(笑)。
テーマの後ベース・ソロなんですが、これがなかなかいいです。
リズムのノリがヨーロッパですが、私はこういうのも好きです。
メロディーは香高い感じ。
ベースとドラムの積極的なからみもいいです。

西山さんのトークは誰かに似ているかと思ったら、
賀来千賀子を気さくにした感じのような・・・違うかな(笑)?

ライブ情報は 西山瞳さんのブログ をご覧下さい。

4月にはエンリコ・ピエラヌンツィ特集があるそうで、
マニアの集まりの様相を呈するのだとか(笑)。

<アフター・アワーズ編>

西山さんがしゃれで《枯葉》をエンリコ・ピエラヌンツィ風にアレンジ。
西山さんのピアノと雲さんのベースとのデュオ。

なるほどね~。確かにこんな感じかもしれませんね~。
私、ピエラヌンツィのアルバムはリーダー作他8枚持っているわりには、
いまいち特徴は把握しきっていないので”感じ”レベルです。
凄く快適で心地よい演奏でした。
これはエンリコ・マニアのオタクな世界です(笑)。

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ウェスの魅力満載な選曲。楽しく聴きました!

本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」は「ウェス・モンゴメリー特集」。

番組詳細は 「快楽ジャズ通信」ブログ編 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

ウェスのプロフィールはディレクター嬢から。

抜群のセンスとノリが多くの人を魅了してやまないウェス。
雲さんが思うウェスとは。
ドライブ感、非常にノリノリな演奏。
『ソー・マッチ・ギター』から《ツイステッド・ブルース》

この演奏は初めて聴きましたが、確かに抜群のノリです。
コンガが入った躍動的なリズムの上で、
スラスラと心地よいフレーズを次々繰り出すウェスは最高!
続くピアノ・ソロもドライブ感を維持します。
とにかく気持ち良い演奏ですね。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

メンバーが面白いです。
意外とノリノリなハンクのピアノ。黒いロン・カーターのベース。
レックス・ハンフリーズのドラム。
ラテンっぽくなくアーシーで土臭いレイ・パレットのコンガも良い。

オクターブ奏法とは?
1オクターブ上の音も一緒に弾く奏法。
効果としてはメロディーの骨格が強くなります。
パウエルも中期以降、右手と左手で同じようなことをやっているそうです。
雲さんがエレピで弾いて説明してくれました。

次はこれぞオクターブ奏法。
味わい深いバラード演奏。
『インクレディブル・ジャズ・ギター』から《ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス》

これも雲さんの言うとおりですね。
これぞオクターブ奏法。
メロディーが良いだけに、
この奏法によってメロディーが強化されると味わいが増しますね。
なるほど。

「これが染みる。」と雲さん。オクターブ奏法の音色を生かす良い演奏。

「こんなウェスのギターをもっと多くの人に聴かせたい。」と、
CTIレーベルのプロデューサーのクリード・テイラーが考えて、
ドン・セベスキーがアレンジしたオーケストラを加えてアルバムを制作。
ママス・アンド・パパスの曲をいなたい感じに弾くのが良いです。
『カリフォルニアの夢』から《カリフォルニア・ドリーミン》

これね~っ。ウェスのコマーシャル路線。
私も一時期はバカにしていました(笑)。今はこれもまた良し。
かなり前、この年代ものはレコードにしようとCDを売っちゃっいました(笑)。
この路線は『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』だけ持っています。

また時代は戻って、リバーサイドと契約した頃のオルガン入りトリオ。
『ザ・ウェス・モンゴメリー・トリオ』から《ジ・エンド・オブ・ラヴ・アフェア》

これ、初めて聴きましたがいいですね~。
ウェスの温かいギターの音色とオルガンのクリーミーな音色がマッチ。
なんとも言えない心地よさです。
長閑に演奏しているところが良いのです。
これは気に入りました。

「ちょっとこじんまりとしたオルガンが良い。アメリカの田舎の小さなクラブで
聴くと良さそうな感じ。」と雲さん。

次はヴァイブラフォンのミルト・ジャクソンとの共演。
ミルトはアクの強い人とも上手く調和してかつミルトらしさも出します。
『バグズ・ミーツ・ウェス』から《ブルー・ロズ》

これはほんとに気持ちの良い演奏です。
私はこのアルバムがかなり好き。
ミルトのヴァイブとウェスのギターがベスト・マッチ。
適度な緩さが抜群の味わいを醸し出しています。

話は変わりまして、ウェスの弦の張り方。
上(高い音)2本はフラット・ワウンド、下(低い音)4本はラウンド・ワウンド
の弦を張っています。
弦の違いによる音色の違いを演奏に生かしているそうです。

雲さんが感じるウェスの2不思議(笑)。
タバコ咥えたままニコニコして弾いているけど煙が目にしみないの?
動きがもの凄く少ないのに音は速い、このギャップが面白い。

最後はウェスの特徴であるギブソンのギターがジャケットになったアルバム。
ドライブしまくりノリまくりの演奏です。
レギュラー・グループではなくジャム・セッション的演奏なのに抜群のまとまり。
非の打ちどころがないアルバムから。
グリフィンの熱いテナー、コブのグルーブするドラム、
チェンバースのベース、ノリノリなケリーのピアノ。
メンバーも最高の熱い演奏です。
『フル・ハウス』からタイトル曲

これは今更説明不要の演奏ですよね。
雲さんが説明したとおりです。

今日はウェスの魅力満載な選曲で楽しかったです。

<アフター・アワーズ編>

ゲストは tommy さん。
tommyさんはウェスからジャスに入門したそうです。
「当時はウェスのイージーリスニングからジャズに入った人が多いはずだけど
カッコつけて言わないんじゃないか?」とtommyさん。
tommyさんはデザイナーなので、CTIのジャケ写を参考にする目的もあったとか。
そこからはオヤジジャズ談義です(笑)。
最後に「イージーリスニングだからと言ってバカにせず楽しんでききましょう!」

了解で~す!ではこれから『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』を聴きます。

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纐纈さんはマクリーンと同じで個性的です。

今夜の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「ジャッキー・マクリーン特集」
ゲストはアルト・サックス奏者の纐纈雅代(こうけつ まさよ)さん。

番組詳細は 「快楽ジャズ通信」ブログ編 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

今回の番組収録は見学させていただきました。
その時の模様は 纐纈雅代さんのアルトに背中が”ゾワゾワ”! をご覧下さい。

P1_7 まずジャッキー・マクリーンのプロフィール。
いつものようにディレクター嬢から。

雲さんが「マクリーンのことをどう思いますか?」と質問。
纐纈さんからは
「上手い。パーカーと比較すると劣るけど、かなり上手い。」
「人間としては上手い。」と、
面白い回答が返ってきました。
アルトサックス奏者としてはパーカーは神であり別格。
マクリーンは人間としては上位に位置するということです。

雲さんはこの一言が”ツボ”だったのです。
私もこれは言いえて妙だと思いました。
雲さんと横で見学していた私は爆笑。
纐纈さんには座布団3枚はあげたかったです。

パーカーが人間離れしているのに対してマクリーンは人間臭い。
纐纈さんは「マクリーンは兄ちゃんみたい。」とも言っていました(笑)。

音程がフラットしていることについて。
纐纈さんは「アンサンブルをする時は気になるけれど、
それとは違うところを目指していたんだろう。」と言います。
で、「言いたいことがいっぱいあるぞ、という気がする。」と雲さん。

雲さんが「纐纈さんは演奏中言いたいことがあるんですか。」と質問。
纐纈さんは「自分を自由とか解放したいと思っています。」と回答。
曲のことも考えていないんだとか。
「なんだろう、欲求ですね。なんで生きているのかと似ている質問。」と続けます。
「サックスがあるから吹いている。だから上手くならない(笑)。」なんてことも。
纐纈さんにとってのアルト演奏は、自然発生的な欲求なんでしょうね。

纐纈さんの普段の練習について。
ロング・トーンの練習をやってから倍音の練習をやるとか。
倍音練習は音色が良くなるためにやるそうです。
そして曲の練習は全然しないらしく、曲は本番だけだそうです。
「練習は運動で言えば筋トレみたいなもの?」と雲さん。
「そんな感じです。」と纐纈さん。
練習最後に本番のテンションで曲をフリーに吹くこともあるそうです。

まずは纐纈さんのおすすめで、雲さんとも一致した曲です。
『デーモンズ・ダンス』から《スイート・ラブ・オブ・マイン》

私はこの曲が好きです。
哀愁がありつつ前向きな気持ちになれる曲なんです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

これを聴いて思い出したのです!
これ、鈴木勲の『ブルー・シティー』に入っている《45丁目(8番街)》と同曲!
このアルバムについてはブログに書いています。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-c0e6.html
ネットで検索したらウディ・ショーと共作とのこと。
鈴木さんのアルバムにフィーチャーされた纐纈さんがこの曲を選ぶところが、
巡り合わせの妙ではありませんか?
番組収録中に思い出していれば面白かったのに、残念!

この曲調にマクリーンのアルトがベスト・マッチ。快調です。
続くウディ・ショーのトランペットも渋く。
ちょっと変わったピアノ・ソロのコード使いもなかなかいい感じ。
いいな~この曲と演奏。

「こういう旋律にマクリーンのアルトが合う。」
「しんみりした曲に哀感のあるアルトがマッチしている。」と雲さん。

次は雲さんが好きな曲。
デクスターとの共演。熱気がありいかにもジャズ。
雲さんが考えるジャズのイメージはこういう演奏。
『ザ・ミーティング』から《ルー・デラ・アルプ(アルプ通り)》
デンマークのカフェ・モンマルトルでのライブです。

この曲、私も好きな曲です。
雲さんの好きな曲にデクスターの《ラ・クワフール》があるのですが、
タイトルがどちらもフランス語で、曲(コード)の響きも似ている感じ?
で、私もこういう曲調が好きなんです。”ツボ”メロディー(笑)?
マクリーンの途切れ途切れのフレーズがいかにもこの人。
その場その場で言いたいことを音にしています。
対するデクスターの物語のあるフレーズ。これもさすがです。
2人のソロが好対照。
バックではアレックス・リールがドラムでガンガン煽ります。

纐纈さんの感想は「面白い。マクリーンはそのまんま。」でした。
「デクスターは安定していて30秒くらいさきを予測している。」と雲さん。
「ここで笑わせたいというところに話をもっていくような感じ。」
「対するマクリーンは1秒くらい先しか考えていない(笑)。」
「その場その場で言いたいことを吹く。刹那的。」と続けます。
纐纈さんも演奏も刹那的だそうで、先は考えられないそうですよ。

次は鈴木勲『ソリチュード』からタイトル曲
前回ゲストの時は《キャラバン》をかけたのですが、
今回は鈴木さんのベースと纐纈さんのアルトでデュオ。

鈴木さんに見守られつつ纐纈さんがアルトを吹いているように感じます。
鈴木さんのベースはのたうっているのですがどこかやさしい。
お爺さんと孫の共演です(笑)。
私はなかなか味のある演奏だと思います。ほのぼの感も漂っています。
素の纐纈さんがそのまま出た吹き方だと思います。

「改めて聴くと恥ずかしい。頑張った。」
「その時にしか吹けないということで、懐かしい。」と纐纈さん。
この演奏は1回やってみようかということでやったそうで、
纐纈さんはリハーサルのつもりだったのに、
鈴木さんからO.K.が出たんだそうです。
「一発勝負がジャズらしいですよね。」と雲さん。
纐纈さんも頷いていました。

最後は纐纈さんのおすすめ。
『スイング・スワング・スインギン』から
《レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス》

これはもう正にこれぞマクリーンという名演。
マクリーン節炸裂です。
この勢いとスイング感は最高ですね。
バックでアート・テイラーが煽る煽る。
ウォルター・ビショップJr.のピアノもコロコロ・スインギー。
ハード・バップの良さが凝集されていると思います。

「このアルバムのベストに近い演奏。迷いのないアドリブ。」と雲さん。
ベースのジミー・ギャリソンが意外。

纐纈さんはこの演奏を聴いて、50年代とは違うと思ったそうです。
「マクリーンの初期は上手くて凄くクール。」
「60年代は自分のキャラを売りだそうとするのが伝わる。」
「これはその中間。」と纐纈さん。

雲さんは「50年代は一生懸命。熱にうなされている感じ。」
「晩年になるに従ってマッチョになろうと、太い音を吹きたいのが感じられる。」
「男一発マクリーンを出していこうとするのが感じられる。」と言ってます。

纐纈さんのライブ予定はブログ:纐纈雅代 をご覧下さい。

今回はなかなか味のあるトークが交わされていました。
で、収録現場を見たのでわかるのですが、ディレクター嬢の編集は凄い!
お疲れ様でした。

<アフターアワーズ編>

纐纈さんのアルトと雲さんのベースでデュオ、《レフト・アローン》。

抑揚のダイナミックレンジとかテーマの崩しとか凄くいい感じです。
渋いんですよね~。音だけからは若い女性とは思えません。
アドリブに入るとまた熱いんですよ。後半はフリーキーにもなります。
途中に挟む「ピピピ」がいいアクセントになっていると私は思います。
とにかく”バップ”です。
現場で聴いた音は凄かったのですが、ラジオでは伝えきれませんね。
こればかりはしょうがありません。

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コルトレーンのバラード表現の解説に納得!

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「コルトレーンのバラード特集」

番組の詳細は 「快楽ジャズ通信」ブログ編 を参照願います。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

(注)緑字以外は雲さんの番組中トークの要約です。

コルトレーンのバラード表現は多彩。
でも、多くの人がコルトレーンのバラードと言えばこれ。
まず最初は『バラード』から《セイ・イット》

P59 このアルバムはジャズを聴き始めてしばらくして買いましたよ。
私は『至上の愛』のほうが好きでしたけどね(笑)。
なんだかんだ言って、やっぱりこれはこれで良さがあります。
まじめなコルトレーンらしい誠実なバラードだと思うのです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

はっきり言ってコルトレーンは下手です。
でもB級バラードのほうが染みてきます。
A級はベン・ウェブスター、コールマン・ホーキンス、ソニー・ロリンズなど。
こういう人達がやるバラードはご立派。
そうでなくて、どこかなんか弱さがあるほうが泣けます。
ガトー・バルビエリ、スタンリー・タエンタインなどB級も良いのです。

デビュー・アルバム『ジョン・コルトレーン』から《コートにすみれを》
メロディーを大事にしたアドリブ。メロディーをフェイクしています。
コルトレーンに続く、フワッと出てくるレッド・ガーランドのピアノも聴きどころ。

確かにバラードについてはB級なんでしょうね。
そっけない感じがします。
私はそこにコルトレーンのまじめさを見ます。
コルトレーンは愛をささやくようなバラードはできません(笑)。
どことなく人ごとのように淡々と語ります。
だから「愛してるよ。」と素直に言えない日本人には受けるのかも(笑)?
ガーランドのピアノがロマンティックでいいですね~。

雄弁じゃないから染みるコルトレーンでした。

表現はホーキンスが王道、同じ土俵では勝負できないと考えたコルトレーン。
そこで生きてくるのがモード奏法。
明るくも暗くもない和音の中を縫って行きます。
モード奏法を手に入れたコルトレーンのうっとうしいくらいのバラード。
新時代の斬新なバラードを提示。
『コルトレーンズ・サウンド』から《ボディ・アンド・ソウル》

このアルバムは持っていたのに、この演奏にはあまり記憶がありません(涙)。
ピアノの響きがフレッシュでまさにモード。マッコイです。
なるほど斬新なバラード表現ですね。言われて気付きました。

ピアノのマッコイが弾き出すモーダルな表現により、
コルトレーンのモード奏法が更に際立っています。
明るさ暗さの響きを含んだピアノの中でコルトレーンのモードが生きます。

次はオリジナル曲によって、さらに独自のバラードになっています。
『ジャイアント・ステップス』から《ネイマ》

これはもうコルトレーンの世界。
コルトレーン・バラードとしてオリジナリティーがあります。
やっぱり、ジャズってオリジナリティーが大切。
染みます。モードの良さが出たバラードですよね。

先の《ボディ・アンド・ソウル》は煮たり焼いたりして、
コルトレーン・バラードにしていましたが、
こちらは浮遊感、寂寥感、他のジャズ・マンに出せない味を出しています。

《ネイマ》を発展させて、スパニッシュ・モードを取り入れるとこうなります。
『オーレ』から《アイシャ》

これもコルトレーンの独特なバラードですね。
曲が独特な哀愁を漂わせています。
ドルフィーのアルトも独特な寂寥感を出してますね~。
オリジナル曲で本領発揮のコルトレーン・バラード。なるほどね。

コルトレーンの表現とバックのサウンドとメロディーがよくマッチングしています。
フレディ、ドルフィー、マッコイの御立派なソロの後に、
コルトレーンがフワーっと緩く出てくるのが良いのです。

雲さんは個人的にこういう演奏も良く聴いています。
マッコイのピアノがガンガン来ていたので、次はピアノが抜けたピアノレス・トリオ。
フワーッと素朴に染みてきます。
コルトレーン独特の緩さ、心にスルスルと入って来るところを聴いて下さい。
『ラッシュ・ライフ』から《ライク・サムワン・イン・ラブ》

これ、ほんとに素朴なコルトレーン。
淡々と愛を語るコルトレーンはまじめです(笑)。
染みる演奏だと思いますよ。

コルトレーンのバラード、私はボケーッと聴いてきました(涙)。
今回の雲さんの解説には「なるほど!そういうことか。」と納得しました。
解説していただくとより深く聴くことができると思います。
熱く語っていましたが、最近は鬱陶しさはないと思うのですが・・・。
トークがスマートになったと思うのです。
それとも私が雲さんの熱トークに慣れちゃったから(笑)?

<アフター・アワーズ編>

ジャズ・カフェ 「スコット・ラファロ」 のオーナー tommy さんがゲストです。
沖縄コザのジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」のオープン日。
最初にかけたのがコルトレーンなんだそうです。
tommyさんもコルトレーンが好きです。泣けるところが良いそうですよ。
「コルトレーンはわかるわかると肩を叩いてくれるバラード。」とtommyさん。
上手いこと言いますね!
その後はオーディオ話。
「iPodでジャズは分かるの?雲さん。」とtommyさん。
お2人のジャズ・オーディオ・ライフ雑談でした(笑)。

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フルーティストMIYAさんとの「快楽ジャズ通信」公開録音

ジャズ・フルーティストMIYAさんをゲストに招いた「高野 雲の快楽ジャズ通信」
公開録音の模様がポッドキャストにUPされました。
コチラ
http://www.musicbird.jp/podcast/kairaku_jazz.xml

公開収録を見に行った時の記事はコチラ
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-b3aa.html

P53_4 

公開録音にて、フルートについて説明するMIYAさん。

P54_2 こちらは昨年発売されたMIYAさんの新譜『オリエンタル・サン』(2009年rec. T&Kエンターテインメント)です。メンバーは、MIYA(fl,afl)、スガダイロー(p)、渥美幸裕(eg,g)です。フルート・ソロ2曲、ピアノとのデュオ3曲、ギターとのデュオ3曲、トリオでの演奏2曲の計10曲が収録されています。

1曲目《椰子の実》はピアノとのデュオ、スガさんはこういう風にも弾けるんですね。クラシカルな雰囲気ではじまります。MIYAさんのちょっと擦れたなんとなく尺八風味のフルートの優しく素朴な歌が聴こえてきます。途中からダイナミックな展開へ、躍動的な2人の掛け合いが楽しいです。最後は熱気を徐々に冷まして終了。

2曲目《バウンシング・ウィズ・バド》はソロ演奏です。こんなバップ曲を演奏するところが、MIYAさんのジャズ精神のあらわれですね。スピード感がテーマだったそうで、畳み掛けように次々と音を繰り出してきます。かなりアグレッシブな演奏で、カッコいいです。

3曲目《美しい星》はトリオでの演奏。三島由紀夫の同名の小説からインスパイアされた曲。宇宙的広がりとどことなく孤独感が漂うきれいな曲です。スガさんの硬質な美を醸し出すソロのあとにフルート・ソロへ。力強さを持った歌です。バックでは渥美さんがギターのボディーを叩いて盛り上げます。その後エレクトリック・ギターで空間を生かした渥美さんのソロとなり、テーマに戻って終了。3人の良いところが出た演奏だと思います。

4曲目《ブルース・フォー・ザ・シー/海に捧げるブルース》はギターとのデュオ。テーマ部で、海の泡を模したようなギター音が効果的です。この曲を聴いていると、ギター&ヴォーカルのオシドリ夫婦デュオ、タック&パティーが浮かんできます。もちろんこちらはギター&フルートのデュオなんですが、MIYAさんのフルートはハスキー・ボーカルのような感じなのです。じんわり染みる曲です。

5曲目《マイ・ロマンス》はフルート・ソロ。MIYAさんが大好きなスタンダード曲だそうです。私もこの曲が大好きです。ロマンティックなメロディーだと思いませんか?カワイイ演奏になっていると思います。最後の”ピッ”がおちゃめなところもあるMIYAさんらしいと思いました(笑)。

6曲目《ペチカ》はギターとのデュオ。ゆったり始まり途中から5拍子になります。ジプシー・ライクなギターとからみ、原曲のイメージから離れていく感じが面白いと思いました。

7曲目《リバース/再生》はピアノとのデュオ。フォーキーで土の匂いを感じさせる演奏です。キース・ジャレットのヨーロピアン・カルテット的な曲だと思いました。スガさんのピアノを聴いていると、ダラー・ブランドの『アフリカン・ピアノ』も浮かんできます。左手の低音アルペジオは大地の力強さですね。MIYAさんのフルートは再生を喜び、大地の上を舞い踊るが如く。

8曲目《オリエンタル・サン》はピアノとのデュオで天岩戸の神話がモチーフ。確かに天岩戸の前で、踊りを捧げているようなイメージが浮かんできますね。ピアノ・ソロの間の多さと音塊が面白いです。天照大神が外の様子を覗いている感じなのでしょうか(笑)?その後、天照大神が現れ一緒になって、ピアノとフルートが踊り狂います。

9曲目《インスティンクト・モーメンツⅠ》は「本能的な瞬間」。トリオでのフリー・インプロビゼーション。刺激的な演奏の小品。

ラスト《トーキング》はMIYAさんのフルートと渥美さんのギターによる、まさしく「会話」です。時には静かに、時には熱く語らいます。お2人は何について語らっているのでしょうか?ジャズについて?恋愛について?

じっくりと聴いてあげたいアルバムになっていると思います。

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